松島芳彦のレビュー一覧
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【これは本書の結論でもある。プーチンが次第に正気を取り戻し、西側との融和を模索するだろうという期待を持つことは、もうできない。だからロシアと西側の融合という事業の終結を宣言したのだ】(文中より引用)
若い頃からロシア(当時はソ連)に親しみ、オバマ政権において駐ロシア大使を務めた人物の回顧録。米露関係の「リセット」を掲げた試みは、いかにして著者自身が認めるように「失敗」に終わることになってしまったのか。著者は、プーチン大統領から蛇蝎のごとく嫌われたマイケル・マクフォール。訳者は、ロシア関係の翻訳も多い松島芳彦。原題は、『From Cold War to Hot Peace: The Insid -
Posted by ブクログ
本書はスターリンの読書家としての一面に光を当てている。スターリンの蔵書は二万五千冊にも及び、彼の知識欲と活字への崇拝は並々ならぬものがあったらしい。そして、その膨大な蔵書に残された書き込みからスターリンの内面に踏み込んでいる。
しかし、スターリンの精神を覗くために、なぜそんな面倒な手続きをする必要があるのか?
それは、スターリンが自分について語らないからだ。政治家というのは自分の話ばかりしたがる人々である。しかしスターリンは自伝も日記も回想録も残さなかった。本書でも触れられているとおり、自分について語る言葉に対して非常に禁欲的で、その結果、意外とスターリンのまともな評伝はないのである。
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Posted by ブクログ
1986年4月26日の未明に起きたチェルノブイリ原発事故について、事故の遠因、事故時の現場の対応、その後の対応や被害、さらには事故が社会に及ぼした影響まで様々な側面から記載されている。当時の原発職員、消防士、兵士などが放射能の危険を知ってか知らずか、結果的に大量被ばくになるのを顧みずに事故対応に当たったことと、旧ソ連の秘密主義的な対応により住民避難が遅れたことが印象的。
奇しくも事故日直前から読み始め、4月26日に行われた現地の追悼式典をニュースで見ることになった。それにしても、ウクライナはロシアの侵攻を受け、チェルノブイリ原発も攻撃を受けるなど、原発事故の悲惨な結果を忘れたかのようなことが行