マライ・メントラインのレビュー一覧
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いまNHKのドラマ「舟を編む」が話題だ。
数年前にBSで放送され評判がよかったので、
地上波に降りてきたもの。
テーマは辞書編纂。
「ことば」にとことんこだわっている。
私はこの本をだいぶ前に読んでいるんだけど、
このドラマでよく使われる「語釈」ということばに
全く記憶がなかった。
前置きがやたら長くなったが、
ドイツ人マライ・メントラインさんが書いたこの本を読んで、
この「語釈」を思い出した。
日本語が母国語である日本人で、ここまで言葉を深堀する人って、
どれだけいるだろうか。
それこそ「舟を編む」の辞書編集者のマジメさんやみどり(池田イライザ)
くらいなもんではないか。
かくいう私も言葉にはこだわりたい。
経営者に会社の状況を的確に伝える役割。
言葉を間違えてはだいなし。
しかも、そのあたりに難がある部下を抱えている。
否が応でも言葉を意識せざるを得ない。
単語の一つ、「教養」も身につけたいものだ。
外タレ、忖度、ガンダム、呪う、帝国、四季、萌える、サボる、アングラ、ワンチャン、
教養、理屈、余暇、エモい、ラノベ、隠居、女子力、上から目線、大予言、自己責任論…
と、思って読み進めてたら、最後に対談で本物の辞書編集者が出てきた。語釈ということばも。
やっぱりなあ -
Posted by ブクログ
在日ドイツ人による日本語の再定義を通した日本社会やドイツ社会への洞察。
「隠居」でアップデートできない高齢者とそれがもたらすであろう社会問題について議論されたが、これはアップデートできていないのは高齢者に限らず、10代の男性にもいて、実際どの世代にも一定数いると言うよりも、アップデートできていない人たちの方がマジョリティなのだという事が可視化されたのが、ここ半年の国民民主党への支持拡大とその急落、それと入れ替わるような参政党の支持上昇なのではないかと思う。アップデートできていないことを薄々自覚しつつ、それによるルサンチマンを抱えた人々が多く爆発寸前なのが今の社会なのだろう。などと考えていくように、軽い読み味だが考えることは多い一冊です。今の日本社会のヤバさに絶望するけど。 -
Posted by ブクログ
「職業:ドイツ人」(引っかかるがちゃんと冒頭で解説してくれている)のマライ・メントラインさん、おなじみ池上彰氏と増田さんによる対談形式。初版が昨年の9月だからまぁまぁ情報は新しい。
マライさんの事は今回初耳だったけど、会話の端々から知性や有能さが滲み出ている…二度の日本留学に加え、15年の在日歴でも「毀誉褒貶(きよほうへん)」って言葉が出てくるか?
自分が対談の場にいたらドイツの話よりも先に、彼女について色々聞き出そうとするかも笑(他のお二方の手前、聞かずじまいになるのがオチなんだろうけど…)
ドイツ国内の土地柄から対談は始まる。各地方を日本の地方に当てはめ、特に「同じドイツ語圏のウィーンは京都に似通っている」ってくだりは、行ったことすらないのに納得できた。その感覚がまた刺激的で面白い!
池上氏は相変わらず会話が解説になっていた笑
全章要約したいけど自分の技量では…(以下略)恒例の、特に気になった箇所だけ抜粋↓
【労働】
バカンス好きとかノー残業のイメージは前からあったけど、仮に残業したら別の日から残業した時間分を差し引く「時間バンク」って制度まで備わっている。ノー残業然り、そうやって長所ばかりに目が行っちゃうんだよなー笑 でも「日本は全然なってない」とか言って優劣付けちゃうのは違う気がする。
あちらはあちらで即戦力第一主義だったりと、就活面はなかなかに厳しそうだし。
【教育】
「(日本の学生は)出来合いの正解を求めている」マライさん…手厳しいけど的を得ています。テスト形式一つを取ってもそう。マークシート形式が一般的な日本で論述問題を出そうものなら、「採点基準は先生の主観だ」といちゃもんを付けられる。今まで意識してこなかったけど、「平等/公平」へのこだわりはここにも表れていたのかと。
平等を唱えているわりに、教育格差が出ちゃうプロセスもまた嫌らしい。
【政治】
わが国の首相が短期間で変わる理由について、以前別の本の著者が「彼らも日本人でシャイだから、顔を覚えられる前に辞めたがるんだ」ってジョークを飛ばしていたのを何故か思い出した。実際、戦後-昨年9月時点でドイツでは8名が首相を務められたが、対して日本は34名。
ドイツでは周辺国からも支持されるから長期政権化し易い。日本側だって勿論シャイな訳じゃないけど、世襲制に近いから変な義務感に囚われて長続きしないのかなと思えてくる。
…読後はまぁまぁ息切れ状態。
この世の諸問題を一身に浴びたみたいなのもあるけど、途中何度も立ち止まって考えていた。それだけ思うところがあったり、或いは曖昧にしたまま生きてきたんだと痛感したり。
同時に「隣の芝生は青い」と言いますか、お国事情が違う他国を引き合いに出す思考にも陥りがちだったのかと。
何が正しいのかをまずは自分の頭で考えアウトプット出来るようになっておかねば…と言うのが、何もかもが主体的な御三方を見て導き出した答えである。 -
Posted by ブクログ
変なタイトル!
戦争おたく?戦闘機おたく?戦車おたく?兵器おたく?映画おたく?アニメおたく?である
ロシアの軍事・安全保障の専門家、小泉悠氏を中心に、戦争について?語る語る。
?ばかりで恐縮だが、
題材の多くは映画やらアニメやら。
ゴジラマイナス1とシンゴジラの違い??
エヴァンゲリオンも時代時代それぞれの映画の描き方、特にアスカ!
ナウシカや風立ちぬを中心に宮崎駿。紅の豚も出たかな。
・・・私も触れている世界であるだけに、状況はある程度理解できるが、
戦闘機の車輪の出方なんてところに目が行くなんて、、、
極めるってのはすごいことだ。
わからんところは斜め読み、知ってる世界は思い出しながら。
楽しみました
はじめに 小泉悠
第一章
アニメの戦争と兵器
小泉悠(東京大学准教授)
高橋杉雄(防衛研究所防衛政策研究室長)
太田啓之(朝日新聞記者)
『宇宙戦艦ヤマト』の多層式空母と空母「赤城」/ザクしか出すつもりがなかった『ガンダム』のリアリティ/冷戦期のソ連の設計局は仲が悪いだけ/『パトレイバー2』のGCIとの通信シーンのリアル/トルメキアのバカガラスはMe-321ギガント/「イングラム」ナンバープレートとペイントの日常との地続き感/軍が民間人を守る話の魅力/「バカメと言ってやれ!」はバストーニュの「Nuts!」がモデル/『新世紀エヴァンゲリオン』のソ連の存在感/『エヴァ』と終末論/『この世界の片隅に』の片渕須直と宮崎駿/『王立宇宙軍』を子どもに観せたら奥さんに怒られた
第二章
ゴジラvs.自衛隊
小泉悠 高橋杉雄 太田啓之
零戦の脚だけで大興奮/16インチ砲ならゴジラに勝てるのか!?/ゴジラを生き物としてリアルに描くと怖くなくなっていく/ゴジラは水圧で死ぬようなタマじゃない/ゴジラ対戦艦「大和」/震電の脱出装置にオタクはみんな気づいていた!?/「高雄」型重巡4隻で巡洋艦戦隊を組んでゴジラに勝つ/ファンタジーに向かう段取りが「リアル」を生む/無人在来線爆弾とソ連原潜の戦略的共通点/アメリカはどんな悪役にしてもOK?/ゴジラは榴弾砲でアウトレンジして倒すべし
第三章
日独『エヴァンゲリオン』オタク対決
小泉悠 マライ・メントライン(職業はドイツ人)
『エヴァ』は両親に見られたらマズい!?/ロシア人は「早くエヴァに乗れや!」と銃を突きつける/「脳内ドイツ」を生ドイツ人に肯定してもらう/じつはドイツ語をしゃべれなかったアスカ/ゼンガーの宇宙爆撃機のガンギマっている感じ/ソ連萌えと人類補完計画/『新劇場版』でアスカがドイツ語をしゃべってくれない!?/ショルツ首相の黒い眼帯は中二病/アスカのドイツ語はかなり変
第四章
宮崎駿のメカ偏愛
小泉悠 高橋杉雄 太田啓之 ゲスト 大森記詩(彫刻家)
宮崎駿は黄海海戦を映像化したかった/「ガンシップ」の燃料は水!?/「車輪が付いた飛行機出さねぇぞ」みたいな謎のこだわり/機体は汚れているほうがかっこいい/「鳥」は宮崎駿の飛行機の原点/宮崎作品とタバコとロシア人の倫理観/80年前のナチスドイツの超技術/アメリカ人には「連続モノアニメ」という概念がなかった/「トゥールハンマー」「グランドキャノン」「ソーラ・レイ」……巨砲兵器の戦場/宇宙ではチョークポイントがないと戦争が発生しない
第五章
『エヴァンゲリオン』の戦争論
小泉悠 高橋杉雄 太田啓之 マライ・メントライン ゲスト 神島大輔(マライの夫)
宮崎駿の『雑想ノート』でデートの約束/『エヴァ』が嫌いで大好き/日本の国歌『残酷な天使のテーゼ』/パパと一緒に「松」型駆逐艦を作ろう/小泉さんはアスカがお好き/『エヴァ』の兵器の使い方は特撮/『ゴジラ−1.0』と『シン・ゴジラ』のフェチの差/アスカがリアルヨーロッパ人だったら?/ドイツ人は効率重視で人類補完計画に賛同する!?
第六章
佐藤大輔とドローンの戦争
小泉悠 高橋杉雄
佐藤大輔『遙かなる星』は完結している!?/“冷戦”に持っていた憧憬/佐藤大輔とアメリカとバブル日本/『クレヨンしんちゃん』の自衛隊考証がすごい/二足歩行ロボットは格闘戦で使うべし/『ガンダム』世界の階級はテキトー!?/今のXのトレンドが、まるで90年代アニメみたい/自衛隊が反乱する可能性/ ChatGPT の哲学的ゾンビ問題/プーチンの補佐官が書いた小説で見えた未来
おわりに 小泉悠 -
Posted by ブクログ
タイトルや帯、特装版の表紙から想像する内容とは少し異なると感じる方がいるかも。
本書の内容は、はじめに、に集約されていますので、そういうものだと思って読むものです。
アニメを居間のテレビで観て、プラモデル作りにいそしんだ世代には激しく刺さると思いますが、本書に出てくるアニメを今、全部観たとしても、当時の空気感や世相ありきで話されていることに共感できるのだろうか、とは思います。知識≠実体験。
いずれにしても大量の注釈を、ほぼ注釈無しで読める自分に少し驚いた。
書籍の販売という商業的な観点でのタイトルや帯なんだと思いますが、もう少し本書の内容に沿った、「あの」小泉氏や高橋氏のオタク談義であることを前面に出したり、むしろ社会学的なタイトルでも良かったのではないか、想像していた内容と違うという書評で本書の評価が下がるのはもったいない。 -
Posted by ブクログ
フォルクスワーゲンの前身は、ヒトラーによる国有企業だったというのは本書で初めて知りました。
お三方の知識の深さや頭の回転の早さに驚き。
当たり前ですけど、池上彰さんは特にさすがでした。「カナン」と聞いて「聖書に出てくる約束の地」ってすぐに解説出来ます?!その割に雑誌VERYの内容に笑ってしまうあたりがチャーミングで(笑)。
内容的にドイツや欧州賛美にならないよう気を配っている内容ではありましたが、やはり、フィンランドやドイツでは教育の目標として、全ての子どもに教育を与え、収入を得られる仕事につき、税金を納めてくれるような人材を育てるというところが明確であると述べられていました。
また続編の本が出たら読みたいです。
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Posted by ブクログ
ドイツの○○は素晴らしい、それに比べて日本は、、、
というドイツ礼賛(らいさん)の発言をしばしば耳にします。
教育や環境問題や働き方や政治の在り方など、日本の抱えている問題に何か意見したい時に、
ドイツでできているのだから日本でもできるでしょ。と主張するための根拠にしているわけです。
「必要以上にドイツを褒めちぎることは、ドイツの正しい理解に繋がらない。」
「日本のマスコミは都合のいい部分しか報道していない。」
と、ありのままのドイツを知って欲しいと思っているのが、マライ・メントラインさん。
池上さんと増田さんは、マライさんに何を語らせるかのネタ振り役だと思って読みました。
実はこういうことだとの説明がいろいろとありました。
そのうちの幾つかを簡単に紹介しておきます。
メルケルさんは、東日本大震災で起きた福島の原発事故を教訓にしてドイツでの脱原発を決めたみたいに日本では報じられています。
実は、チェルノブイリの放射能がドイツにも汚染問題を作っており、脱原発と福島はあまり関係はなく、2000年くらいからその方針だった。
メルケルさんはむしろ原発利用の延命策を打ち出していたが、その矢先に福島で原発事故が起こり、早期の脱原発へと舵を切り直すはめになったのだと。
教育では、評価するのに、テスト結果3割、日常の授業7割くらいの比重らしい。
日本だとほぼテスト結果だけで評価されるので何故?と思いました。
ドイツではテストは論述なので、先生の思想や好き嫌いに左右されるという親からの批判があるのだそうです。
だから、授業での発言内容や課題に取り組む姿勢を評価ポイントにせざるを得なくなっています。
マライさんが驚いたというのが、日本のマークシート方式で採点するテスト。「問題の答えが書いてある。ドイツでは考えられない!」
自分の描いた文章が中学の国語のテストに使われていたことがあるそうだ。
この時の筆者の気持ちを問うのに5択で回答を選ぶ。マライさん自身の答えは2と3の間くらいかな?だったと。
ドイツは難民を大量に受け入れていますが、それが問題だとし、難民を入れるなと強く主張していた政治グループがあります。
ところが、コロナによる人々の移動制限により、自ら何もしないうちに実現してしまったので、新しい主張を作らざるを得なくなりました。
それが「反マスク」運動。コロナ禍の最中になのに?と日本だと受け入れられない主張です。
これも、"ナチスは緊急事態宣言を出して国民の自由な権利をどんどん奪っていった"、という日本には分からないドイツならではの闇の背景があるためだそうです。
ドイツでは歴史でナチスを必ず取り上げ、皆で議論し、反面教師としているそうです。
だから、コロナ禍でも「反マスク」運動容認となるのに納得いかない面もありますが、、、
日本では現代史はほとんどやらず「あとは教科書を読んでおいて!」で済ましてしまうのとは大違いですね。
国境を9か国に囲まれているドイツでは、地政学的条件を加味した近隣諸国との関係を維持するのも大変です。
そして、今のドイツは西と東が統一されて成っています。
ドイツ国民は「どうしてこれが必要なのか」を論理的に説明し実践する政治家を選び、難しい問題を克服してきました。
マライさん曰く、
日本人は「国が決めた」から仕方がないとあきらめムードに入ってしまう。
何かを決めるのは"国"ではなく、その時の"政府"。
その"政府"を変えることができるのは国民。
賛成するのも反対するのも人間(国民)の役割だと思う。
日本人は政治に無関心で役割を果たしていない、と言われています。
もうすぐ衆院選がありますが、日本国民はどういう意志表示をするのでしょうか? -
Posted by ブクログ
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