回を追う毎に高まりゆく不協和音、これでもかと振り下ろされる親からの痛打、そして幕が降りる「おはなし」。
夜空の表現が好き。
上下巻合わせて16話と短い尺であるが信じがたい程に濃密。
そしてなかなかどうして一筋縄ではいかない筋書き。最終話〈2016年のきみたちへ〉をどう読むか・受け取るかがとにかく肝
...続きを読むだと思う。
タコピーの役割は「宇宙にハッピーを広めるため」であり、その対象は作中キャラばかりではなく読者も含められているのではないだろうか?
少なくともラストシーンまで読んだら多かれ少なかれ誰もが「ハッピー」を受け取るのではないだろうか。しずかちゃんの爪綺麗。
また、p196でのしずかの目線が完全に’こちら’を向いている。つまり呼び掛けたタコピーの役割は’読者’が担っており、’タコピー=読者’がここまでページを運んできたからしずか・まりな・直樹の元へハッピーが届いたのだ!「わったっし〜はサザエさん、あなたもサザエさん〜♪」的な思考法ですね。
…という解釈に私は落ち着きました。
少なくとも〈おまけ5〉の絵はハッピーに満ち満ち溢れているように感じられた。それは’読者=タコピー’がそこまでページを運んだから届いた、という受け取り方もアリかな、と。
これはリアルタイムで追っていたら超楽しかったでしょうね。
色んな感想がありそうな漫画ですが、私は良かったと思います。
1刷
2022.4.11