伏尾美紀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書備忘録980号。
★★★★。
百年の時効の前に去年リリースされた3作目を読んでおこうと思いまして。
伏尾さんリスペクトしかないです。
ちょっと残念だったのは、ストーリーのごちゃごちゃ感。
テーマは犯罪被害者支援。
あ~。これは大きな問題です。
例えば加害者が未成年とか。少年院に入院して退院。社会的にはリスタート。
そうじゃなくても加害者は有期限で罪を償いリスタート。
一方被害者は?
例えば一家の大黒柱を殺された。残された家族は経済的にも社会的にも生きることで精一杯。本来なら最高学府を出て職業を選択する自由も含めて社会に船出できるはずだったのが、幼くして働かないと生きていけない・・・、とか。
最近では、性犯罪などで被害者に対するネット中傷「そんな恰好しているから!」とか「そんな化粧しているから!」とか・・・。自業自得という四文字熟語誹謗中傷!なんなん?それ?という理解できない攻撃などもある。
とかとか、被害者なのになんで加害者より人生終わってるの?という社会問題に対して警察組織はこれまでも支援している訳です。それが犯罪被害者支援室。警視庁、各県警にあるようです。
本作は一歩踏み込む!捜査一課の中に犯罪被害者家族心理分析班を作ってしまい捜査に役立てよう!というフィクションスリーリー!
そして、主人公の2人。
花園警察署刑事課強行犯係広中承子29歳。
警視庁の(どっかの課だと思う)潮崎格31歳。
実は2人。幼いころからの知り合い。
ただ、知り合った経緯(一切割愛!)が宜しくないので、広中は潮崎を嫌っている。潮崎はとんでもなく優秀な捜査官だけど(一切割愛!)過去の影響でメンヘラ状態。
その2人が警視庁捜査一課に実験的に作った捜査組織「犯罪被害者家族心理分析班」に抜擢される。バディとして。
相性最悪の2人が東京都某区にある限界集落団地、花園団地で起きる様々な問題の謎を解く!そして被害者に寄り添う!そしてそして被害者心理から事件の謎を解く!
乱暴に言えばこんな感じ。
ごちゃごちゃしたストーリーを一言で纏める気力は起きない。
一言で言えば「ごちゃごちゃ」。何回も言う。「ごちゃごちゃ」。
ただ、広中と潮崎は良いね!
一切割愛しましたが、広中の中にずっとこびり付いていた過去のわだかまりが取れたのが良かった。
潮崎の亡霊が「じゃあね。頑張るんだよ。」と言って去ってくれたらなお宜し!
キレッキレの元カノとよりが戻ってくれたらなおヨシ!
ごちゃごちゃしてるけど、めちゃくちゃ面白かった!
明るい未来が見えるエンディングだった。
ただなぁ、ごちゃごちゃ・・・。
そして既に手元に届いてしまった「百年の時効」に入る・・・。 -
Posted by ブクログ
舞台は北海道札幌。二〇一八年一月四日 ある自動車修理工場の古い倉庫に窃盗目的で侵入して 署に引っ張られてきた男が そこで女児の遺体を見たと言う。
鑑定の結果 遺体は五年前に誘拐され行方不明になっていた島崎陽菜ちゃん 当時三歳 と判明した。
その事件は道警史上に残る有名な未解決事件 (コールドケース) の一つだった─。
大学院出で博士号をもつ異色の警察官・沢村依理子は現場捜査の師と仰ぐ瀧本とともに捜査に乗り出すが 瀧本の様子がおかしい……。
言いしれぬ不安の中 事件はまたしても未解決に終わってしまうのだった─。
この作品はシリーズ一作目になるのだろうか ?
アカデミアの世界の理不尽さに絶望して大学を去った沢村は今度は警察社会の理不尽さに翻弄される。 警察官を続けるか別の道を行くか 沢村の心は揺らいでいた……。
資料漏洩の疑いで監察官に詰められた時の ギリギリの所での反撃は気持ちよかった。 理路整然と正論を説く彼女はやっぱり優秀なのだ。
そして最後の取調の場面は圧巻!
瀧本については フリもあったし、途中でなんとなくわかっていたけれど、
エピローグは少々 辛いものだった。
でも 沢村の迷いは消えていた。
伏尾美紀さん。『百年の時効』に続いて二作目。やっぱり面白い。
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Posted by ブクログ
「百年の時効」で深く感動したので、伏尾さんの前作である本書を読んでみました。
犯罪被害者の心に寄り添うのがどれほど怖いか、深く関わりすぎたことで燃え尽きた刑事の娘もまた刑事になった。
父を見て、自分は被害者の気持ちに深入りしないようにと思っていたが・・・
色々な事件に関わるうちに、次第に相棒の気持ちが垣間見えてくる。
登場人物それぞれに悩みを抱え、それでも懸命に生きていこうとする姿も、心情まで細く描写されている上に、こちらもあれこれ想像させられる。
あっという間に読んでしまいました。
また伏尾さんの他の作品も読んでみたくなる素敵なミステリーでした。 -
Posted by ブクログ
博士号を持ちながら、警察官となったユニークな沢村依里子が主人公のシリーズ第2弾。
依里子は道警本部警務部へ異動になっていたが、新設大学院での爆破事件が起こり、警務部付ながら刑事部捜査一課に出向となる。
戸惑いながら班の責任者となった依里子は、相棒の松山とともに捜査を始める。
が、事件にテロの疑いがあるのか、彼らの前に公安が立ち塞がる。しかも、依里子の班の中に公安のスパイが?・・・
お馴染みの公安対刑事の諍いに、さらに底流にあるのはジェンダー問題。
依里子の属する警察と、犯行に関係があると疑われる三島教授の研究室で。
題名から事件の結末が推測されてしまうのは、仕方ないか。 -
Posted by ブクログ
10歳のときに姉を殺された潮崎は、当時犯罪被害者支援室の広中にお世話になっていた。
広中は被害者遺族に寄り添い過ぎて心身を病み早くに亡くなってしまう。
広中一家は、代々警察官一家で父親亡き後、長兄も警察官に次兄は検察官、そして長女もまた花園警察署の刑事課強行犯係に所属していたが、捜査一課への異動を命じられ、「犯罪被害者家族心理分析班」で潮崎刑事と動くことになる。
潮崎の少年の頃を知っていた広中は、苦い思いをしながらも花園団地で起こる奇妙な事件や子どもの不審死などを違う角度で捜査する。
最悪な相棒とは潮崎と広中のことだが、さまざまな事件を探っていくうちに単純ではなく、奥深く人を観察しないとわからないことまで見つけていくのは、潮崎が被害者遺族だということや広中の父が被害者遺族に向き合ってきたことを目の当たりにしていることも関係あるのかもしれない。