オザワミカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イギリス・ブライトンの地でイギリスの格差社会を日々綴っているブレイディみかこさんの書く小説
団地暮しで薬物依存の母と弟暮らすミアがふとある時に金子文子の自伝と出会い過去と現在から何かを感じ取る描写やクラスメイトのウィルとラップの曲を制作するという描写で何かを表現して心を形取る事でほんの少しだけでも何かが変わって欲しい気がした。
昔は良かった?現在も変わらない部分がある。そんな気持ちに自分もなっていたので読んでよかった。また関係ないけど、ブライトンで三笘薫がヒーローのようにあの土地のサッカークラブの顔になっている事が個人的には嬉しい。
そしてあれだけ聞いたRadiohead
ミアに届くこと -
Posted by ブクログ
子供の育つ環境が貧困や、親のドラッグ依存といった厳しい状況である場合、彼等がどの様な立場に置かれ、何にどの様に苦しめられているのか、この作者からはこれまで読んだ本からも教えられてきたが、本作でも同様であった。
本作はこれまで読んだのと違って小説ではあるが、それこそ「リアル」を感じさせる。この「リアル」については、p.181〜ミアの書いたリリックに対してウィルに「リリックが本物(リアル)なんだ。それが凄いよ」と言われ、彼女の心に刺さるのだがそれは「ミドルクラスの人たちが自分の様な環境で生きている人間の生活を指して言う言葉だと知っていたからだ」とある。作者自身ワーキングクラスの生活を体験しているこ -
Posted by ブクログ
イギリスに住んでいる少女ミアの実世界と、ミアが読んでいる本の世界がパラレルで進行していく入れ子の構成になっている。貧困をストレートに描くだけでは表現しきれないミアの内面の移り変わりや感性を、本で登場する少女のストーリーがあることで、立体的に描いているように思う。
読み始めではあまりピンと来ていなかった本の世界の存在が、後半に向かって効いてきて、作者がこの構造にした意図が伝わってきた。
どこの国でも貧困にまつわる悲劇は重層的で、ドラッグやアルコールやいじめや暴力がまとわりついている。その渦中にいて、諦めつつも抜け出そうとする子ども達のつらさがしんどい。
終始、ミアがチャーリーを守ろうとする姿 -
Posted by ブクログ
母はアル中のシングルマザー、8歳の弟・チャーリーを抱えて生きるヤングケアラーの14歳のミア。
カネコフミコの自伝を偶然借りたミア。
自分と同じように、恵まれない幼少期を過ごしたカネコフミコ。
フミコに共感すりミア。
ミアの苦境は続く…
ミアの一番の恐れは、母が育児をできないと判断され、ミアとチャーリーがバラバラになること…
イギリスの貧困層のリアル。
胸が痛い…
ソーシャルワーカーの介入は本当に良いのか…と考えさせられてしまう…
最後には希望が見えたが…
ミアとチャーリーのようにゾーイたちのようにいい大人に出会うケースは少ないだろう…
それを思うと胸が痛い…
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Posted by ブクログ
ブレイディみかこさんが「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」(ノンフィクション)では描けなかった、親に恵まれず貧困に苦しむ少年少女の世界をリアルに描いたフィクション。
ブレイディみかこさんのすぐ側で実際に起きている出来事であり、彼女自身の人生とも重なる部分も多分あり、本当に彼女にしか描けない世界観だと思った。
似たような境遇を持ち、子どもという牢獄に閉じ込められている少年少女とその周りの人々への、強烈なメッセージを含んでいる。
自分とは違う世界で、「リアル」を生きている他者のことなんて最初から分かるはずがない。だけど、分からない言葉の意味を、少しでも分かるために努力したい。自分が分か -
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ぼくイエを読んだからミアがどういうところにいるのか、何を考えているのかを考えると苦しくなった。ウィルが言っていたような「聞いた側も無傷ではいられない」というような感じ。
大人を頼れない、信用できないと世界も心も閉ざされてしまうというの、よくわかる。子どもの頃に頼れる相手がいるかどうかってかなり重要だと思うし、他の道を示してくれる大人がいたら…と少しだけ自分の子どもの頃と重なった。
恥ずかしながら金子文子のことは知らなかった。女性のアナキストは伊藤野枝なら知っていたけど、共通して若くして亡くなっているんだね。
ミアの物語と並行して文子の物語も進んでいったけど、あそこから刑務所に収容されるまでは -
Posted by ブクログ
読み始めて10日以上掛かってしまった。
イギリスの貧困層の厳しい現実と、日本の戦前の似たような境遇の小説が並行して交互に出てくるので読みづらかった。
薬物中毒の母親と、一人では行動できない弟を抱えた少女のミア。生活保護を受け、次々と男を変えて行く母親。悲惨な少女が救われるのは、同じような境遇の日本人の小説を読むときだけ。
彼女の魂の叫びを聞いた少年が勧めるのはラップ。「両手にトカレフ」もその叫びから生まれたもの。
母親と弟を抱えたヤングケアラー。誰にも相談できずに抱え込む姿が悲惨すぎて、どんどん読む気持ちが重くなっていった。最後まで読んで、やっと陽が当たって来たというところだろうか? -
Posted by ブクログ
ネタバレ金子文子さんの少女時代と、現代のイギリスを生きるミアの生活が絶妙にリンクして、時代や国が変わっても、貧困や無責任な大人の下で苦しむのはいつも子供達であるということは変わらないのだとあらためて思う。
ふたりの少女の話が交互に進むのでミアの感情が分かりやすかった。
逃げ惑いながらも弟を守ろうとするミアの姿に胸が苦しくなった。
それは驚くべきことだった。そこにあるのはNOではなく、YESだったからだ。
ここにあった世界には存在しなかった言葉が、ここにある世界には存在し始めている。
ミアはゆっくりとあたりを見回した。
私の、私たちの、世界はここにある。 -
Posted by ブクログ
ブレイディみかこさんの2冊目になりますが、
新年早々に気が緩んでいる時に読む本ではなかった。
終始重苦し過ぎた。
「ぼくは…、ちょっとブルー」は未読なので、ここにどんな子たちが登場していたのか知らない。
本書は小説でフィクション仕立てだが、「ぼくは…、ちょっとブルー」で書けなかった子たちを取り上げたそうだ。
身勝手な親の元に生まれて、日々の食事にも困り、貧困に喘ぎながら生きている子供が主役なので痛々しい。
多くの人が見て見ぬ振りをしているが、現実社会でもかなり近い状況があるのだと、ブレイディみかこさんが訴えかける。
ミア(のような子たち)が、自分の生きている世界を変えられることを願う…