ビルゲイツのレビュー一覧
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気温1.5℃上昇で、気候大災害となる。あらゆるカーボンニュートラルの方策を行う必要があり、著者が投資しつつ行動していることについて解説されている。いろいろな環境本が存在するが、自分事で実践している人が、根拠を示しつつわかりやすく簡潔に述べている上で、最も納得しやすい内容になっている。
巷では、自らの金儲けの手段として世間を誘導しているかの如く囁かれてもいるが、賢明な読者であればそうではないことにも気づくはず。
貧困国の犠牲の上に成り立ってきた経済成長、そして気候変動によって大きな被害を受けるのも貧困国であることも説かれている。故に、温暖化の影響適応できるように支援を受けて然るべきと主張されているところは共感できる。ビジネスの視点で技術で克服する可能性を試みている、彼氏かできないことでもあり、それを企業や産業が今後の世界経済を牽引することで達成すべきとも主張。それを政策でもカバーするという言わば「市場・経済・政策」はネットゼロ必達のためのひかれなかればならない3つのレバーであるとビジネスの経験を通じて説明している。
今、日本でも自然環境保護と地球環境保全がぶつかり合う場面が少なからずみられ始めているが、国民や政府が、きちんとした理解で臨まないと、日本だけ世界から批判されることになりかねないと感じます。動植物や森林の保護と自然・再生可能エネルギーの普及面で、環境と経済のバランスを取りつつ、日本国内で最低限の何をする必要があるのかを関係性を持って政策、施策を定めなければならないと強く感じました。国民、民間任せではロスが大きく、結果、達成できず、地球環境の保全はおろか、人類が生きていけなくなることを自覚した。 -
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ネタバレすごく面白かった。温室効果ガスの排出を510億から0にしなければならない理由、現状の問題の細分化が簡潔にまとめられていた印象。
具体的な行動も第11章以降で述べられている。
第11章 ゼロ達成に向けた計画
イノベーションの供給を増やす
[1] これからの10年で、クリーン・エネルギーと気候関係の研究開発予算を五倍にする。
必要な技術
炭素を排出せずに生産される水素
フルシーズンもつグリッドスケールの電力貯蔵
電気燃料
次世代バイオ燃料
炭素ゼロのセメント
炭素ゼロの鋼鉄
植物由来や細胞由来の肉や乳製品
炭素ゼロの肥料
次世代核分裂
Fガスを含まない冷媒
核融合
炭素回収(直接空気回収と局所的な回収)
地下送電
炭素ゼロのプラスティック
地熱エネルギー
揚水発電
蓄熱
干魃や洪水に強い食用作物
炭素ゼロのパーム油の代替物
[2] 高リスク高リターンの研究開発プロジェクトに、より多くの資金を投じる。
[3] 研究開発を最大のニーズとマッチさせる。
[4] はじめから産業界と協働する。
イノベーションの需要に弾みをつける
購買力を行使する。
コストを下げてリスクを減らすインセンティブをつくる。
新技術を市場の送るインフラをつくる。
新技術がほかと競合できるようにルールを変える。
炭素に値段をつけるカーボン・プライシング。
グリーン電力基準。
グリーン燃料基準。
クリーン製品基準。
古いものを追い出す。
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ビルゲイツが気候変動に対してとても勉強して、活動していることがわかった。技術の知識がバックグラウンドにあるので、数値やファクトに基づく記述が多くとても分かりやすかった。年間の温室効果ガス排出量を510億トンと明記し、排出元を割合で示していたのは、目標達成に向けたイメージが湧き良かった。グリーンプレミアムという、環境に配慮した製品とそうでない製品の価格の差をどう埋めるかに、技術革新や政策、市場の変化が大切と考えるなど、技術革新だけでなく、政策や市場といった社会の仕組みのイノベーションも大切だと改めて思った。政策や市場のイノベーションをどのように起こすか、ファクトから課題を探し、どのような解決策があるか考えていきたい。
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世界の大気中に増える温室効果ガスは毎年510億トンに上る、その内訳は発電27%、製造(鉄鋼やセメント等)31%、農牧業(家畜や肥料)19%、移動(乗用車、トラック・トレーラー、飛行機、船)16%、冷暖房7%、これは世界的な統計ですが米国だと移動の比率が第一位となっていて、概ね先進国はその傾向が強いとのことです。地球温暖化・温室効果ガスの話では、発電と自動車が主にネタとなりますが、全てのケースを洗い出して論を進めるところが元プログラマーらしい現状分析です。
著者は元々サハラ以南の貧しいアフリカに心を痛めていて、この地域の電気が使えない6億人に電気を提供しようとしている中で、気候学者と話をすることがあり、この問題に目覚めたようです。著者の元々の活動は私も知っていて、以前はアフリカにもWindows売りたいのだと思っていましたが、この本を通して慈善家としてのビルゲイツ氏を少し分かった気がします。
著者の主張する2050年二酸化炭素排出ゼロに向けては、製造や農牧業に関しては大きな技術革新がないと難しそうなので、先ずは自動車と発電の二酸化炭素ゼロ化が急務です。
山林を切り倒して太陽光発電のパネルを設置するなどは本末転倒になるので、国土の狭い日本だと洋上風力が有望そうです。また、EUも認めたように原子力発電止む無しなのかもしれませんが、従来型の核分裂方式とは違った核融合方式に希望が見出せます。自動車(特に乗用車)は公共の交通機関の利用を推進して、必要最小限のEVそして自動運転に収斂していくのが望ましいですね。 -
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気候変動という大きな問題に対するアプローチ、思考の手順が参考になる。
人類の進歩は素晴らしいという前提で、しかしマイナスの面もあることを認め、だからといって進歩を否定せず、解決策を考える姿勢に共感。
【前提】
◯目標
1気候大災害を防ぐには、ゼロを達成しなければならない
2太陽光や風力といったすでにある手段を、もっと早く効果的に展開する必要がある
3目標達成を可能にするブレークスルーを生み出し展開しなければならない
◯基本の数字(問題を数値化・具体化、前提理解)
・温室効果ガス年間排出量:510億トン(うちCO2は370億トン、炭素換算100億トン)
・2020年下半期の石油平均価格:1ガロン(約3.8リットル)あたり1ドル
※1バレル(42ガロン)42ドル
※石油日消費量40億ガロン → 安価、大量
・過去のエネルギー移行期間:30〜70年 → 時間を要する
◯思考ロジック(問い立て)
1 510億トンのうちどれだけか
・ゼロにするという第一の目標と結びつけてすべてを考える
・ある取組は意味ある削減量なのか。すなわち、増える見込みなのか変わらないのか
・将来的に、最低でも年間5億トン(世界の排出量の1%)を削減できる技術に資金提供する
2セメントはどうするつもりか
・温室効果ガスが排出される5つの異なる活動すべてに解決策が必要であることを心に留めておく
3どれだけの電力なのか(電源設備容量)
・世界:5000ギガワット
・アメリカ:1000ギガワット(日本:250ギガワット)
・中規模都市:1ギガワット
・小さな町村:1メガワット
・平均的なアメリカ家庭:1キロワット
※ただし、太陽光などは稼働率30%程度を考慮
4どれだけの空間が必要か
※本書の数値は正しくない可能性があるが、化石燃料>原子力>太陽光>水力>風力>バイオマス 程度を押さえておく
※参考:太陽光1kWに必要な面積15m2
5費用はいくらかかるのか
・グリーン・プレミアム(GP):化石燃料に比べて追加でかかる非有用
・GPが低いか全くないもの:今すぐ展開すべき。制度等のコスト以外の障壁を取り除く
・高いもの:技術開発等に投資を集中
【GHGを排出する5つの活動】
1電気を使う:27%
・アメリカでのGP:1.3~1.7セント/kWh(15%増)
※ アメリカ平均家庭電力消費量:29kWh/日
・バッテリー1kWh1、1000サイクル、100ドル
夜間電力コストは日中の約3倍
冬季電力コストはさらに大きい
発電容量を未だかつてない量確保する必要がある
2ものをつくる:31%
・鋼鉄:加熱還元、原材料としての炭素添加。50億トン、鋼鉄1トン製造に1.8トンCO2排出。GP16-29%
・コンクリート(セメント):原材料としてのカルシウムを取り出すための石灰石からのCO2排出。40億トン、1体1で排出。GP75-140%
・プラスチック:焼却・分解時にCO2排出。長期間固定。GP9-15%
①可能な限り全ての工程を電化する
②脱炭素化された電力網からその電気を獲得する
③残った排出分には炭素回収を用いる
④資材をもっと効率的に利用する
3ものを育てる:19%
・メタンのCO2比温室効果は28倍、NO265倍
・家畜腸内発酵:20億トン、3-ニトロオキシプロパノールによりメタン排出30%削減
・肥料による温室効果ガス:13億トン、半分以上は地下水や地表水に流出して汚染、NOとして空気中に漏出
・森林破壊
※植林の効果は限定的(1本の木が一生に吸収するCO2は5トン、焼却すると放出、植林しなかった際の土地利用)
4移動する:16%
・長距離、大型、高出力はバッテリーは不可
・バッテリー、次世代バイオ燃料、電気燃料(水素)
5冷やしたり暖めたりする:7%
・エアコン:2050年までに冷却のためのエネルギー需要は3倍
・現在購入されている典型的なエアコンは再高性能機種の1/3の効率
・ヒートポンプはアメリカでは11%しか普及していない
→既存の技術で大幅改善が可能。規制の問題
・フロンガス対策
・暖房については脱炭素化に向けては次世代バイオ燃料等のイノベーションが必要
【政府が目指すべき7つの目標】
1投資のギャップに注意する
・エネルギー産業は規制された資本集約型産業
・収入の0.3%程度しか研究開発に使われない
・利益が得られる見込みがなく民間セクターが投資しない研究開発に資金を投じる
2競争の場を公平にする
・グリーン・プレミアムをゼロにするには炭素を排出するものを高くする方法も(政策のイノベーション)
3市場以外の障壁を乗り越える
・例えば大家が建物設備を効率性の高いものに変えないのはエネルギー料金支払いが自分でないため
・インセンティブの適正化
4最先端の技術を反映させる
5公正な移行を計画する
6困難な課題にも取り組む
・蓄電、クリーンな燃料、セメント、鋼鉄、肥料など
7技術、政策、市場に同時に働きかける
・イノベーションを後押しし、新しい企業を誕生させて、新製品を早く市場に送り込むには3つを同時に動く仕組みが必要
【ゼロ達成に向けた計画】
・2030年までに排出を少し削減するためにすべことと、2050年までにゼロを達成することは根本的に違う(目先の削減のためにロックインされる取組もあることに注意)
・2030年の目標は2050年ゼロ実現の通過地点でなければならないことを意識 -
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気候変動に関する本。ビル・ゲイツ著。
現在の温室効果ガスによる気候変動が、地球の規模で非常に大きな問題であることが改めてわかった。
温室効果ガスの削減に向けて、技術的な観点での様々なアプローチが、本書の中で紹介されている。気候変動は政治的な側面で捉えられるケースがよくあるが、それとは切り離し、テクノロジーによる解決策にフォーカスを当てている。エネルギーの生産・消費の仕方、農業、ロジスティクス、工業など、各分野における最新技術やイノベーションが非常に興味深く、研究開発を支援する財団の貢献もよくわかる。今後にむけて、個人レベルから国家レベルへの提案も示されており、各所で策定されるポリシーや戦略に影響を与えそうである。 -
Posted by ブクログ
著者の書いた本を読んだことがないと思い探していたら、専門分野と異なる地球環境について書かれているものを見つけたため読みました。
内容は、気候災害を防ぐために著者が各分野の専門家の話を聞き、環境保全の目標となる具体的な数字や方策や現時点での分野ごとの現況、政府視点の提案、市民視点の提案と非常にボリュームがあり読み応えのあるものでした。
日本でも気候変動の影響は、酷暑日、ゲリラ豪雨の増加などよく感じられるようになってきた。
ニュースなどでもよく取り上げられる。
しかし、国として気候変動に対して何をしているのかはあまり報道されていない。
日本には、気候変動に対応できる様々な技術を持っている。個人消費ばかりの施策ではなく、この素晴らしい技術に光があたり、世界に広がるっていく施策をもっと実行してほしいものです。
キーワード
510億トンのCO2
ものをつくる31%
電気を使う27%
もの(植物、動物)を育てる19%
移動する(飛行機、トラック、貨物船)16%
空調(暖房、冷蔵、お風呂)7%
必要な電力
世界 5,000ギガワット
アメリカ 1,000ギガワット
東京 23ギガワット 多い時50ギガワット
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Posted by ブクログ
地球の未来を想ってくれる力のある人がいることのありがたさを感じた。
日本の企業の多くはサラリーマン社長なので、環境のためという使命感で会社を動かすことは難しいと思う。脱炭素が単なる数値目標になってしまっているようで残念。社員もその重要性を理解し、自社の取り組みに誇りを持てると良い。CO2排出量〇%削減、といっても、その数的効果を実感するのは難しい。実感のない取組に熱をもって取り組むのは難しい。正しい知識と危機感があると、その数値の重要性が掴めるのだと思う。彼はそれをしている。
脱炭素を謳う一方で、自身が炭素排出量の多い生活をしていることに葛藤がある。この点については、脱炭素に向けた働きかけを行うことで、削減が排出を補っていると考えている。といった記載があった。自身を客観視しつつ、ポジティブな面を見出して原動力にしていくことの重要性を感じた。脱炭素のトピックに関わらず、自身が何かを実行しようとすると、無駄に自分を客観視したつもりで卑下して行動を止めてしまうことがあるから。
干ばつ洪水
DAC炭素吸引
グリーンプレミアム、 -
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ネタバレ地球温暖化に疑いの余地はない。国連の報告書でもこの事実が確認される。
CO2の世界の排出量は年間で510億トンでこれを2050年までに0にする必要がある
内訳は電気を使う27パー、ものをつくる31ぱー、ものを育てる19ぱー、移動する16パー、冷やす暖める7パー。
電気をつかう:現在世界の3分の2が化石燃料。
太陽光や風力は間欠的エネルギーだが電気は常に必要。再エネを普及させると間欠性の問題が大きくなるため、安価なバッテリーの開発や他のエネルギー源が必要。原子力は有効な手段。
ものをつくる:コンクリートや鋼鉄を作る際、炭素を結合する過程でCO2が発生する。
工程の電化、炭素回収、効率的な資材活用が必要。
貧困国の人々がより良い暮らしをできるように、エネルギー使用量は増やすべきで経済成長を止めるべきではない。そのエネルギーがクリーンなものである必要がある。
気候変動の被害は貧困国である。農業が主要産業であるため。気候変動の原因になることをほとんどしていないのにその影響を受けることとなるため、最も貧しい人たちを救うためにもゼロを達成する必要がある。
ゼロ達成は慈善事業ではない。新しい技術でブレークスルーを起こし、産業を生み出すことで、雇用創出と排出削減の両方が実現できる。
そのために、グリーンプレミアム(既存技術と新技術のコスト差)を小さくする必要がある。市場原理、経済合理性から。
それには必ず政策として取り組む必要がある。民間だけでは研究開発にコストがかかりそのリスクをとれない。
また、2030年ではなく、2050年ゼロをゴールにして取り組みを進めるべき。例えば石炭火力発電から石油火力発電に更新したら2030年は達成できても、耐用年数を考えるとその時点で2050年の達成は難しくなってしまう。 -
Posted by ブクログ
ビル・ゲイツさんは本気で地球を救おうとしている。迫り来る気候変動、地球温暖化という人類の問題について書かれた一見難しそうな内容。それがこの本では我々一般市民が理解できるレベルにまで分解して、シンプルな言葉で分かりやすく説明してくれている。ゲイツさんが如何に頭脳明晰で、説明上手な人なのかを思い知らされる。
地球温暖化に歯止めをかけるには、温室効果ガスの排出をゼロにしなければいけない。そのために各国、そして我々がすべきことは何か。ゲイツさんが歳月をかけて学び蓄積した知識を、わずか二千円弱で読めるなんて凄いことだと改めて思う。
アメリカ、日本、中国など高・中所得国の話ばかりではなく、低所得国に重きを置いている点には驚かされた。例えば炭素税を導入するという例で、「低所得国からの製品は大目に見る必要がある。低所得国の優先事項は経済成長をすすめることであって、すでに非常に低い炭素排出を削減することではないからだ。」とゲイツさんは述べている。各国で同じ数値を目指すことを平等とするのではなく、それぞれの国の状況に応じた処置を行い、あくまでも地球全体で発展しながら温室効果ガスの排出をゼロにするという目標に向かう姿勢などは読んでいて感銘を受ける。
ただ、ある程度発展した社会の仕組みの中に、炭素排出をゼロにするための変更を途中から組み込むのは難しいと痛感した。初めから炭素排出がゼロのシステムを組み込んだ上で社会を作れたならよかったが、今となっては関係各所への利害が複雑に絡みすぎており、その時々のお金さえあれば解決できるというレベルの問題ではなくなってきている。
でもたしかにお金は必要で、ゲイツさんが莫大な資金を投入して企業や研究を支えてくれているのはありがたいと読みながら思った。本当は各国の政府が率先して大金を注ぎ込むべきなのだろうが…「技術、政策、市場に同時に働きかける」「3つが同じタイミングで同じ方向を向いていないといけない」というゲイツさんの考えに同意するし、各国で取り組んでほしいと心から願う。
気候変動をめぐる議論は二極化しており、矛盾や混乱を招く話が多い。そんななか、炭素排出ゼロ達成に向けて現実的で具体的な計画を議論の中心に据えるべく、我々一般市民が気候変動に関する会話を増やすきっかけをつくりたいという思いで本書は書かれたそう。ゲイツさんの凄さもさることながら、地球が今抱えている問題について深く真剣に知ることができる良書。