オードリー・タンについては、台湾の最年少天才デジタル担当相としてしか知らなかった。
ギフテッド(IQ180)で、トランスジェンダーという特異な存在なため、生きづらかったことは想像に難くないが、理解ある周囲のおかげで才能を伸ばせたのは何より。生まれついて、心臓病も患っていたそうだ。
興味深いがのめり込むように読めないのは、あまりに淡々と彼女の半生がや成し遂げたことの説明が進んで行くからだろう。それでも、オードリーの功績について、項目だけでも知ってよかったと思うし、後で、他の本で深掘りしてもいいかと思った。
台湾の歴史や政治改革について、ほぼ何も知らなかった。
シビックハッカーコミュ二ティ g0v (2012〜)
オープンと協業によって成り立ったコミュニティが、草の根のパワーで公共事業に関心を持ち、互いの協力によって変化を成し遂げる。(p.121)組織ではなくコミュニティ。誰でも言い出しっぺになれて、作業グループを作ることができる。
オンライン言語辞典 萌典
台湾華語(北京語の台湾方言、台湾語、客家語に、英、仏、独の対訳付き)
多言語社会なだけに必要なものだし、一つ一つの言葉を大事にしているんだと思った。
台湾の歴史
1895〜1945 日本による統治。
戦後、蒋介石率いる中国国民党が台湾を接収。
中国からの移民(外省人)と元から台湾にいた人(本省人)との対立。
1949〜1987 戒厳令。為政者と政治的に対立する民間人の迫害(白色テロ)
1986 戒厳令解除を求めるデモ(519 緑色デモ)が起き、翌年、戒厳令解除。民主進歩党(民進党)が成立する。
1990 野ゆり学生運動。6000人の学生が民主化を求める。
ひまわり学生運動(2014)
ひまわり学生運動は、これらよりずっと大規模な、市民運動。発端は政府国民党が、国民に十分な説明もせず、強行採決したサービス貿易協定(台湾の通信、病院、旅行、運輸、金融市場の中国への条件付き解放)の締結。
オードリーのしたこと
「考えや主張が異なるもの同士、まずはお互いを見えるものにするべきだ。その上で、合理的な対話をして解決の糸口を見つけよう」
様々な立場の人の言い分をYouTubeでライブ中継。映像や議事録をアーカイブ化した。そして、関係者の合意を得た要求の取りまとめに成功。
(と、さらっと書いているが、その実態とプロセスを知りたい)
政府側が、その要求に応えて、協定を監督する条例の立法化を優先し、それまでは、サービス貿易協定の審議は行わないと決めた。
反政府大規模デモの成功、自力で手に入れた民主化、国民党と民進党の二大政党制と、日本と地理的にも民族的にも近い国ながら、政治のあり方が全く違うのに驚いた。多民族国家、中国からの露骨な干渉が、大きな要因だろうか。
マスクマップ
コロナ禍のころ、台湾ではマスクは全て政府が買い上げ、実名制で薬局販売した。輸出は禁止。オードリーはシビックハッカーとともに、全国6,000ヶ所ある販売拠点の在庫状況を30秒ごとに自動更新されるマスクマップを開発した。実名制販売開始前に間に合わせる。マスクの量産増加に伴い、予約購買も可能に。
これはすごい。アベノマスクとは雲泥の差。強力なリーダーシップと政府に対する信頼がないとできないことで、信頼に足る実力があったことが素晴らしい。
普通の役人だったら、一つの開発会社にアプリの依頼して終わり。マスクの在庫状況を、ここまで活用できなかった。オードリーだからこそ、オープンソースにして、1000人のハッカーと一緒にやろうということができた。
オードリーの人となり
オープンマインドで徹底した透明性。プロジェクトについての彼女との会話は全て公開の場で。
クリックティズムからハクティビズムへ。
ハクティビズムとは、ハック(Hack、質や生産効率をあげるための工夫)とアクティビズム(activism、社会的な改革を促す行動)を合わせた造語。
SNSで、人の投稿に「いいね」をするのは、能動的に見えて、実は人の行動に反応しているだけの受動的な行動にすぎない。
⒈ SNSで、いいねを押す
2.リンクをシェアする
3.質問したり答えたりする
4.討論する
5.審議する
6.議題を設定する
台湾人は、IQ より EQを大事にする。
對事不對人(罪を憎んで人を憎まず、に近い?)
EQ とは、挫折や対立を経験したとき、自分の心をケアするスキルである。(p.288から)