あらすじ
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
映画「若き見知らぬ者たち」
2024年10月公開予定
【出演】磯村勇斗×岸井ゆきの×福山翔大
【原案・脚本・監督】内山拓也
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
芥川賞候補「オン・ザ・プラネット」の著者が描き切る、鮮烈な人間ドラマ。
静かな怒りを、彩人は感じていた。
亡き父の借金。難病の母の介護。
先が見えない日々の中、昼も夜も働き続ける。
幾重もの困難に遭いながらも、弟や恋人、友人らの支えで、なんとか生活を送っていた。
だが、ある夜、思いもよらぬ暴力が降りかかる――。
目を背けたくなる痛みに対峙する、鮮烈な一作。〈文庫書下ろし〉
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本作は映画監督内山拓也氏が原案・脚本をも手がけた映画『若き見知らぬ者たち』の小説版として、島口大樹氏が書き下ろしている。
〝この世のあらゆる暴力から、自分の範囲を守るんだよ〟主人公のひとり彩人が父からかけられたこの言葉が、この物語の底を流れているかと思います。
ヤングケアラーと格闘技を軸に
やり切れなさがクローズアップされます。
派手さはないにしろ
心にグサリとくるものがあります。
映画もお勧めします
Posted by ブクログ
映画を観た後に読んだ。
「この世のあらゆる暴力から、自分の範囲を守るんだよ」、「みんな表現者なんだよ」。
やっぱり台詞がかっこよくて惹かれる。
映画が余白多めだったのと対照的に、こっちはかなり細かく描写されてる。書き手の癖もあるけど。
彩人と日向の馴れ初めとか、治虫の心情とか。
大いなる喪失を抱えた機能不全の家族なんだけど、全員が背負って、向き合って、闘っている。
前頭側頭葉変性症の母親の症状を、過去をまだ見ているのだという風に表現していたのが気に入った。
不条理の中でも幸せだった過去は変わらない訳で。
風間家の原風景とも言える、庭での兄弟と父親でのミット打ちの風景が何度も家族を繋いでいる。
重く苦しい展開が続くけれど、だからこそその全てを背負った終盤の闘いがどこまでも眩しくなる。