島口大樹のレビュー一覧

  • 鳥がぼくらは祈り、

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    青春小説の
    新領域。
    文体が暴れまわる。

    「オン・ザ・プラネット」で芥川賞候補の新星
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    個人的にはとても好みでした。
    たぶん20代で読んでたら、
    もっと好きになってたと思います。笑

    日本一暑い熊谷に住む高校生4人。

    短い本なんですが、そのなかにむわっとするような暑さとか空気とか閉塞感とか、とにかくぎゅっと詰まってます。

    行き止まりの先に行こうとするというか。

    通勤電車の中で読み終えたのですが、
    あまりにも良くて、
    変なテンションのまま職場に行きまし

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    2025年12月23日
  • 遠い指先が触れて

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    ネタバレ

    極めて難解だった。
    そして面白かった。読んだタイミングが良かった。
    初めて読んだ作家だったが、まさかこれほどまでに素晴らしいものとは思っていなかった。ぜひ芥川賞を獲ってほしい。
    文体は確かに特異なのだが、それよりも表現の、特に比喩の美しさが僕は好みだった。
    苦しい小説だった。
    ひとつになる瞬間がたしかにあった(p.68)ことが、この二者の主観が描かれる文体により明確になっている。だからこそラストにかけての苦しさはより大きなものになっている。
    ただ一志の一人称のみから描かれていれば、杏さんへ怒りが湧いてしまうようになっていたと思うが、この書き方だとひたすら苦しい。
    答えは出ていない。僕も考えてい

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    2025年10月24日
  • 遠い指先が触れて

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    ネタバレ

    久しぶりにこんなに良い本が読めた、凄かった
    素敵な言い回し(何回読んでも理解できない表現もあったけど)がたくさんあって全体的にお洒落だったし、
    一文のうちに語り手が代わるのも、読んでいて心地よかった。
    記憶を見てからの鬱展開に自分もかなりショック受けてしまった、、
    一志のそれからを、ふとした時に度々考えてしまうと思う
    心に残る作品だった。

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    2024年03月18日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    過去は現在に追い付かない、が、ぼくらの言語の温度はその限りではない。現在は未来に追い付かない、が、ぼくらの言語の速度はその限りではない。

    与えられる言語と与える言語、その影響力と可能性を考える。そして忘れない、のではなく、忘れないようにする。

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    2026年01月08日
  • ソロ・エコー

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    目の前にある世界は、自分に関係なく存在する。
    けど自分が感じる世界と、その背景を知ったのちに感じる世界はすべて異なるものだろう。
    認識された対象、そも認識し認識されるということはどういう意味を持つのか? 一人よがりと言えばそれまでだけど、そういった思いが人を支えているんだよね。

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    2025年09月20日
  • 若き見知らぬ者たち

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    本作は映画監督内山拓也氏が原案・脚本をも手がけた映画『若き見知らぬ者たち』の小説版として、島口大樹氏が書き下ろしている。



    〝この世のあらゆる暴力から、自分の範囲を守るんだよ〟主人公のひとり彩人が父からかけられたこの言葉が、この物語の底を流れているかと思います。

    ヤングケアラーと格闘技を軸に
    やり切れなさがクローズアップされます。
    派手さはないにしろ
    心にグサリとくるものがあります。



    映画もお勧めします

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    2025年02月11日
  • 若き見知らぬ者たち

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    映画を観た後に読んだ。
    「この世のあらゆる暴力から、自分の範囲を守るんだよ」、「みんな表現者なんだよ」。
    やっぱり台詞がかっこよくて惹かれる。
    映画が余白多めだったのと対照的に、こっちはかなり細かく描写されてる。書き手の癖もあるけど。
    彩人と日向の馴れ初めとか、治虫の心情とか。
    大いなる喪失を抱えた機能不全の家族なんだけど、全員が背負って、向き合って、闘っている。
    前頭側頭葉変性症の母親の症状を、過去をまだ見ているのだという風に表現していたのが気に入った。
    不条理の中でも幸せだった過去は変わらない訳で。
    風間家の原風景とも言える、庭での兄弟と父親でのミット打ちの風景が何度も家族を繋いでいる。

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    2024年11月02日
  • 若き見知らぬ者たち

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    映画を観る予定なので読みました
    映画が楽しみです

    追記
    映画、観てきました
    磯村勇斗の疲れ果てた顔がなかなかよかったです

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    2024年10月21日
  • 遠い指先が触れて

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    児童養護施設で育った2人が再会し、失った記憶を取り戻そうとする。
    視点人物が移り変わり、主語が変わる。それは2人の人が一つに溶け込んでいくような、2人の関係性が密になっていくのを表しているようにも感じる。
    そして、2人が兄弟であったことが過去の記憶を知ることにより判明する。
    そこまでは2人が1人であったような文体から、関係性はより強固な血縁の繋がりがあるのだとわかったのにも関わらず、2人が離れていく様が文体からも伝わる。
    そして、最後の場面。
    お世話になっていた児童養護施設長の言葉。
    「あんまり覚えてねえんだけどなあ、お前さんがそう言ってくれるなら嬉しいこっだな」
    記憶にこだわる登場人物とは、

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    2024年08月18日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    流れていく感情、心が今まさに言葉になる瞬間を捉えようとする詩だった。
    私は小説に新しい表現をあまり求めないので、この作品が現代的なもので、新しい普遍になっていくものなのかもしれないと思いつつ、気持ちをくっきり描き出すこれまでの小説の方が好ましいと思った。

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    2024年06月14日
  • 遠い指先が触れて

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    ここで展開される視点の切り替え方は斬新だ。
    章ごとに語り手が切り替わるのはよくある手法だけど、この作品では同一の文章内でも切り替わる。
    これにより自我と自我を認識する自分、自分の自我に気づいているであろう相手の意識が溶け合っていく。
    新しい才能だ。

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    2023年01月29日
  • 遠い指先が触れて

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    ネタバレ

    混じり合いの文章は意外に、さほど違和感なく良かった。

    展開的には何となく読めるので、早く、早くと読み進めたくなる。

    だからだろうか、終わり方が消化不良だった。
    純文学はそういうものなのかもしれない。

    けれど個人的には、何らかの希望が見えたり
    一応のおさまりがついている小説が好きだ。

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    2022年10月02日
  • オン・ザ・プラネット

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    この作家は何度も記憶について書いていて、そこには記憶することに対する疑い、真実を見失ってしまうことへの無力感が現れていて、それはとても共感できる。記憶だけにとどまらず、言語やコミュニケーション、知覚、認識をも疑ってしまう。
    事実を認識するなんていうことはできないという割り切りは、今作では最後の方で、それでもまあ仕方がない、というかむしろ書かれたことはそれはそれとして事実であるという形で、結論ではないのだけれど前を向くというその方向性は開かれていて、好感が持てた。

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    2026年01月21日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    ネタバレ

    難しい。だがしかし面白い。
    詩的で私的な文章。そのすべてを拾えてはいない。
    だがここに敷かれている雰囲気は儚くも美しい青春の一回性を孕んでいる。
    僕が生きる今は、過去から連続していて未来に繋がっている。しかし僕が生きているのは確実に、今だけ、なのである。

    98 どこに向かうか誰が何をするかわからない常に惑い揺れ動く今を抱えた人間が交差し交錯して織りなす綱渡りが延々と繰り返される日常のワンシーン、その都度奇跡的でだからこそ危険性を孕む一回性。その先が見えなくとも暗闇の中で不安定な綱の上を歩く、歩こうとする一瞬のことを、高島は臨場感、すなわち、今って感じ、と呼んだ。

    100 認めてあげない

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    2025年10月28日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    熊谷の四人の男子高校生。彼らはみな父親との不幸な関係をもち、お互いの傷をなめ合うように、時には傷つけあいながら生きていく姿が描かれています。僕のホームビデオや高島の撮る映像を通してみる過去、今の自己と未来の姿といった時間軸の対比を語る彼らの表現は難しい言い回しで読解できないところも。随所に表現されるそれは高校生らしからぬ不自然な違和感を感じ、登場する四人は似た境遇設定のためか没個性で、彼らは一様で一律に感じてしまいました。

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    2025年10月18日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    それぞれの孤独を抱える青年たちが、互いに支え合い繋がり続けていることを強く感じた。
    作中で幾度も登場する紐帯という言葉には、青年4人の心の支えとしての互いの関係性を上手く表現されていた。決して真面目とはいえない4人であるからこそ、心に秘める闇の部分に問題性を抱けたし、愛としての友情の存在に気付かされた。
    それぞれに家庭事情があって、家庭を恨む気持ちを抱えつつそれを是認しともに生きて行くことを選んだ点には感動した。
    過去は忘れてもいいが、忘れようとしてはいけないという言葉は刺さった

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    2025年09月30日
  • 鳥がぼくらは祈り、

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    いまリアルタイムな現在の文学の立ち姿として、過去の小説群とは綺麗さっぱり切れており、すがすがしい。

    映像的、切り抜き動画的かなと印象付けられるブツ切りの文章を投げつけられて正直なところひるむのだが、読み通してみると、さながら古典的小説群が得意とするような、繊細な心理であるとか、地霊的呪縛とともに生きる人間像みたいなものまで差し出してくる逸品であることに気づく。いや読み終える前にその手ごたえは伝わる。

    続けて続作を追いかけてみたい。

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    2025年03月02日
  • 若き見知らぬ者たち

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    映画のために書き下ろされた、ということで映画を観る前に読んでみました。初めての作家さんでしたが場面の切り替え方や言葉の紡ぎ方が独特でとてもすき。他の作品も読みたくなってしまう。
    とはいえ、この作品は初っ端から最後まで暗く重く苦しく切ないことばかりしか起こらないので、絶望的な気持ちになってしまった。
    ただ誰にでも現実的に起こりうるリアリティが混ざっているので、簡単に客観視もできず、深く考えさせられることも多かったかな。
    日向の飄々とした姿が愛なのか諦めなのか優しさなのか、映画でどんな女性として登場するのかが楽しみ。

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    2024年10月09日
  • 遠い指先が触れて

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    ネタバレ

    ⚫︎感想
    ストーリーでは二人の記憶が一つに収束していき、描き方では「僕」と「私」の視点が混ざり合い一つに見えるようにも仕掛けてあって、文章でこういう試みができるんだなぁと思った。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    「一緒に、失くした記憶を探しに行こう」。彼女の言葉で、僕らの旅は始まった。
    過去を奪うものたちに抗い、ままならない現在を越えていく、〈愛と記憶〉をめぐる冒険。
    デビュー作『鳥がぼくらは祈り、』、芥川賞候補作『オン・ザ・プラネット』を超える、鮮烈な飛躍作!

    「ねえ、覚えてる?」--両親を知らずに育ち、就職した僕〈一志〉のもとに、見知らぬ女性が訪れる。
    〈杏〉と名乗る彼女は忘れていた

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    2024年02月27日
  • 遠い指先が触れて

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    ネタバレ

    人称が入れ替わる独特の文体なので、
    なんとなく、彼と彼女が溶け合うような感覚でふわふわと読んだ。

    小さな頃の記憶って、この物語のような外部要因がなくても
    親や親戚から聞いた(聞かされた)話のツギハギだったりするので、
    記憶の不思議さを感じる。

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    2023年08月01日