坂上香のレビュー一覧

  • プリズン・サークル

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    とても面白い。

    もちろん全員ではないが、自分の犯した罪に対して罪悪感がない受刑者って一定数いるんだろうなと思った。
    本書でも「なんで悪いのかわからない」とか「なんで自分ばっかりこんな目に遭わないといけないの」とか言ってる人何人もいて驚いた。

    だって彼らは公判でも反省していますと言ったり反省文書いたりする。
    でも、やっぱほんとはそうでもないんだと驚いたし、
    そのリアルな内心を拾えたことが本書のまず大きな成果だと思う。

    受刑者たちは幼少期に虐待やいじめなどの経験がある子も多く、生きづらさを抱えている人が大概であるから、被害者意識の方が強いというのも興味深い。
    そして自分と向き合って自己憐憫を

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    2023年10月07日
  • プリズン・サークル

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     刑務所での刑罰というイメージが、根底から覆されるノンフィクションです!

     プリズン・サークル‥塀の中の円座。受刑者同士が語り、問い、己の罪と向き合うだけでなく、過去の記憶と喜怒哀楽の感情を呼び起こします。そしてそれらを表現する言葉を獲得し、新たな、いや、ひょっとしたら人生初の価値観や生き方を身に付けていく姿が克明に描かれています。
     読み手はそれらを目の当たりにし、人間的成長や相互影響の大きさを実感し、心を揺さぶられます。

     受刑者の語りからの共通点として、「加害者はかつてもれなく何らかの被害者だった」という事実が浮かび上がります。つまりは「負の連鎖」なのですね。だからこそ、本作で描かれ

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    2023年08月18日
  • プリズン・サークル

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    ネタバレ

    映画を見てないのでそれが残念です。
    受刑者の更生プログラムとして、とてもユニークだが効果があると思いました。人間はいつでも変われるのだということが示されていました。また受刑者の体験から子ども時代の虐待問題も見過ごせないし、続く負の連鎖を断ち切るプログラムでもあると思いました。

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    2023年07月20日
  • プリズン・サークル

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    日本が隠しているものの一つ、収監施設。
    そこにいる人、そこでどんなプログラムがなされているのか。
    暴露ではなく、「伝える」ために辛抱強く丁寧に取材してくださった内容がまとめられている。

    著者が女性だったら受けなかったであろう対応に悔しさを覚える。

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    2023年05月11日
  • プリズン・サークル

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    そもそも刑務所の仕組みについて、ほとんど知らない、というか気にかけたことがなかったことに気が付く。そのため、このような更生プログラムが行われていることにいい意味で衝撃を受けた。しかも、本書に出てくる受刑者たちの生い立ちや家庭環境も壮絶だ。そんな受刑者たちが、徐々に心開いていく様はとてつもなく読み応えがあり、固唾を飲んで読み進めた場面も多かった。

    もちろん前進する受刑者もいれば、後退するもの、変わらないものもいる。本書には、更生プログラムを軸に、刑務所の在り方、厳罰化の流れ、地域や社会とのかかわり方、様々な問いを発している。どれも自分たちのことでもあるのに、あまりにもこうしたことに無知だったこ

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    2023年02月05日
  • プリズン・サークル

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    暴力が連鎖してしまう社会について、考えさせられた。
    絶望と希望。心を委ねられるサンクチュアリがあることが、いかに大切さかについて涙しながら読んだ。

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    2022年10月25日
  • プリズン・サークル

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    アミティ(Amity 友愛)
    TC(Thrapeutic Community 回復共同体)
    サンクチャリ
    「島根あさひ社会復帰促進センター」の概略は何年か前にテレビて放映されたものを見た、画面上はぼやかしていた、先進的な刑務所施設という内容だった様に記憶している。
    TCユニットと言う閉ざされた世界での取組み、訓練を受けた人は幸運だったと思う。

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    2022年08月07日
  • プリズン・サークル

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    受刑者が互いの体験に耳を傾け、本音で語り合う、そんな更生プログラムを持つ男子刑務所がある。そこで2014年夏から2年間、出所後の取材を含めると5年余り監督としてカメラをまわし、2020年に映画として公開した著者の渾身のノンフィクション。
    舞台は島根あさひ社会復帰促進センター。日本で4つしかないPFI刑務所のひとつで、ドアの施錠と食事の搬送は自動化され、ICタグとCCTVカメラが受刑者を監視するなど、従来の刑務所にないシステムが取り入れられている。
    著者が取材したのは、ここで実施されているTC(セラピューティック・コミュニティ)と呼ばれる更生プログラム。受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り

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    2022年07月03日
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ

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    何故加害者になったのか、何故相手を傷つけなければいけなかったのか。今まで被害者のエピソードを聞いたことはあるが加害者側の話は聞いたことがなかった。加害者もある意味被害者。かといって私は加害者が第三者を傷つけてもいい理由にはならないと思うし、ましてや殺人はもっての外。責任がとれないから。しかし加害者のこれまでのエピソードは今後世間的に公表できる範囲でメディアが偏見なしに報道するなら有かなと思う。

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    2025年07月05日
  • プリズン・サークル

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    TCというプログラムを使うことで加害者の更生、矯正をしてくのはとてもいいと思った。そもそもそんなプログラムがあり話し合いの場が必要とは思っていなかった。犯罪者は何か問題があって犯罪をすると思っていましたが私が思った以上に過酷中生きていて同情さえした。
    被害者の立場も知りたいと思った。

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    2024年12月04日
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ

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    もっと禅問答と言うか、本質邸な部分に切り込む内容かと思いましたが、題名が表すような内容ではありませんでした。もうちょっと濃い目の議論が展開されて欲しかった。

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    2024年03月11日
  • プリズン・サークル

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    『スモールワールズ』で作者が参考にしたという書籍

    作者はドキュメンタリー映画監督

    本作はTCという新しいプログラムが行われている刑務所「島根あさひ」でそのTCへの参加者数人を取り上げ、TCのプログラムや受刑者の変化などをインタビューを通してまとめたもの

    犯罪者となった彼らのバックグラウンドを知ると、そこに至るまでの家庭環境、教育の影響が大きいのを感じる
    そして、その彼らを本当に更生、矯正させるにはどういう術が必要なのか

    もう少し、関連作を読んでみたい

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    2024年01月10日
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ

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    映画『プリズンサークル』を見ていれば、もっと深い感慨があるだろうが、見ていないので純粋にこの本のみの感想である。
    他のさまざまな本、研究でも言われている通り、犯罪者は生育環境に問題があり、自分が大切にされた経験が極端に少なく、そのため自尊感情が育たず、自分の感情を殺す傾向にある。そうしなければ虐待や貧困などに耐えられないからだ。この本に出てくる元犯罪者も、そうである。普通の若者たちが、対話と学習によって、「犯罪者」と自分の間に理解不能な溝があるわけではないことを、自ら理解していく過程が描かれている。
    とはいえ、こういう集まりに参加する若者というのは意識が高い若者で、これに参加しなくてもこの答え

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    2024年01月01日
  • シリーズ「あいだで考える」 根っからの悪人っているの? 被害と加害のあいだ

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    プリズンサークルの著者
    観た方がこの本楽しめる
    対話形式で進められている

    被害者と加害者

    西鉄バスジャック事件

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    2023年10月30日
  • プリズン・サークル

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    ネタバレ

    出てくる人たちの来歴のすごさに言葉がなくなる。だから許されるという訳ではないのだけれど,そういうところに光が当てられないとダメなんじゃないかと思う。

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    2023年07月31日
  • プリズン・サークル

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    映画「プリズン・サークル」撮影の過程、あるいは後日談。

     舞台の島根あさひ社会復帰促進センターはれっきとした刑務所である。PFI刑務所と呼ばれる官民混合運営型で取り組まれる「TCユニット」と呼ばれる更生に特化したプログラムに参加する受刑者と支援員の物語。

     このTCサークル、素晴らしい取り組みである。TCサークルがどなんものかということは本書を読んでいただくとして、しかしながらこの取り組みがこの国の「犯罪者を懲らしめる」ことを唯一の目的とした刑務所のあり方を変える蟻の一穴にはなりそうもない、ということも著者は感じている。それほどまでに、この国の刑務所行政は堅牢であり、LBGTQや入管問題や

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    2023年06月10日