あらすじ
夢から覚める方法を見つけようとする翼と颯太だったが、颯太は夢に飲み込まれてしまった。翼は幸せそうな家族に、夢に逃げても意味は無いと訴えかける! 家族のあり方を問う新時代ホームドラマ完結巻!! 読切『同人政治』『讃歌』も収録!!
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目が覚めたら病院にいた主人公は、自分の事も家族のことも一切覚えていませんでした。
ですがそれは、彼の目覚めを待っていた家族であるはずの5人も同様で…。
なんと、家族旅行の途中事故にあった影響で、
父・翔(かける)
母・美奈子(みなこ)
祖父・耕三(こうぞう)
祖母・幸恵(さちえ)
兄・翼(つばさ)※主人公
妹・詩織(しおり)
の一ノ瀬家6人全員が記憶喪失に。
記憶を取り戻すべく架空の思い出トークをしたり必死に家族ごっこをする内、記憶がなくても家族としてやっていける気になりますが、いざ家に帰ってみるとそこには思いもしない現実が待ち構えていたのです。
描くのは『タコピーの原罪』で一世を風靡したタイザン5先生。
今作も最初から不穏だらけの展開です。
不穏さを描かせたらタイザン5先生の右に出るものはいないのではないでしょうか。
まず注目していただきたい不穏シーンは、病院を退院し家に戻る際のキラキラした希望にあふれるコマから一転、現実を思い知らされる展開。絵の表現による不穏さが凄いです。
なんとなく嫌な予感があったにも関わらず、ページをめくった瞬間「あぁ…」という絶望的なため息が出ました。
次に注目の不穏シーンは、記憶のないまま翼が復学し同級生から温かく迎えられた…と思いきや実はいじめられていたことが発覚するシーン。
正直、こんなに平和な展開は続かないと思っていました。
思ってはいましたが、それでもなお予想の上を越えてくるのがタイザン5先生。
読んでいる側は感情が上がったり下がったり、ジェットコースター状態です。
そんなハードな状況にも関わらずキラキラと目を輝かせ、常に前向きで明るい翼に底知れぬ闇を感じずにはいられません…。
ただその明るさのおかげで物語が救われているのも間違いないのです。
翼ひとりでも衝撃の事実が次々明かされていきますが、他の家族も同様にワケアリな様子。
この家族は一体どんな問題を内包していたのか…不安が募ります。
家族が記憶を取り戻したら一体どんな事実が明らかになるのか!?
家族が記憶を失うキッカケとなった事故も…もしかして…。
不穏が渦巻く物語、心して読んでください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一ノ瀬家の大罪、最終巻です…!
下手に間延びさせずにぎっちり6巻で収めてくれてさすがです。
一家全員記憶喪失というイレギュラーな設定を除くと、結構こんな家庭あるよねと思いました。本作では主人公の翼が起爆剤となって話が進んでいくのですが…
おまけ漫画やタイザン5先生がデビュー前に描かれた読切2話も含めて良かったです。「讃歌」に至ってはウェブで何回も読むほど好きだったので、紙の本に収録されてすごく嬉しい!
巻数も少ないし、それでいて回収率が半端なく面白いのでぜひ未読の方は読んでみてください!
次回作も楽しみにしてます!
匿名
半分は読み切り…?
終わり方はとても良かったです!
結局は自分次第、人まかせで生きてちゃダメってことだよね。
謎が解けて行く感じ気持ちよかったです!
ただ1冊の半分で本編終了って…えっ!?て思ってしまいました。
後半の半分は読み切りで無理やり埋めた感じがしたので星4つです。
夢だけにぼんやり
読み切りが数本載っていて大罪の割合がその分少ないだけに「これで終わり?」と言う感想が出た。
結局、ループはしていないが、事故って罪の擦り付けあいで仲良くとは程遠い流れに。
家族のドロドロを描いていくにも限界があって、こんな終末を迎えたのか?
7人揃っての旅行がキーワードとしても、何だか変な夢をみた後の気持ち悪さがある、夢と行き来している作品だけに。
読み切り、何を読まされているんだと言う感覚が凄い。
総理ぇ……
しかし、2人で7人分のカレー材料を持てないって、幾らなんでも非力なんじゃ……?
Posted by ブクログ
面白かった。最初は祖父の企みだったんだ…心中じゃなくて、やっぱり事故だったのか。颯太は家出るのやめたのか…ひねくれちゃったみたいで良くなさそうだけど。一瞬で雰囲気悪くなってて寂しいけど、それでもつながりを捨てきれない思い出があるってことかな。大罪って何だろ〜と考えたけど、7人がそれぞれに悪い性質を持ってるってとこから、7つの大罪に掛けてるのかな。
カレー買うくらいなら、ルーを買ってくればいいじゃん…食べれない程失敗するんか!?福井…たぶん東尋坊の不穏さを使ったんだとは思うけど、恐竜好きだから福井好きだよ。
短編…昔と結構絵柄変わったんだなと思った。今の方が好きだけど、こういう変わり方できるんだって驚いた。
Posted by ブクログ
いやー、現代風刺がすごかった。。
色々と考えさせられた。
家族=幸せ。
誰もが、何かしらの苦労をしていて当然。
「かわいそうな子」は不幸。
「でも、それって本当?」と突きつけてくる漫画でした。
最初は黒幕が誰かとか不穏な空気が漂っていたけど、巻が進むにつれて、一ノ瀬家のみんなが「幸せな家族」になりたくてもがいていたんだと気づく。
最後まで仲の悪いちぐはぐな家族だけど、それでも「まあいっか!」と言える翼くんくらい、スルーできれば一番幸せなのかもしれない。
Posted by ブクログ
本作の最終巻となった第6巻。
連載中はわけわからんとこも正直多かったけど、やっぱ単行本でまとめて見ると流れがなんとなく掴める。
最後まで見て、やっぱ翼は主人公だったなあと感じた。
3分の1くらいはタイザン5先生の過去読み切り作品が2作収録。
初めて読んだが結構面白かった。
タコピーや一ノ瀬家のような暗い雰囲気のも悪くないけどこの読み切りのような雰囲気での連載も見てみたいな~と思う。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
夢から覚める方法を見つけようとする翼と颯太だったが、颯太は夢に飲み込まれてしまった。翼は幸せそうな家族に、夢に逃げても意味は無いと訴えかける! 家族のあり方を問う新時代ホームドラマ完結巻!! 読切『同人政治』『讃歌』も収録!!
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どんなに仲が悪くても家族は家族、ということでしょうか。
タイムリープだったり夢だったりで、結局どこまでが現実なのかよくわからなくなってしまうような不思議な作品でした。一気に読まないと余り理解できないかも…。タイトルにある「大罪」が何なのかもはっきりしなかったですし。
ここからは私の想像ですが、一ノ瀬家の皆が「自分のこと」や「自分の理想」ばかりに固執して周りの家族を思いやらなかったことが「大罪」であり、その代償として覚めない夢の中で延々にタイムリープする事態を引き起こしてしまった。で、主人公がそれに気づいて、以後は対立することがあっても家族みんなで健全なコミュニケーションをとっていこうということになった…ということでしょうか。
家族とは言っても一人ひとりの個人であるのは事実。私も家族、特に子どもたちの個人を尊重しているか、自分の理想を押し付けていないか今一度考えてみようと思いました。