オザワミカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ブレイディみかこ、らしく英国の貧困に焦点を当てた小説。
貧困家庭の少女が、金子文子という実在した日本人女性の自伝に書かれている少女と、自分を照らし合わせながら日々を懸命に生きていく話。
主人公の少女がクールで非常にカッコ良い。
本作はフィクションだが、主人公の少女を取り巻く環境はおそらく事実に基づいていることが多いと思われる。
ブレイディさんの貧困をテーマにした本はいつも非常に解像度が高い。
中流階級で生きる人からの、善意や褒める言葉が結果的に貧困階級の人を傷つけてしまうといったような、生きる階級が違うことによる隔たりが巧みに描かれている。
とても面白い小説でお勧め。個人的には黄白青より面 -
Posted by ブクログ
弟を守るために、心を病んだ母親から、そして貧困から逃げずに頑張る中学生ミア。今日の食事にも困る中でも、弟のために頑張る姿が健気ですが傷ましい。
そして青い表紙の本のフミコの自伝とミアの日常が重ねられながら進んでいく物語がハラハラしっぱなしでした。でもいつの場面でも心折れることなく弟のためにまっすぐに全力に頑張るミアは、痛々しくも応援せずにはいられません。何より自分で考え、自分をしっかり持っているミアが羨ましい。
舞台がイギリスとはいえ、これは日本でも現在進行形だと思う。声を上げられない子供たちは今もどこかで闘ってる。
「見ないふりをせずに、言い訳をせずに、何かをしなくてはいけないのは大人たちの -
Posted by ブクログ
残念だけど、ミアもふみの気持ちはわたしには分かることができない。
だけど、ミアは最高にクールだし、強くて弱くて、ミアとも一緒にわたしは生きたい。
自分の価値は自分で決める
これってすごく難しい。
でもそうして生きていきたいし、そこに価値を見出せる人を育てたい。
わたしが育てたい人はそれかも。
そして、違う人を、わかりたい。
ウィルのせりふ、最高。
わからないから知りたい。わかる努力をしたい。だって人間はわからないことをわかるようになりながら、生きていくもんだよね?
そうだよね。そう思う。
わたしもわからないことをわかるようになりながら、生きていきたい -
Posted by ブクログ
ぬるま湯的な生活にいて気楽に手に取って読むと、横っ面を殴られるような衝撃を受ける本。
裕福な人もミドルクラスも、男性だって、理不尽に耐えたり悩み苦しんだり、それぞれの立場で精一杯生きているのだろうとは思う。けれど、女性、それよりも子供が弱い立場にいること、自助の手段も力も持ちにくいことを改めて思い知る。
諦めてしまうことと、別の世界に一歩踏み出せるきっかけを掴むことは本当に紙一重。格差や貧困の問題が取り沙汰される昨今、単なる同情や見て見ぬ振りや気まぐれな慈善行為では解決できないことをどうするのか。なかなかにヘヴィーな内容で読んでいて辛くなるようなところもあるが、多くの人にぜひ読んでほしい一冊。