タイザン5のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
永井荷風が谷崎潤一郎の短編小説を読んで、自分の疲れ切った空想力ではこのような若い新進作家のような強い力の籠った作品の製作を仕上げることができない、と言ったそうだが、自分もこの作品からはそれを一番強く感じた。新しい描き手の作画から物語の構成から、自分にはとても思いつかないことばかりだった。そして何より本作には作者の強い力が籠っている。執念といってもいいようなものが作品を覆っている。描いていて辛い絵もあっただろうが、それを乗り越えて物語を完成させていることからその執念のようなものが感じられ、作者の言いたかったことが伝わってくるのだ。ドラえもんのアンチテーゼであり、ちまたで流行りの「やり直しタイムループ」ものでもあり、実は1回目が読者に伏せられて始まる構成も、技術力で作ることが可能だけど、本作はそんなものを超えた先に作者の伝えたい意思があることが素晴らしいのだ。最初に書いた荷風がかなわないと言うのは、技術力とかいうよりもその自分自身の根源的なものを表現しようとする熱情にあったのだと思う。
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Posted by ブクログ
描画と物語の強い製作に圧倒される。マンガのキャラクターはマンガ家の分身と言われるが、それをここまで仮借なく突き放して描けるのは凄い。描いてて辛いということはないのだろうか? 子どもの精神や知性の善と悪が未文化なグレーさ、とりわけタコピーの彼ら少女少年よりも幼い精神がゆえの無力無能の徹底ぶりは、自分ならストレスで描き進めて行ける自信がない。ストーリーも自分の空想力が思いつく予定調和を遥かに超えていく。これが作者の創造力というより、むしろ今の子どもたちの世界のただのリアリズムに過ぎないのだとしても、これだけ綺麗事を剥ぎ取ったものを描くには、相当自分の人格を削って差し出さないと描けない気がする。アニメ化されるということだが、重いテーマを扱った「聲の形」や「ルックバック」よりも相当難しそう。それは多分マンガだから切り抜けられている自分にとって「見たくないもの」がより多くあるからだと思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説のみと思ってましたが、まあ上巻と下巻しかないので許してください!
感動しました。こんな感動する漫画とは思わなかった。何年か前にすごく話題になり、その時に読めず、今更初めて読みましたがえぐかったです。
家庭環境がそれぞれ壊れた子ども達はタコピーと出会ってその無邪気さに色々狂わされてやり直してを繰り返して…
とてもハラハラする展開に、思わず息が止まりそうになりました!
この作品の辛いところはタコピーの純粋すぎる事のように感じます。タコピーはそこまで勘もいいようで悪いようで、なかなか自分の使命を全うできません。しかし、この作品で起こる展開全てにタコピーの悪意はなく、あるのは人間の子どもの純粋なエゴ。そんな子ども達に、タコピーという存在がどう映るのか、そんはお話でもあります。
本当に面白かったです!