あおあそのレビュー一覧
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購入済み
シリーズ第一作にして最高作
作者自身が抱えていたかと推測される「情の業」を描くために、超越存在(「神」)が「理」でさえないことを暗示する設定になっていると思う。ただし作者がそれをどこまで意識し得ていたかははっきりしない。
推測だが、作者の持つイメージのカオスが筆を引っ張って書かせたかたちだろう。テクニック的に未経験な部分が多い未熟さ故に重厚な「情の持つ本質的破綻」を描き出す結果となった作品と思われる。
この手の著作は、元来は連作第二作につながるだけの力量を伴わないことが多いが、実際、連作第二・第三は、プロットとしては小綺麗だが、テーマの扱いは第一作の半分にも達しない浅薄なものに留まっている。つまり、わかりやすいが軽い -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作の終わりを読んで一番疑問に思ったのが、「続くの…?」だったが、なるほどそういうことか。
一瞬パラレルワールドかと思ったが、あの時代の前、ファルシオンやバルムンク、ジークフリートの成り立ちの話だった。
「ブリュンヒルドの物語」…そういうことなー。
そして相変わらず残酷。縹けいか作品よりは絶望ではないが、全然ハッピーエンドじゃなくて良い。
しかしコミックだとしんどいものは読みたくなくてハッピーなものを読みたがる最近なのになぜ小説だと構わないのか、我ながら不思議。
最初読み始めてたときはあの神竜の700年前の話かと思ったが、途中でエデンにいないから違うと気づいた。というかエデンどんだけあ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって心がざわつくなんとも言えない余韻のお話だった。
勿論これは少女の復讐の物語なのだけど、彼女にとっての正義のお話でもあり愛のお話でもあり報いのお話でもある。
けれど彼女に他の道はあったのだろうか?と考えたとき、どうにもそんな選択肢は見つけられない。
何かが違っていたら、たとえばそう、彼女がもう少し弱かったら、もっと愚かだったら、竜をそこまで愛さなければ、彼女には別の道があったのかもしれない。
けれど否応なくこの道に進むしかなかった。
そんな運命の物語りだ。
ストーリー的にはほぼ一本道。
ただラストで作者の仕掛けに気づいて驚かされる事になる。
これがおそらく作者のデビュー作。
今度は -
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無料版購入済み
これでどうして竜殺しと呼ばれるようになるのか、1巻では真逆の生い立ちが描かれるのにやはり人としての情には勝てないという事になるのか、紆余曲折ありそうです。
読んでいくうちに重苦しいような気分になっていて、重厚、悲壮さ感情に働きかけるだけの力はもっている作品だと思います。
衣服など都合のよい点が少々あり評価としては3.5くらいで。竜と少女の幼い日々の神話めいたシーンには星5を。 -
購入済み
いきなりありきたり
第一作の「ある種の深さ」に比べたら、どうしようもなくありきたりの浅さでしかない。
テーマもプロットも、これを追加するくらいならシリーズ化しなければ良かったと言いきれるほど陳腐。せいぜい、キャラクター設定が第三作と比べればまだマシと言える程度。
否定的ニュアンスのタブがないから選べない。 -
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購入済み
どんどん緩い出来になる
第2作に続く駄作。
そもそも舞台は似ているようでありながら、時代設定に歴史的連続性がない。これはつまり、一作目執筆時に二作目以降の構想が全くなかったことを示している。
プロットにもキャラクターにも一作目に匹敵する深みが全くと言って良いほど見られないのは二作目と同じ、というより三作目は二作目にも増して陳腐になっている。登場人物の系譜も、作ごとにこじつけでしかなく、前作にまったく伏線がない。
それにも気づかずにシリーズとして書いたということは、作者に、そもそもシリーズ構想のセンスがないことを示している。少しでもあれば、シリーズ化は断念したはずだ。一作目と二作目以降との間には、石像と張りボテほど