樋口直美のレビュー一覧
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「私の脳で起こったこと」「誤作動する脳」にひきつづき、樋口直美さんの著作を読みました。
レビー小体型認知症を持っている樋口さんがコロナ禍で書いたエッセイ集です。
レビー小体認知症についての詳しい話を見たい方は、上記の二冊を先に読まれることをお勧めします。
何度も書きますが
私は樋口さんの文体や語り口が大好きで。
確かに話していることはレビー小体認知症を持つ樋口さんの体験なのですが、そのカテゴリから一旦外して読んでいただきたいなと思います。
個人的に刺さったフレーズは、
【認知症は、ご長寿ギフトの箱に同梱されている。】 ー 162ページ
【もし今、未来が見えなくて、不安を抱えていたとしても -
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当事者や当事者家族ではないものの、脳神経学に興味があるのと樋口氏の他の著書が面白かったので。
パーキンソン病でもレビー小体の蓄積が認められるというのはぜんぜん知らなかった。認知症的な症状を伴わないタイプのレビー小体型認知症(と言って良いものか)の存在も合わせ、レビー小体病という考え方はいいような気がする。(遠い未来には、全てをスペクトラムとして脳の多様性の中で困り事があれば対応しましょうねという形になれば良いなと思うけれど、ひとまずは。)
ADHDとの関連性についても興味深く読んだ。
それにしても、医師や医療関係者とよくよく話し合えるような医療だったら本当に良いのにな。 -
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とても良い本でした。60歳をこえた人に一読をおすすめします。心配な症状がある人やそのご家族向けの本です。でも、今無関係と思っている人も、認知の老化への覚悟と、もし症状が出ても絶望することはない、と知ることができます。
先月の新聞記事でレビー小体型認知症について読みました。記事は発症してもなにもできないわけではない、という内容でした。そのなかで当事者の方が幻視について語られていました。その方は、座敷わらしが見える、と話されており、興味を持ちました。
レビー小体とは、αシヌクレインというタンパク質が集まりかたまったもので、全身の神経細胞に溜まるようです。それが原因でレビー小体病を発症しま -
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ネタバレ他者と自分の境遇を比較、優劣を設定、それに一喜一憂する。
そしてネットの世界には「できる人」がいっぱい。ありとあらゆる物事に、「上には上がいる」「もっといいものがある」「もっとすごいことがある」と見せつけられ続ける世界。自分の持っているどんないいものも色あせていくような気がする。
でも、いいよ。
私は、私が楽しいと思うことを続けていこう。私は、また毎日書いていこうと思う。
“主よ、変えられないものを受け入れる心の静けさと
変えられるものを変える勇気と
その両者を見分ける英知を我に与え給え“
有名な「二―バーの祈り」だ。自分一人の力だけでは、変えられないものがある。例えば病気でできな -
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「誤作動する脳」を読んだ後、その後の樋口直美さんのことを知りたくて手にした作品がこの作品です。樋口直美さんは、30歳台の頃から身体の不調を抱え、40歳台でうつと言われ、50歳台でレビー小体型認知症との診断を受けられています。「誤作動する脳」を抱え、迎えたコロナ禍で描く読む人をちょっと元気にするエッセイ…。
このエッセイでは、樋口直美さんのこれまでの生活、今の生活を垣間見ることができます。子育てで悩んだり、コロナ禍であることから思うように日常生活を送ることが出来なくなったり…そんな場面を読むと、共感できることも沢山ありました。
徐々にできないことが増えてきて人の手を借りなければならない -
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読みやすいエッセイで、すごく良い内容だった。最近ギックリ腰になったりして老いについて考えることがあったので、先達の言葉が身に染みた。
「誤作動する脳」を読んだ時に、「こんな面白い本を書ける人が、レビー小体型認知症にならなかったら本を1冊も出さずに人生を過ごしていたのか」と不思議な気持ちになった。そんな人の日常的な要素多めのエッセイが読めて嬉しかった。
再読。言葉や内容の選び方が丁寧で、おそらく憤っていらっしゃるのであろうことや悲しい思い出についてもそんなに辛い気持ちにならずに読めるのがすごい。あと、参考文献がまめに書いてあるのが助かる。 -
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レビー小体型認知症本人による日々の記録。
この病気のことをよく知らなかったので、若くして発症しながらも執筆活動を続けておられることにまず驚いた。そして希望を感じた。
病気になったときは、こうしたことが悪かったんじゃないかな、こうしたら楽になるんじゃないかなってグルグル考えてしまうものではあるけれど、激しくアップダウンする心と体調を日記調でリアルに書かれていて、とても参考になった。
というのも、そもそもこの本を手に取ったのは身近な人がレビー小体型認知症を発症したから。
幻視に苦しみ、調子がよかったり、ふさぎこんだり、イライラしたりを行ったり来たりで、以前とは違う様子を目の当たりにして、私たちは -
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40歳代にして、レビー小体病の症状が出てきた樋口直美さんのエッセイ。
彼女は以前鬱になったことがあったようだが、エッセイからは窺えない。
恐らくはかなりのショックだったに違いないが、達観していると言うか、超越していると言うか、あまり悲観的にならず、前向きな姿勢とマインドが読み取れ、暖かい気持ちになれる。
平均寿命がどんどん増え、老いと共に認知症患者も増えてくる。そんな人たちとの関わり方なんかにも役立つかな。
次のことばには、泣けてきた。
心の余裕を取り戻した私には、子どもたちが無性に可愛いかった。
保育園から連れ帰って、一緒に過ごす時間がとても貴重で、しあわせだった。
私は、また子どもた -
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とても良かった!
レビー小体症と診断されている著者の、病気と共存する日々のエッセイ。
当事者の体験する諸症状や、当事者から見る社会の課題、そこから広がり、病気に関わらず子育ての中で感じることなど。
当事者目線を知ることが出来るだけでなく、当事者ではないのに「あ〜わかる…」と共感する点も多々あり、それでも何とかやってこうとする著者の姿勢に励まされ、肩の力抜いてやってきますか〜と思える。
病気や症状を切り口に日々の工夫や課題を語るが、それは社会の中で少しでも難しさを感じている人なら、共感、応用できるアイデアに満ちている。
体力や体調的に社会一般で普通とされてる働き方ができない私だから、共感する