シヴォーン・ダウドのレビュー一覧
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ロンドンアイと呼ばれる巨大観覧車に乗ったいとこが消失(一周しても降りてこない)どこに消えたのかを主人公の二人が追う。
子供が小学校高学年になったら読むかな?
と思って単行本を買おう買おうと本屋に通ってたもののいつのまにか消えてしまい…
文庫化でようやく入手、大人が読んでも面白い。
複雑なものを読みすぎてきたので、ストーリーの線はシンプルな構造と感じるけれど、主人公と姉のコンビのキャラクターが良くて読んでしまう。
ちゃんと仮説を用意して、一つずつ潰していく方法で推理するのだけどワープや自然発火による消失など突飛な案もいったん挙げるテッドの頭の柔らかさ(別の固さもあるけど)がいい。
アスト -
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★5 ヤングケアラ―15歳少女、周りの大人に助けを求められず隠し通したこと… #すばやい澄んだ叫び
■あらすじ
アイルランドの小さな街、15歳の少女シェルはいつも悩み事がいっぱいの日々を送っていた。母は既に病気で亡くなり、父は仕事をせず寄付活動に没頭して貧乏な暮らし。毎日、弟と妹の面倒を見たり家事にも追われ、本人は満足に学校にも行けていない。いつも幼馴染の少年デクランや親友ブライディと悪だくみをして気を紛らわしていた。
ある日デクランの強引なアプローチにシェルは男女の仲になってしまう。親友ブライディとも関係にひびが入ってしまい、さらには…
■きっと読みたくなるレビュー
大好きな作家、シヴ -
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これは作者の死後に出版された本である。元々の作者、シヴォーン ダビドは、前作、ロンドンアイの謎を執筆し、12歳の名探偵、テッド スパークを華々しく活躍させたわずか数ヶ月後にがんによって亡くなった。彼女の構想メモをもとにしてロビン スティーブンスがこの本を書き上げた。その内容や書きぶりは、まさにシヴォーンが生き返ったような出来栄えだ。自閉症スペクトラムの少年として生きづらさを抱えるテッド。家族は、彼をとても愛しているが、ときには理解が難しい時もある。弟にばかり愛情が偏っていると感じる反抗期の姉。でも、従兄弟も協力して謎を解決していくうちにそれぞれが成長していく。さらに、テッドの個性を発揮して謎を
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児童文学としても、ミステリー小説としても読み応え十分だった。少年名探偵テッド•スパークは、アスペルガー症候群だろうが、彼独自の世の中との関わり方や特性が読者にとてもわかりやすく伝わる。例によって、学校では、人間関係がうまく築けていないし、家庭でも、基本的には暖かく見守られているが、なかなか受け入れてもらえない部分もある。でも、そんなテッドだからこそ見えていることが、この事件の解決につながる。
作者は生前、二作品しか発表していない。本当に惜しいことである。草稿をもとに没後に発表されたものも数冊あるらしいので、しばらくは、はまって読みそう。 -
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ネタバレ■普通に面白い
ヤングアダルト向けの作品を得意とし、賞を取りまくっている作者による唯一の本格ミステリ、とのことだが、普通に面白い。
文章は読みやすく、登場人物も少なく覚えやすく、キャラクターも立っており、状況もプロットも超シンプル。それでいてしっかりヒントや伏線がちりばめられ、無駄な描写もなく、1日で読めてしまう。
こういう作品は普通に好み。
■古典
現代作品であるにも関わらず、そのトリックは古典そのもの。「変装(して出てきた)」というのは、もはや古典のパターンであり、現代作品でもそれが踏襲されているのを見ると嬉しくなる。
「超シンプルなプロット=観覧車に乗って消えた」というのは本 -
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-あらすじ-
主人公テッドのいとこサリムがロンドンに訪問してくる。
テッドと姉のカットはサリムと共にロンドンで有名な観覧車"ロンドンアイ"に訪れるのだが、そのロンドンアイに乗ったサリムがそのまま姿を消してしまう。
密室の観覧車で何が起こったのか?
この不可解な事件を、アスペルガー症候群(物語上表記はないが恐らく)を抱えるテッドがカットの協力の元、独自の視点と論理的思考により真相に迫る物語
-感想-
テッドの普通とは違う視点や思考が事件解決に導くのだが、普通ではないいわゆる変わり者ということが欠点ではなく、強みとして書いていることに作者のメッセージを感じる。
姉のカットが時 -
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シェルの母親が亡くなって1年、父親は仕事を辞めて酒浸りになっていた。父におびえながら幼い弟妹の世話をする高校生のシェルにとって、幼なじみの少年デクランや親友のブライディと過ごす時間が、気を抜ける大切な時間だった。しかし、ふとしたきっかけからデクランと深い仲なになり、15歳にして妊娠してしまう。誰にも相談できないまま時間だけが過ぎていき、やがてシェルは思いも寄らない事件に巻き込まれていく。
本当にこれで良かったのだろうかと、読み終わって悩みました。人間の良い面と悪い面の両方が描かれていたと思うのですが、わたしの心に残ったのは閉鎖的な村人たちへの怒りと、警官への怒り、そして冒頭のモヤモヤでした -
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ネタバレ「ロンドン・アイの謎」を読み終えた。短時間でさっと読めて、満足感も高い良書だった。
作者は本書の刊行後に亡くなっているため、ほかの作品を読むことが難しいのが残念だが、本書の物語を別の作家が書き継いだものがあるらしいので、そちらも読んでみたい。
本書の最大の魅力はキャラクターにある。
登場人物をむやみに増やさずに絞り、それぞれに異なる個性を与えている。
とりわけ自閉症スペクトラムを抱える主人公の特性を、ラベルとして示すだけでなく思考様式まで描写しており、その点が見事だ。
この描写がどれほど現実的かは分からないが、物語を読み進めるうえで十分な説得力があった。
ミステリーとしての構成も丁寧で、謎 -
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ヤングアダルト向けジュブナイルミステリー
約20年経って翻訳されたようだ
背表紙と扉ページの両方にあらすじが書いてあるのが創元推理文庫の特徴だが、さらに、著者とは別の人が書いた序文もあった
まあまあなネタバレと結構なヨイショぶりだが大丈夫か?どれどれ
はい。面白い
探偵役はサヴァン症候群で、社会性の一部は欠落しているが特定分野で才能を発揮
珍しくはない人物造形といえるがその特徴がイギリス人のイメージに沿っているのが良い
後半に登場するキーパーソンの人間関係にやや後出し感はあるものの、謎解きはフェア
序文に触発されてアレを数えるだろうし
その序文を書いた方が遺稿を続編として完成させた -
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レビューを拝読し、気になっていた作家さん。
SNSで文庫化の告知を見掛け、本書の発売を知り手に取った。帯がアツい!
12歳の少年テッドが、大きな観覧車ロンドン・アイで行方不明になったいとこのサリムを探す物語。
翻訳小説の割には登場人物が少なくて、とっても読みやすかった。
主人公、テッドのユーモア溢れる語り口調がクセになる。
数字についての拘りがとにかくすごくて、時折クスッと笑ってしまった。
本書は児童向けミステリ。
でも児童向けだと侮ることなかれ。
真相にたどり着くための手がかりは分かりやすくあちこちに施されているし、なんなら正解も描かれているのに、私は全然分からなかった…!
真相が分か -
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舞台は1984年アイルランド。15歳のシェルは一年半ほど前に母親が亡くなり、弟と小さい妹の世話をしながら、働かず酒に溺れる父(理不尽な石拾いまでさせられ、金はほぼない)と暮らす。強制的にいかされている教会に助任司祭としてきたローズ神父に惹かれ、母の幻に心を助けられながらも、つるんでいたデクランと深い仲になってしまい、友人だったブライディはデクランと付き合っていたので、離れてしまう(情事も付き合うことも大人になってブラつけることもあまり分からないピュアなシェル)。そして、後半、実際にあった嬰児を巡る事件をもとに考えられただけあって、一気にミステリーとなります。読むペースが前半と後半でかなり変わっ
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1984年、アイルランドの村で15歳の少女シェルは、母親を病気で亡くして以来酒浸りの父と生意気な弟と幼い妹の世話に明け暮れていた。
カトリックのクリスチャンで日曜ごとに教会には行っていたが、信仰心は薄れていて気がまぎれるのは幼馴染のデクランとブライディとくだらない話をしているときくらいだった。
だがデクランと深い関係になり、ブライディとの友情も壊れてしまう。そして妊娠しているのに気づき、誰にも相談できないまま時間だけが過ぎて…。
妊娠に気がついたのが弟妹で、内緒で手助けしたのにも驚かされるが、できることには限りがある。
10代での妊娠という重い事実をひとりで受け止めることしか方法はなか -
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12歳のテッドはいとこのサリムの希望で姉のカットと共に3人で観覧車ロンドン・アイに乗りに行く!
チケット売り場で並んでいると一人の見知らぬ男がチケットを一枚譲ってくれるという
チケットはいとこのサリムが使うことになり、彼は他の乗客と共にロンドン・アイに乗り込んでいく!
時速0.9キロ、約30分で一周するロンドン・アイ
しかし30分を過ぎてもサリムが降りてこない…
さらにもう1周してしまったのか?
しばらく待ってもサリムは降りてこない
サリムは一体どこに消えたのか?
気象学の知識は専門家並みだけど、コミュニケーションが苦手な少年テッドは姉と共にサリムの消えた謎に挑む!
この作品、本が好きな子 -
Posted by ブクログ
全作ロンドン・アイの謎がとても面白く、再びテッドとカットが見ることが出来るという喜びもあって期待値が上がりすぎた。
それもそのはずで、原案者が若くして亡くなってしまったこともあり、作家が変わってしまったからだ。
それでも設定やキャラをしっかり研究した上で練られているだけに再現性は見事だと思う。
今回はニューヨークにいる叔母グロリアといとこのサリムを訪ねることで、物語が始まる。
グッゲンハイム美術館で盗難事件が起き、働いている叔母が疑われてしまい、それを晴らすためにテッド、カット、サリムが奔走する。
良くも悪くもテッドが3ヶ月でとても大人になっていて、人が使う比喩表現を理解して自分も敢えて使