アリス・フィーニーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
嘘と隠し事のてんこ盛り。彼と彼女にこれから何が起こるのか…これぞサスペンス #彼と彼女の衝撃の瞬間
■あらすじ
イギリス郊外の森で、女性が殺される事件が発生した。TVニュースの女性記者であったアナは、事件の取材で犯行現場に向かっていた。
一方、地元警察のジャックは、森で捜査の陣頭指揮をとる。彼は殺害された女性を見て思った。昨晩一緒にいた女だと…
■きっと読みたくなるレビュー
これぞ怒濤のサスペンス!面白いっ
次々と展開される場面描写が面白くて、どうやっていくのか気になる気になる。各章の最後の一文で、えっ?!といった、読者を決して休ませてくれない書きぶりが見事!
主人公二人の嘘と隠し事が読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『彼と彼女の衝撃の瞬間』のアリス・フィーニーの最新作(といっても昨年7月刊行ですが)。
今回も”彼”(相貌失認という障がいを持ち、顔を見てもそれが誰かわからないアダム)と”彼女”(その妻アメリア)+1(謎の女ロビン)の交互モノローグで展開されていく緊迫感溢れるサスペンス。
ただ、今回序盤は事件らしい事件は起きない。
結婚生活に行き詰まりを感じている2人は、何とかその閉塞感を打ち砕こうと”彼女”の職場のクリスマスくじで当たった週末の旅行に繰り出し、そこで見舞われる災難(吹雪、やっと辿り着いたチャペルを改装したと思われるうすら寒い宿泊施設、そこで起きる不気味な事象の数々)が展開されていく。
間 -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼(ロンドンから車で2時間の英国の典型的な町、ブラックダウンのジャック警部)と彼女(幸運が重なりBBCキャスターの座を手にしていたが、産休明けの正職復帰により一夜にしてリポーターへ格下げされたアナ)+1の交互モノローグが織りなすページ捲りが止まらなくなる秀作サスペンス。
彼と彼女のルーツとなっているスモールタウン、ブラックダウンの町で起きた連続殺人事件。
最初の被害者はレイチェル・ホプキンズ、昨夜の彼の密会相手、かつ彼女の学生時代のクラスメイト。
のっけからのっぴきらない状況に陥る彼だが、次々に起きる不可解な状況、秘密を匂わせる意味深なモノローグがぐさぐさ刺さってきて緊迫感がたまらない。
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Posted by ブクログ
巧いなー
この字の巧い
とっても巧いと思いました
4つの視点で少しずつ進む物語
少しずつ明かされる物語
そして驚きをもってひとつ明かされると
空いた場所に新たな謎が埋め込まれる
伏線は回収されても全くスッキリさせてくれない
相貌失認症がギミックとしてすごい生かされてる
文章で構築される隠された世界にさらに相貌失認症を加えることで二重三重の目眩ましになっている
もう匠の技をしっかりと堪能させて頂きました
でもこれサスペンスなんだよねー
気付いたんだけど自分そこまでサスペンス好きじゃないみたい
この匠の技がミステリーとしてちゃんと昇華してたら文句なく★5だったんだけど
面白いよりも巧いが先 -
Posted by ブクログ
実に面白いミステリーでたいへん満足した。フィニーは"twisty, turny books"が好みだと言っているそうだが、本書はツイストがひじょうに利いていてジェットコースター・ライドが楽しめる一級のエンタメになっている。
だいたいは当てにならない帯(宣伝文句)だが、本書の「驚異の一気読み、驚愕のどんでん返し!」は正にその通り。
以下、少しネタバレになるので未読の方はスルーを。
p.66にアメリアが「10年という時間は顔が記憶に残らない相手と結婚を続けるのには長過ぎる」と言っており、読み返した際に、『これっておかしいよな!』と思った(アメリアはアダムと結婚して2年しか -
Posted by ブクログ
「彼」と「彼女」のふたつの視点で、ひとつの真実を描いていくミステリなのですが、テンポ良く意外性がぽんぽんと次から次に暴かれていくので、結構なボリュームながらも小気味いい感覚で読み通せました。
その意外性の見せ方が、切り替わる視点のタイミングで伏せていた手札をくるっと裏返すような何気なさ、さりげなさで「え、そうだったっけ?」という事実がひとつひとつ示されていくので、読み手を飽きさせない。次の「彼/彼女」の視点にすぐ進みたくなります。
その上中盤からは一気に事件がきな臭くなり、目まぐるしく状況が判明していって、そして、ミステリの醍醐味がものの見事に現れてくれます。なるほどそう来たかと。多少力業