坂上香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文句なしに今年のベスト1です。
島根あさひ社会復帰センターでTC (Therapeutic Community), 回復共同体)というグループトークで人間性を回復していく様は感動ものです。
幼少期から食べ物も与えられず意味なく殴られ続けた人達の多いこと!
犯罪を犯しても「別に」としか言えない状態になったのは育つ環境のせいだとはっきり分かります。
幼児期や小学校時代に子どもたちを虐待から救っていたら犯罪者にはならなかったのに!
罪を犯しても平気な人たちもグループトークを繰り返すことで徐々に感情を取り戻し人間になっていくことが可能なんですね!
刑務所や保護施設の人だけでなく、子どもを扱う全ての施設の人に読んでもらいたいです。 -
Posted by ブクログ
まだ半分だが、涙無くしては読めません…
ひとは、変われる。
もともとは優しい子でも、こんな扱われ方をしたら、
堪らないだろう、道を外してしまうのもやむを得ない…
子どもであろうが、また、おとなであろうが、
ひと同士、きちんと向き合い、辛いことがあれば、
何か具体的なことや、救いは出来ないとしても(必要なお金をあげたり、とか、病気を治したり、といったことは出来ないとしても)、ちゃんと聴いて、共感する、寄り添う、ということが、いかに大事か!とあらためて思わされる。
「有難う」、語ってくれたことに、心底、そう思います。
2026/08/11(火・祝日) 読み終わりました。
毛利さんのように、ご自身が情熱を持って取り組まれること、その熱が、自然と伝播するような環境ならば、この仕組みは犯罪を犯してしまったかたの更生に役立つのかもしれない、と思った。
これを広めて、汎用的にすることは、難しいのだろうと思うし、なぜ、それが難しいのだろう?などと、また別の疑問が浮かんできた。
少なくとも言えることは、「(ことばの暴力も含めて)暴力は連鎖する。不遇な環境も、子どもの心身の育成には良くない。だから、子どもたちの育成には、環境を整えてやらねばならないし、暴力を振るってはならない」ということ。
それが、ひいてはより良い社会を形成するための基礎となるのだから。 -
Posted by ブクログ
死刑囚
それはどこか通常の犯罪とは一線を画すような
もう自分の想像を超えてるような
いわゆる自分とは無関係な世界だと思っていた
一方で、刑務所の中の人
万引きや暴行で逮捕された人にはきっとそれなりの背景があるのだろうと想像できて一概に悪人扱いできない思いがあった
読んでみて思ったことは
二者の間に確実な線引きなどないということ
その時の裁判の流れでそうなるかならないかの違いでしかないこと
そして死刑囚がこんなにもたくさんいることに驚いた
私たちは死で全て終わらせようとする
でも、終わらせるのは自分自身であって死そのものではない
死そのものに意味はあるのだろうか
遺族は憎しみの対象があっさり息絶えたことを目の前にして今度はその死に方に不満を覚えてもっと苦しんで欲しかったと願う
死刑はなんの解決になったのだろうか
殺人を犯してしまったことに対しての報いは死なのだろうか
自分が何をしてしまったのか深く理解することが何よりも残酷で受け入れ難い苦しみになるのは想像に容易い
死刑を免れ外に出ることができても、自殺してしまう人がいるのは、理解できることはないだろうか
でも結局、自分の罪を悔やみ、責めて、死ぬことが終わりだろうか
問題は残ったままではないか?
死刑囚のほぼみんなに幼少期の深刻な虐待の経験
社会から見放された人間の陥る様々な依存症問題
精神的問題からなる犯罪
そういったものは個人の死で終わりを迎えるのだろか
絶対に終わらない。
この本に出てくる人たちは
問題を個人にとどめず、構造を見ないことにはよくならない。脱却できないと行動した死刑囚家族と被害者遺族だと思う。想いを馳せずにはいられない。
そして、あまりにも深く突き刺さるような重たい人生を垣間見て深く沈んでしまうだけでなく
死刑制度そのものが
誰でもない無関心であった自分により支えられているものだと知って、その矛先は自分へも返ってくる
そして死刑という端的にいうと殺人に
無関心の我々代表として関わる仕事をしている人々
執行人や立会人や刑務官とかそういう
背景としてそばにいる人にさえ
大きな精神障害をきたす行為であるということ
目から鱗だった
全部が自分ごとに思えて苦しい
目を逸らさずに考えなくてはと思った -
Posted by ブクログ
先に映画を見たかったんですが、上映場所が果てしなく遠くて断念!配信もされていないので本で読みました。映画に入り切らなかった細かい所まで描写されているとのこと。
よく海外映画の刑務所だと凄いうるさいイメージがあって、本書で知ったことは日本の刑務所はものすごく静かだということ。それは行儀がいい人ばかりということではなく、沈黙を強いられているようで、tcでの話し合いは今までの日本では考えられなかったことだと言うのが1番驚きました。
先日ニュースでもやってましたが、拘禁刑が導入されたように徐々に取り組み方が変わって再犯が少なくなればと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレマイノリティ同士が出会い心を開かせ合う経験がそこでは積み重ねられている。
このような積み重ねが、刑務所のようなところではなかなか行われないだろうがもっとも大切に行われるべきだと思う。刑務所じゃないところでも、心が通う取り組みの場がもっと必要だと思う。
島根あさひの中のごく一部の人たちが経験し、参加した一人一人の、人生が言葉、出会い、助け合いにより立ち上がってくる。これまで助けを求めることが選択肢になかった人たちが少しずつ、手を伸ばし口を開き、、
著者が交流していた、東京拘置所の死刑囚の話。
ハワイ大学のジョンソン教授は、日本の死刑制度が過剰に社会との交流を阻んでいる、日本では死刑囚が、社会的死と、死刑執行により二度殺されるという批判が記されている。
日本でも力があるものはなんぼでもやり直しがきいたり罪にさえ問われないことが多いが、この死刑囚にかんする言説以外にもそもそも社会的弱者として生まれたり、一度なった者は何度も何度も陰湿な社会的死、無関心、そうなって当たり前という関心のみに晒され続ける。
映画でも、この本に載っている写真でも、あさひの受刑者の後ろ姿、皆同じ髪型、、子どもの頃から髪型や髪の色、着るものに細かい規則を作ってそれを守らせる、昔の軍隊みたいなことをみんなおかしいと思わないで今も変わらずやってる社会おかしくないか。受刑者だろうが学生だろうが、なんで髪型まで他人に決められてて当たり前と感じてしまうのか。
自分のものがたり。
学び落とし。
エモーショナルリテラシーの獲得。
感盲。
いろいろな言葉が全く想定すら想像すらできないレベルのもので、あまりに無知であったし、このサークルの中で語りだまり笑いうつむきTCに取り組む方たちにとっても未知の塊だったと思うのだがこれだけの果実がひとりひとりの言葉となり行為となり生まれることに恐れ入る。
それにしても日本のシステムのひとでなしっぷりがすごい。腹が立つ。
映画でも忘れられないシーン、映画の取材の最後に監督と面談した受刑者が、規則外の発言(発言のたびに手をあげ許可を求めるとルール自体意味がわからない!)監督という著者である坂上さんにはにかみながらも笑顔で、握手してもいいですかと聞いたシーン。握手もハグもできない、そのことがとても理不尽であり、痛く、辛い。誰とも触れ合うことができない規則これで更生とか社会に戻るため、なんてなんなんだろうか。
映画でも本書でも泣いてしまうところ。
さらに最後エピローグで坂上さんの家族が同じ時期に別の刑務所に入られていたことが記されていて驚いた。坂上さんの共感力、感度の高さ。人それぞれの人生の蓄積、積み重ねだものの重みによるところもあるのかなと思う。
普通の刑務所より、明るい建物、壁、パステルイエローとグレーの作業制服、それでも私には無機的で冷たい空間に感じられたが本書の表紙の装丁、装画は黄色い椅子が光り輝く金色に見えて、読み終えたあと表紙を見て、ハッとした。繋がり、関わり、愛情、希望を感じる金色の光。
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Posted by ブクログ
自分の感情の筋肉を鍛えていくこと、それは自分もまだまだできていないと感じた。
「自分が今この瞬間に何を感じているか?」という意識が無くなってしまうほど、日々の仕事に追われていたり。それを考えないように、周りに合わせるように半ば強制された学校という教育の場での過去があったり。筋肉を使わない癖が知らない間についてしまっていたのかもしれない。その存在を忘れてしまうほど。
社会では、対話の機会は本当に少ない。自分と違う意見や感情と対峙することはすごく体力を使うけれど、人と人とが共に生きていくために必要不可欠な場であることを再確認した。分かり合えるかは定かではないけれど、歩み寄ること、優しい第3の空間を創り出そうと努力することが重要なのではないかと思う。
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Posted by ブクログ
この本、とっても面白かったです!
10代など若い子向けの本を、親世代の私が読んでも、非常に感銘を受けたので、若い子が読んだら、きっと世界が変わるんじゃないかなと思います。
私も日頃から、悲しいニュースなどを見て、加害者の肩を持つわけじゃないけど、可哀想だな…こんな事件を起こす前に誰か気づいてあげられなかったのかな…と思う事が少なくなかったんだけど、少なからずそういう感情は抱いて良いものなんだと思いました。
この先もなくならないであろう学生のいじめ問題も、いじめられた方のフォローばかりではなく、いじめる方の子のメンタルのフォローを、何故もっとしてあげられないのだろうとも思う。
いじめないとやってられないメンタル状態ってことは、家庭や友人関係など、何かでストレスを抱えているのだろうから…。
このシリーズ、他の本も読んでみようと思います。