松樹凛のレビュー一覧

  • 射手座の香る夏

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    ネタバレ

    言葉では言い表せないほど素晴らしかった。どの作品も、文章から夏の匂いとノスタルジックな雰囲気が漂っている。伏線の張り方が緻密でありながら、書きすぎずさらりと読者の想像に任せる部分もあり、バランスが良かった。

    「射手座の香る夏」
    話は二視点で進行していく。どこか幻想的でありながらも、作業員たちの身体が消え失せるという身に迫った事件が現実的。最後収束していく様子に震えた。

    「十五までは神のうち」
    一番のお気に入りの作品。生まれるかどうかを自分で決められる<巻き戻し>という魅力的な設定が、ワイダニットに繋がっていくのが圧巻。過去は手を伸ばすには遠く、記憶は薄れていく。それでも過去は甘く苦く心に残

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    2024年09月21日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    新進気鋭の作家様によるSF中短編書き下ろしプラス創元SF短編賞受賞作アンソロジー

    自分の裡に形成される「SF固定概念」を毎回アップデートしてくれる最先端を走るシリーズ

    ティプトリーを読み涙していた頃、このような未来型が到来すると露ほども予測せず、また今後どのような作品が紡がれてゆくのか、想像するだけで萌えます

    読みごたえあります!

    『未明のシンビオシス』
    南海トラフ大規模地殻変動が発生、列島の姿すら変わってしまった日本
    荒廃した世界で生き延びる主人公たちの微かな希望を描いた近未来SF

    『いつか明ける夜を』
    光のない闇の世界が、夜と昼に別たれた
    言い伝えの神馬と少女は、世界の救世主にな

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    2021年12月05日
  • 射手座の香る夏

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    SF短編集。短編といっても300ページ超えの本に4作なので、それぞれ70ページくらいはあるので読み応えはある。

    『射手座の香る夏』
    自分の意識を動物に載せることができる世界。なんというか、最初からすごい未来感で不思議。

    『十五までは神のうち』
    十五歳で、このまま生きていくかリセット(生まれなかったことにする)を選べる世界。リセットされてもその人に関する記憶がなくなるわけではなくて残された家族はつらい。兄がリセットを選んだのは何故なのか。

    『さよなら、スチールヘッド』
    これが個人的に難しかった。一番長い作品なんだけど、自分の意識を仮想空間に入れることができる世界。二つの世界を行き来する物語

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    2024年05月19日
  • 射手座の香る夏

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    24/05/12
    Xでたびたび推薦コメントを見かけたので。
    どの作品も良作で、タイトルのセンスがある。繊細でロマンチックで、過剰ではない。できれば夏の気だるい暑さの日に読みたかったな。好きなのはやはり十五までは神のうち、か。

    飛浩隆の解説もよかった。ジュブナイルとアクチュアル、というワードがぴったりの作品たちだった。インタビューの引用箇所も素晴らしい。
    私の考える「世界の果て」というのは、つまりこの感覚です。自分が信じられないほど遠くにーーこの後の人生で二度と訪れることが出来ないであろうほど遠くに来てしまったという(若さゆえの)感覚。その一瞬を切り取ることが、物語を書くうえで一番のモチベーシ

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    2024年05月12日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    なかなか濃いSFアンソロジーでした。表題作の「時間飼ってみた」で笑わせてもらい、「ラムディアンズ・キューブ」で訳が分からない世界に連れていかれという体験をした。個人的に意思版好きな作品は「神の豚」(溝渕久美子・著)です。SF感は少ないという評価もあるようですが、将来起こりえる政治・生活を予見して人間の業をきちんと表現したような純文学に通じる作品だと感じました。

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    2024年01月28日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    幅広いアンソロジー。宇宙モノは無かったが、理不尽、インナースペース、動物モノと様々。気が付いたらブエノスアイレスにいるとか理不尽系が面白かった。
    表題作の「時間飼ってみた」は火浦功のようなドタバタとした展開。面白いけど完全に理解してるかは怪しい。

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    2022年04月11日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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    2022年01月09日
  • 射手座の香る夏

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    ネタバレ

    「射手座の香る夏」
    動物乗り。動物に意識だけ乗るのってどんな感じなんだろう。

    「十五までは神のうち」
    15歳巻き戻し制度。安楽死制度すらままならないのにこれはどう考えても施行されないだろうが、物語としてはミステリー感ごあってこちらがいちばん面白い。先生の真意はいかに。

    「さよなら、スチールヘッド」
    人工知能と夢で繋がる2つの世界。結局どちらが現実?

    「影たちのいたところ」
    影の運び屋。ファンタジー感があって、アニメ映画になりそう。洗濯物がひらひら舞う地中海の街が美しい。

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    2025年03月26日
  • 射手座の香る夏

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    CL 2024.7.6-2024.7.9
    SF連作短篇集
    「十五までは神のうち」がよかった。
    ただ、何もかも無かったことになるのに残された人の記憶には残り続けるというのは、残酷だし整合性が取れていないのではないかと感じた。

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    2024年07月09日
  • 射手座の香る夏

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    2024-06-13
    うん、瑞々しい。アイデアもなかなか非凡だし、きちんと各作品のテーマと絡んでいる。その分、急に結末に至って物足りなく思うことも。

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    2024年06月13日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    川野芽生さんの作品が読みたくて借りた。
    神の豚と時間飼ってみたも面白かった。子豚かわいい。肉を配ることが重要で個包装のカップ麺とかじゃダメだという気持ちはなんとなくわかる。

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    2024年06月06日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    東京創元社の日本SFアンソロジーシリーズ「Genesis」、毎年刊行されるこのシリーズもこれで4冊目となる。いつもこの本が出るのを本当に心待ちにしてきており、申し分なく期待どおりの作品集となっている。このアンソロジーには有名なSF作家、新人SF作家が執筆しているのでいつも時間をかけて読んでいる。

    短編が多い中、一番スペースを割いていたのが小田雅久仁の「ラムディアンズ・キューブ」で、私はこれが一番面白かった。この方のお名前はあまり覚えていなかったが、今回の作品でとても興味を持った、読み終えて直ぐに先々月出版された「残月記」を購入した。刊行されて間もないのに重版が出ていたということは、やはり人気

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    2022年01月03日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    2021-12-29
    なかなかバラエティに富んだ短編集。日本SFの奥行きの深さを感じる。
    創元SF短編賞の歴史を読んで、だいぶ読んでない作家がいるなあ、と実感。そしてまた積読の山が高くなるのかなあwww

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    2021年12月30日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    SF。短編集。
    作品によって、けっこう好みが別れた印象。
    好きだった作品は、小川一水「未明のシンビオシス」、宮澤伊織の表題作。
    表題作の突飛なアイディアがとても好き。
    受賞作2作では、個人的には溝渕久美子さん「神の豚」がわりと好み。ちょっと高山羽根子さんっぽい?

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    2021年12月25日