坂上香のレビュー一覧

  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    著者がファシリテーターとなり、4人の学生とそれぞれ別の事件に関わった加害者(刑余者)、被害者を交え、対話していく。
    学生達の言葉が皆聡明で素晴らしいなと思った。計5回の対話の中で湧き上がる意見や感情はリアルで、学生達の最後の質問への返答からその交流の場がとても有意義なものだったと伺える。立場や考えの...続きを読む
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    本当に以前犯罪を犯した人と本物の被害者が話し合う1人として参加することで、ヒリヒリするような緊張も生まれるが、同時に「事実である」強さを感じ、深い理解に繋がっていく。

    ・加害者は過去に被害者であったことが多い。
    ・受刑者が自分の感情に気づくTCがもっと広がってほしい。
    ・加害者と被害者が対話できる...続きを読む
  • プリズン・サークル
    “反省させると犯罪者になります (新潮新書)”をすぐに思い浮かべた。受刑者の多くは反省する以前の状態なのだ。他者との対話を通して自分自身と向き合い、自分自身の傷に気付いて初めて被害者の痛みを知る。その行程までに結構な時間を費やす。
    厳罰化だけでは犯罪は減らないし、真の意味での更生を望むならTCのよう...続きを読む
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    受刑者が自らの生い立ちや犯罪について語り合う刑務所での更生プログラムを映したドキュメンタリー映画『プリズンサークル』。そのプロデューサーが10代の若者と、映画に出演した加害者、被害者たちを集めて行ったワークショップの記録である。
    万引きをやめられない青年。友人のために人を殺してしまった青年。中学生に...続きを読む
  • プリズン・サークル
    とても面白い。

    もちろん全員ではないが、自分の犯した罪に対して罪悪感がない受刑者って一定数いるんだろうなと思った。
    本書でも「なんで悪いのかわからない」とか「なんで自分ばっかりこんな目に遭わないといけないの」とか言ってる人何人もいて驚いた。

    だって彼らは公判でも反省していますと言ったり反省文書い...続きを読む
  • プリズン・サークル
     刑務所での刑罰というイメージが、根底から覆されるノンフィクションです!

     プリズン・サークル‥塀の中の円座。受刑者同士が語り、問い、己の罪と向き合うだけでなく、過去の記憶と喜怒哀楽の感情を呼び起こします。そしてそれらを表現する言葉を獲得し、新たな、いや、ひょっとしたら人生初の価値観や生き方を身に...続きを読む
  • プリズン・サークル
    映画を見てないのでそれが残念です。
    受刑者の更生プログラムとして、とてもユニークだが効果があると思いました。人間はいつでも変われるのだということが示されていました。また受刑者の体験から子ども時代の虐待問題も見過ごせないし、続く負の連鎖を断ち切るプログラムでもあると思いました。
  • プリズン・サークル
    日本が隠しているものの一つ、収監施設。
    そこにいる人、そこでどんなプログラムがなされているのか。
    暴露ではなく、「伝える」ために辛抱強く丁寧に取材してくださった内容がまとめられている。

    著者が女性だったら受けなかったであろう対応に悔しさを覚える。
  • プリズン・サークル
    そもそも刑務所の仕組みについて、ほとんど知らない、というか気にかけたことがなかったことに気が付く。そのため、このような更生プログラムが行われていることにいい意味で衝撃を受けた。しかも、本書に出てくる受刑者たちの生い立ちや家庭環境も壮絶だ。そんな受刑者たちが、徐々に心開いていく様はとてつもなく読み応え...続きを読む
  • プリズン・サークル
    暴力が連鎖してしまう社会について、考えさせられた。
    絶望と希望。心を委ねられるサンクチュアリがあることが、いかに大切さかについて涙しながら読んだ。

  • プリズン・サークル
    アミティ(Amity 友愛)
    TC(Thrapeutic Community 回復共同体)
    サンクチャリ
    「島根あさひ社会復帰促進センター」の概略は何年か前にテレビて放映されたものを見た、画面上はぼやかしていた、先進的な刑務所施設という内容だった様に記憶している。
    TCユニットと言う閉ざされた世界...続きを読む
  • プリズン・サークル
    受刑者が互いの体験に耳を傾け、本音で語り合う、そんな更生プログラムを持つ男子刑務所がある。そこで2014年夏から2年間、出所後の取材を含めると5年余り監督としてカメラをまわし、2020年に映画として公開した著者の渾身のノンフィクション。
    舞台は島根あさひ社会復帰促進センター。日本で4つしかないPFI...続きを読む
  • プリズン・サークル
    出版のタイミングで期間限定の配信があり、同名の映画と監督のトークイベントを先に見たのが大正解。このふたつはそれぞれ完成された作品なのだけど、併せて鑑賞することで見えてくるものが立体的になってくる。個人的な傾聴経験からも、社会には「安全に語り合える場」が必要だと常々感じるところでもあり、「今ここ」で、...続きを読む
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    もっと禅問答と言うか、本質邸な部分に切り込む内容かと思いましたが、題名が表すような内容ではありませんでした。もうちょっと濃い目の議論が展開されて欲しかった。
  • プリズン・サークル
    『スモールワールズ』で作者が参考にしたという書籍

    作者はドキュメンタリー映画監督

    本作はTCという新しいプログラムが行われている刑務所「島根あさひ」でそのTCへの参加者数人を取り上げ、TCのプログラムや受刑者の変化などをインタビューを通してまとめたもの

    犯罪者となった彼らのバックグラウンドを知...続きを読む
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    映画『プリズンサークル』を見ていれば、もっと深い感慨があるだろうが、見ていないので純粋にこの本のみの感想である。
    他のさまざまな本、研究でも言われている通り、犯罪者は生育環境に問題があり、自分が大切にされた経験が極端に少なく、そのため自尊感情が育たず、自分の感情を殺す傾向にある。そうしなければ虐待や...続きを読む
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ
    プリズンサークルの著者
    観た方がこの本楽しめる
    対話形式で進められている

    被害者と加害者

    西鉄バスジャック事件
  • プリズン・サークル
    出てくる人たちの来歴のすごさに言葉がなくなる。だから許されるという訳ではないのだけれど,そういうところに光が当てられないとダメなんじゃないかと思う。
  • プリズン・サークル
    映画「プリズン・サークル」撮影の過程、あるいは後日談。

     舞台の島根あさひ社会復帰促進センターはれっきとした刑務所である。PFI刑務所と呼ばれる官民混合運営型で取り組まれる「TCユニット」と呼ばれる更生に特化したプログラムに参加する受刑者と支援員の物語。

     このTCサークル、素晴らしい取り組みで...続きを読む