芳春のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
実話怪談はただ怖い怖いと思っているひとにお薦めしたい!
全話の短いタイトルも良かった。
気に入ったはなし。
『骨喰』土地の風習は理解できない。
『景色』見ているものが正しく見えているとは限らない。
『隙間』隙間のはなしって怖い。
『告白』人ではないひとに話しかけられたことありますか?
『無知』無闇に扉は開けないように。
『腐臭』鼬という名前のベツノモノ。
『思い出』西川の毛布。
『幻視』これがいちばん怖いはなしでした。震える。
『偽者』記憶力って大切だわー。
『晦日』尋ねてこられても外に出てはならない。
『歌声』このお酒を造るのはどこの酒蔵なんやろうなー。
『女傑』この世界にはやはり知らない場 -
Posted by ブクログ
これまで読んできた怪談系書籍の中で一番気に入った!
一冊の中に笑える話あり、ロマンチックな話もあり、背筋が冷たくなる正当派の話もありバラエティ豊か。
血まみれの化け物に追いかけ回されるようなおどろおどろしい話よりも、じんわり怖い怪談がお好きな人に特にオススメ。
校正が甘いのか誤字や文体の誤りが多少あるものの文章そのものはとても美しい。
また、どの話もオチがしっかりしていて、出来の良いショートショートを読んでいるような感覚も味わえた。
お気に入りは友人の部屋に落ち武者が出現するエピソード「思い出」。
落ち武者というド鉄板のモチーフがなぜ印象的な怪談に仕上がっているかはぜひ本編にてご確認あれ -
購入済み
気を衒わず
著者自身の体験談や取材したものが集まった本。ただ怖いだけではなく、大学の先輩に想いを告げられなかった話、最後に体験者が希望を抱く話など、一服の清涼剤のようなものも収められている。陳腐な言い方だが、心が温まる怪談集である。
-
Posted by ブクログ
ちょっとNot for meかなと思いつつもジャケがカッコよかったので手に取ってみた、呪術にフォーカスした実話怪談コンピ。
呪術というと呪う方と呪われる方、つまり因果と応報があって、その間にある呪いという“わからなさ”よりも、人の怨みや悪意が怖いのかもしれない、そんな話でもつくね乱蔵さんの各編は体験も語りも厭さも流石だな、などと思いながら読み進めていたけれど、後半に収録されている久田樹生さんの長尺の一編「巧妙」が「本当に呪われているのか。呪われているのなら目的は何か。全てが分からない」まま長期間に渡って進行していく話で凄かった。更には最後に紐解かれそうになりつつ隠されたまま終わる因果にも人の禍