モモコグミカンパニーのレビュー一覧
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ネタバレ40歳おじさん。自分の若かりし頃から今までと照らし合わせて読んでしまった。20代中盤くらいまでは特に、ここまで極端じゃないまでも感情と行動の筋を通せずにいた気がするのを思い出し。まわりにいた人達も大小あるけどそうだったかもと思いそういう感情を思い出した
そういうそれぞれの経験が、自分の道に繋がってって気持ちの軸ができていくのかもしれませんね。
若かりし頃の葛藤ですね。
エピローグのみくる30歳くらいの時のフェーズも確かにあったわーってのは、わりと記憶に新しいからすぐおもいだした。
今はまた全然違うフェーズなわけで。
諸々忘れてた感じ少し思い出せて良かったです。という、40歳おじさんっぽい感想。
凄く情景とか人物の心情とか、みえやすくて、夢中で読んでしまう作品でした。 -
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BiSHは誰か一人のものではなく、いろいろな人(メンバーやファン、スタッフその他の人々)の作り出した共同幻想的なものなのだなと改めて考えさせるエッセイ。
解散を決めてから解散するまで、メンバーの一人として分析的に、一人称の感情も交えながら、その時に考えていたことを記録してそのまま出してくれているので、細やかな考えの変化や、どれだけ大変だったかもよく分かる。
芸能人としての目線というよりは、普通の人がアイドルになってしまった。という苦しさがベースにあるところがやはり魅力的なのだと思う。
メンバーみなが解散に向かってそれぞれ向き合い自立していく過程だったのだなとしみじみ。
ただ、それを飛び越えて一番ガツンと来たフレーズは以下だった。なんだか生きるということの本質をあらわしているような。
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MCで、アイナは「怪我をしたとき、生きたいと思った」と語っていた。生きたいと思うことは、消えたいとか死にたいより何倍も辛かった、と。
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「楽器を持たないパンクバンド」BiSHのメンバーモモコグミカンパニーによる解散までの約3年間の日々を紡いだ日記
私も、清掃員(BiSHのファンの愛称)だったので、特別な思いを持って読み終えた
外側から見ていると、とても順調に見えていた印象を受けていたが、彼女たちは彼女たちで色々な思いを持ちながら活動を行っていた事、終わりに向かって進まなくてはいけなかった事、あらためて知れてよかった
メンバー間のエピソードや自分自身のことが、屈託のない言葉で書かれていてとても読みやすい
彼女の紡ぎだす言葉には、勇気をもらえることが多く、人には向き不向きがあって当たり前でとても人間味を感じる所が私は好きだ。
解散してもうじき一年になり、メンバー色々なところで見るようになってきた
この先も彼女の紡ぐ言葉や小説に期待している -
Posted by ブクログ
とても面白かった。
自分はBiSH解散後に音楽を聴き始めたので、リアルタイムで解散までの空気感、雰囲気を感じていないので、感想が的外れになっているかもしれない。
最初メンバーの中でモモコグミカンパニーが気になったのは、BiSHというかなり尖ったグループに、えらい普通な子がいるなと思ったからだ。
外見もそうだがインタービューの記事などを読むとすごく普通な感性をもっているなとも思った。
特に解散後に書店の中を回りながら購読していく動画を拝見したのだが、普通に将来に悩む若者といった内容だった。
普通である自分は何も持ち得ていない(と思い込んでいる)という劣等感、早く何者かになりたい、ならなければならないという焦燥感、前向きでいたい、いなければならないという希望感。
そういったありのままの自分や感情とどう向き合うべきか、向き合ってきたかが丁寧に文章に言語化され、全体を通して「受け入れる」というテーマが根底に流れているように思う。
エンターテイメントの世界では比較的ピーキーな存在の方が受け入れられやすいと思う。
「stereo future」などのコントロールの効きにくい、なにかを打ち破ろうとしているような曲を歌っているグループはピーキーと言って差し支えないだろう。
しかしながらピーキーであればあるほど目立ちやすいためブレイクが早いかもしれないが、その分コントロールが効かなくなり、ランダム性に左右されやすくなってしまう。
つまり飽きられやすく、グループ解散も早いのではないかと思う。
そういった特異な職業の中で「普通」の感性を持ち続けているのは、ものすごく異質で逆に個性が際立っているなと感じる。
なぜなら「普通」で居られることはニュートラルで居られるということであるし、中庸という概念につながっていくと思うからだ。
きっとそういった感性や気質がBiSHの屋台骨を支えてきたのだと思うし、それがなければ8年もこのグループが続かなかっただろうなと、この本を読んで感じた。
(いわゆるバランスの問題)
しかしながら、ありのままの自分を受け入れるというというのは、なかなかに困難なことだと思うし、それゆえの葛藤が良く文章に表れていると思うが、前向きで居ようとするがためなのか、俯瞰の感性が強いのかはわからないが、文章自体は結構軽めに描かれていると感じる。
実際はもっと重く渦巻くようなどろどろとした感情や不安や悩みがあったのではないかと思う。
文章全体を通して比較的前向きでポジティブな言葉ばかりが目立ったので、もっと個人の心情が現れても良かったのではないかと思う。
ともあれ、仕事にしろ趣味にしろ、何かにひたむきに打ち込めるということは人生において本当に幸せなことだと再認識させられる良書であると思う。 -
購入済み
タイトルからは想像できないほど息苦しい作品。
作者さんが芸能人ということで、もっと芸能界や業界の裏話的なことが書かれているのかと思いましたが、
それよりは人間の心の内にあるドロドロとしたものを描いていて引き込まれました。
友美はどうしようもないけど、それと同じかそれ以上にどうしようもない人々ばかり。
だけど、最後には少し希望も見えてよかった。
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BiSHのモモコグミカンパニーの書いた小説
登場人物たちは誰ひとり、キラキラしていなく、恋愛関係(人間関係)もうまくいかない。
皆、何か満ち足りなく、”本当のこと”を求めているが、いつまでも手に入らない。現実の自分はちっぽけで醜い。
登場人物たち夢中になっている恋愛対象は、皆相手から重要な存在として扱われていない。
報われない恋だからこそ、恋の純度が上がるというような耽美的な意味でもない。
メイド(アイドル)とファンの関係と二重写しになる。
虚構であるからこそあこがれられ、虚構であるからこそ手に入らない。
虚構と現実とのギャップ=生きることの辛さが突き詰めて書かれている。
また、登場人物のキャラがしっかり立っている。
しっかり関係性を整理して、物語の流れやテーマを計算してキャラ設定されているなと思うのと、
もう一点は、モモコさん自身の実感がキャラクターに投影しているから、キャラクターが生きているのだと思う。
最後の方の「ひろやん」と「友美」のやりとりは、モモコさんの中に存在する違う立場の2人が思いをぶつけあっているようが感じがする。
なので、とてもリズムが良く、迫力がある。
「ひろやん」が「みくるん(友美)」に切実な想いを語る。
生きる意味を感じられなかった、消えてしまいそうだった「ひろやん」のことをメイドであった「みくるん(友美)」救ってくれたという感動的な想いなのだが、その想いは友美にとって重荷でしかない。
モモコさんが、アイドルになったきっかけは、「自分が変わりたかったから」と言っている。
それは、自分が生きていることを感じられないもどかしさ生きることへの違和感だったのではないか。
「ひろやん」の以下のセリフが重なる。
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「ねえ、みくるん。僕は生きるのが怖くて怖くてたまらなかったんだよ。人から拒否されるのが怖くて。傷つけられたくなくて。生きることは僕にとって、紙やすりで身体を削られていくみたいなものなんだよ。」
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また、自分の想いを投影する側と、投影されること(自分を規定されて、押し付けられること)の気持ち悪さ、違和感。が鮮やかに描かれているシーンが続く。
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「僕は、真っ暗なトンネルの中に独りきりでいるみたいだった。そんな僕にとって、みくるんは光だよ。僕の生きる意味だよ。みくるんだけだったんだ。僕を受け入れてくれたのは。僕の味方になってくれたのは。みくるんに救われたんだ。みくるんが僕の一部になってから、僕は前よりずっと強くなれたよ(中略)だから、ありがとうみくるん。本当に、ありがとう」
そう言って微笑みかけてくる彼の顔はあまりにも歪で、友美は思わず目を背けた。
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また、
女性作家だからこその、女性キャラの性格は複雑で立体的、男性キャラはある程度類型化されていて平坦という傾向はあるかなと思った。ここはそのままで良いと思う。(作家の持つ作風に近いことなので)
文章自体が、エッセイの時のように、少し論理的、解説的になっているように感じる表現もあった。
最後の方のクライマックスのように迫力があり、小説的な表現も多々繰り出しているので、だんだんと小説を書くなかでも小説力が増していっているのだなと思いました。
BiSHファンとしては、アイドル活動も忙しい中、ここまでの長編をしっかり書生き切ったモモコさんに感服です。 -
Posted by ブクログ
BiSHのにわかファンになり、モモコグミカンパニーさん執筆の本書を読んだが、彼女の文才が冴えわたる小説だった。
アイドルになれなかったメイド喫茶店員の友美を主人公に、DV彼氏、マウントを取りたがる同僚女性、友美の熱烈ファン、と個性的なキャラクターが登場する。
友美は、中途半端に夢を諦めきれずメイド喫茶店員になったことを後ろめたく思い、自己嫌悪が強い。自分のネガティブな側面に焦点を当てて、他人と比較して、一層の劣等感に苛まれている。
誰しもが生きている限り、辛いことやしんどいこともあるが、どうしても他人は幸福に見えてしまい、妬んでしまうが、その人にはその人の苦しみがある。そんな当たり前のことに、気づかせてくれる本だった -
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BiSHのモモコグミカンパミニーさんのデビュー小説
アイドルとして活躍するモモコさんだからこそ表現できる世界観のように感じる作品でした。
また人間の吐き気のするほどの嫌な部分が見事に登場人物たちを形作っていること、そしてそれらはフィクションではなく現実を生きる私たちの中にもある部分でだということを感じられる作品でした。
読み終えたときに真っ先に感じたのは、この小説を歌詞にしたらどのようになるのかということ。そして、改めてモモコグミカンパミニーがとてつもない文才だということでした。
BiSH解散後のモモコグミカンパミニーさんのご活躍が楽しみになる一冊でした。