中嶋博行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
10年ぶりの「検察特捜」シリーズ。
東京地検特捜部に異動した女検事岩崎紀美子が、神奈川県警とタッグを組み、巨悪に立ち向かう。
いささか暴走気味だが、上層部の抵抗に怯むことなく、真実を追究する姿勢には胸のすく思いがする。
覚醒剤取引を急襲した麻薬Gメンが虐殺され、そこで使われた短機関銃の出所を巡り、自衛隊の関与が疑われる。
巨大な悪に挑むシングルマザーの彼女の行動を阻止せんと、幼い娘にも危機が迫る。
暴力団幹部の悪辣な工作や、防衛官僚と制服組の一部幹部が非常事態特別法制定を画策するという陰謀。
ハラハラドキドキの連続に、味方が敵にと二転三転する展開。
黒幕は想定内の人物だったが、ミステリーを加味 -
Posted by ブクログ
著者の上梓作は初読。岩崎紀美子が主人公の「検察捜査」で乱歩賞受賞でそのシリーズ3作目だそうな。全然知らずに読んでみた。
いくら検事には捜査権があり、単独で公訴権があるとはいえ、こんなのは全くの建前で、司法ピラミッドのヒエラルキーが絶対の世界であることは自明の理。なので岩崎の活躍は全くフィクションでおとぎ話に近いが、まあレディライオンだから、許しましょう。会話の端々も荒唐無稽な箇所があるが、まあそれにも目をつぶりましょう。これが前提であれば、流石弁護士の著者だけあって法曹界の描写は流石で説得力十分。ここまで大きな舞台設定でなくてもいいと思うが、プロットとその回収もなかなか(少し犯人グループがマヌ