松樹凛のレビュー一覧

  • ぼくらが夕闇を埋めた場所

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    〈調べれば調べるほど、確かめれば確かめるほど、自分の中の思い込みがどんどん強くなって、そこから抜け出せなくなっていく〉
    「ゲームをしない?」転校する前日、教室で別れの挨拶を終えた〈ぼく〉は同じ図書委員だった星野さんから、〈水なし沼〉と呼ばれている潰れた釣り堀の跡地に呼び出された。彼女から提案されたゲームのルールは中身の分からないブルーシートが埋まる大きさの穴を掘る間に、彼女が〈ぼく〉を今日ここに呼び出した理由を当てる、という不気味なものだった。
     どんな小説を読みたくて小説を読んでいるのか、なんて簡単に答えられるものではありませんが、表題作を読んだ時、私はこういう短編が読みたくて小説を読んでいるのかもしれない、ずっとこの世界が築いた切ない余韻に浸っていた、とそんな気持ちになりました。たぶん思い込みにきつく縛られた景色が紐解かれて思いがけない世界が広がっていく、そういう世界が好きだからなんだと思います。独立した短編として読んでも傑作、連作集として読んでも傑作、の二度美味しい一冊でした。

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    2026年09月21日
  • 射手座の香る夏

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    抜群に良かった。SFとファンタジーとミステリーを掛け合わせた、切なく余韻の残る中短編集。久しぶりに先が気になって仕方がない気持ちにさせてくれた。文章も読みやすくて、スラスラ情景が頭に浮かぶ。これから応援していきたいと思います。

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    2026年08月15日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    新進気鋭の作家様によるSF中短編書き下ろしプラス創元SF短編賞受賞作アンソロジー

    自分の裡に形成される「SF固定概念」を毎回アップデートしてくれる最先端を走るシリーズ

    ティプトリーを読み涙していた頃、このような未来型が到来すると露ほども予測せず、また今後どのような作品が紡がれてゆくのか、想像するだけで萌えます

    読みごたえあります!

    『未明のシンビオシス』
    南海トラフ大規模地殻変動が発生、列島の姿すら変わってしまった日本
    荒廃した世界で生き延びる主人公たちの微かな希望を描いた近未来SF

    『いつか明ける夜を』
    光のない闇の世界が、夜と昼に別たれた
    言い伝えの神馬と少女は、世界の救世主になれるのか? 世界の真実とは?
    詩的に描かれた作品

    『1ヘクタールのフェイク・ファー』
    気がついたらブエノスアイレスに居た…主人公の日本人男性…好意で拾ってもらった女性に部屋から追い出され…めくるめく思考を文字で綴った興味深い作品

    『時間飼ってみた』
    動画生配信でリアルSF考察する《ときときチャンネル》シリーズ
    絶え間なく入るコメントも愉快で、まさに新世代の作品

    『ラムディアンズ・キューブ』
    電車内で目があった男女…恋愛に発展、、ではなく、壮大な物語が待ち受ける骨太の中編バトルSF

    『ほんとうの旅』
    “ほんとう”って、何だろう?
    事実は人の捉え方によって違うものだし…
    列車に乗り合わせたふたりの垣根のない会話に癒される作品

    『神の豚』優秀賞
    「兄貴が豚になった」
    連絡を受けた主人公リリーは急ぎ実家に戻るが、そこに居たのは兄らしからぬピンクの可愛い子豚だった…
    食糧、感染症、世界は未だ問題が山積だけれど、伝えてゆきたいことがある、若者たちの熱いメッセージが込められた近未来SF

    『射手座の香る夏』正賞
    「意識転送中」で横たわっているだけの作業員の「生身の体」が忽然と消えた
    まるでミステリーのような物語は、調査する警察官と若者たちの流行「動物への意識転送」が互いに絡み、伝説の狼へそして真実へと導かれる近未来SF


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    2021年12月05日
  • 射手座の香る夏

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    4編からなる短編集。なかでも秀逸なのが「十五までは神のうち」。
    15歳になる時に自分が生まれなかった世界を選択する権利が与えられる。では残された者は?
    非常に物悲しいストーリーでなぜか居てもたっても居られない様な気分になる。
    この作品にもう少し肉付けして長編に、更には映画化してもらって、などとも考えてしまう。

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    2026年10月04日
  • ぼくらが夕闇を埋めた場所

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    気軽に読み始めたら、すごい作品だった。
    読み進めるたびに何度も何度もひっくり返される。何が真実なのかわからなくなってくるくらい。面白いくらい著者の手のひらの上で転がされた。

    伏線も見事。よく短編でこんなに綺麗に回収できるものだと思う。

    短編同士の繋がりが見え始めると、もう完敗。
    青春の甘酸っぱい話かと思っていたら、なんとも重みのあるストーリーで、さらりと読めるのに心に余韻の残る作品だった。

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    2026年09月20日
  • 射手座の香る夏

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    かなり好き。読み終わったあとにウワ~~~いいな.........ってなる。心を揺さぶるというよりも心を包みこまれる感覚になるというか。上手く言い表わす語彙を持ち合わせていないのでチープな感想(感想ですらない)しか書けないけれど面白かった。

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    2026年07月03日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    なかなか濃いSFアンソロジーでした。表題作の「時間飼ってみた」で笑わせてもらい、「ラムディアンズ・キューブ」で訳が分からない世界に連れていかれという体験をした。個人的に意思版好きな作品は「神の豚」(溝渕久美子・著)です。SF感は少ないという評価もあるようですが、将来起こりえる政治・生活を予見して人間の業をきちんと表現したような純文学に通じる作品だと感じました。

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    2024年01月28日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    幅広いアンソロジー。宇宙モノは無かったが、理不尽、インナースペース、動物モノと様々。気が付いたらブエノスアイレスにいるとか理不尽系が面白かった。
    表題作の「時間飼ってみた」は火浦功のようなドタバタとした展開。面白いけど完全に理解してるかは怪しい。

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    2022年04月11日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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    2022年01月09日
  • 射手座の香る夏

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    ネタバレ

    夏を舞台とした青春SF短編集。
    『射手座の香る夏』
    意識をオルタナと呼ばれる生体デバイスに移す技術が普及した世界で、起こった事件の捜査をする人と、違法な動物乗りに興じる若者目線で物語が紡がれる。
    『十五までは神のうち』
    15歳になったときに自身が生まれたことをなかったことにできる<巻き戻し>が子どもの権利として認められた世界。主人公の息子と兄が巻き戻しを選択した。なぜ二人は巻き戻しを選択したのか…
    ミステリ的な展開もありつつ、考えさせられるようなテーマ。子どもにだって生まれない権利があるというのは正しい議論なのだろうか…多分昔からしたら意味不明な議論なんだろうなと思う。
    『スチールヘッド』
    VR世界と荒廃してゾンビに覆われたアメリカ大陸が舞台。
    『影たちのいたところ』
    影を運ぶ人と影を捕らえるもの

    4編ともある種のやるせなさ、正解のなさを感じるテーマで、夏という舞台も相まって少年少女たちの青春が描き出されているように思える。

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    2026年07月15日
  • 本格王2026

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    『死に際のアレの問題』はちょっと合わないかな。
    『カフェオレ色の恋をした』はちょっとわかりづらいかな。

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    2026年07月02日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    川野芽生さんの作品が読みたくて借りた。
    神の豚と時間飼ってみたも面白かった。子豚かわいい。肉を配ることが重要で個包装のカップ麺とかじゃダメだという気持ちはなんとなくわかる。

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    2024年06月06日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。

    短編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気がある作家なのだろう。もしかしたら、私にとって注目すべき作家となるかもしれない。それは「残月記」にかかっているので慎重に読み進めていきたいと考えている。

    このアンソロジーには、毎年行われる創元SF大賞の受賞作(正賞・優秀賞各1作品)が掲載される。今回は残念ながら私の琴線に触れるものはなかった。また、今年の年末に期待したい。

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    2022年01月03日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    2021-12-29
    なかなかバラエティに富んだ短編集。日本SFの奥行きの深さを感じる。
    創元SF短編賞の歴史を読んで、だいぶ読んでない作家がいるなあ、と実感。そしてまた積読の山が高くなるのかなあwww

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    2021年12月30日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    SF。短編集。
    作品によって、けっこう好みが別れた印象。
    好きだった作品は、小川一水「未明のシンビオシス」、宮澤伊織の表題作。
    表題作の突飛なアイディアがとても好き。
    受賞作2作では、個人的には溝渕久美子さん「神の豚」がわりと好み。ちょっと高山羽根子さんっぽい?

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    2021年12月25日