紀蔚然のレビュー一覧
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『おれは反社会的で、軽度の被害妄想と年を経るうちに追加された項目である神経症性障害、つまり、捷運(ジエユン)(都市高速鉄道MRT)のプラットフォームから突き落とされるのではないかという不安や、自転車で走ってるやつを歩道から突き落としたいという衝動などにも苦しんではいるが、今のところは、つまり、二〇一二年の七月現在という意味だが、俺はまだ生きているし、精神状態は安定している。』
p.10~p.11より
「台北プライベートアイ」の続編。
主人公は第一巻と同じ呉誠(ウーチェン)。彼は自分の心身の健康のために大学教授と劇作家という仕事を辞め、私立探偵へと転身した変わり者。
第一巻目から、「ライ -
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最高。楽しかった。呉誠と長い間一緒に捜査した気分。
インテリウーチェンのながーい御託を聞きながら、臥龍街に思いを馳せ、パニック障害に共感し、
わけのわからない事件に目を白黒させ…
パニック障害と付き合いながらなんとかやっているウーチェンの心理描写、台湾社会の鋭い観察、台湾人論もお見事。もちろん連続殺人鬼のねじれに捩れて暗く病みきった心理も!
コージーミステリーな要素も多分にあり、
事件は面白いし、とても好み。
将来、ウーチェンみたいな生活も悪くないかも。
台北が好きなのでタイトルでなんとなく手に取った本だったけど大正解。第二巻、早く文庫本求む!! -
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ネタバレ前作の内容をほとんど忘れたころになって読むことになった。複数の事件を並行して扱い、彼我の進展が交互に現れるおかげで、やきもきしながらテンポよく進んでいくという珍しくも楽しい体験ができた。主人のパニック発作の話もあり、彼自身もひとつの謎として展開を面白くしている。
他にも気持ちのいい登場人物が多いおかげで、読み進めるのが楽しかった。クライマックスの悪人対決は三頭の蛇などと述べられているが、高慢ながら同情の余地もある弁護士氏が生き残れたのは素直によかったと思う。
ところであとがきに「三作目は主人公をダークサイドに落とす」などと書かれていたのだが、なにそれこわい。 -
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★5 あの私立探偵が返ってきたよ! 高品質、超濃厚な探偵小説 #DV8 #台北プライベートアイ2
■あらすじ
元大学教授の私立探偵の呉誠は、前回の連続殺人事件の解決以降、台北の淡水に引越しをしていた。彼は淡水にあるバー「DV8」に通うようになっていた。
ある日、新人弁護士の安安から仕事の依頼を受ける。少女時代、ある事件に巻き込まれた際、助けてくれた少年を探してほしいというものだったのだが… 前作、台北プライベートアイに続く、シリーズ第二弾。
■きっと読みたくなるレビュー
★5 高品質な探偵小説、どなたでも安心して読める一冊ですね。台湾の街並みやそこに住む人間たちを味わいながら、ボリューム -
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ネタバレ2026年の1冊目は、紀蔚然の「DV8台北プライベートアイ2」です。長らく積読状態でしたが、年末年始の時間が有る今こそ、読み時と判断しました。ずっと読みたいと思っていた中の1冊です。
台湾発のネオハードボイルド・スリラーです。舞台は、台湾の淡水。主人公は、私立探偵の呉誠(ウー・チェン)です。呉誠は、鬱病とパニック障害を患っています。そして、鬱病とパニック障害が、事件解決の鍵を握っています。その為、呉誠の症状についてが、精神内の部分含めて、大きく割かれて描写されていますが、個人的には、ちょっと苦手でした。
事件の中にもう1つ事件が隠れていたという構図自体は、面白いと思いますが、一緒にまとめる必要 -
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劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。
にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。
監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は?
華文ミステリにも、少しずつ慣れてきた。文庫化されたので読んでみた -
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みなさま、ご無沙汰しております。しばし、漢字だらけの航路に出ておりました。
その航路の名は『DV8 台北プライベートアイ2』。台湾発の探偵小説『台北プライベートアイ』の続編でございます。
続編だからもう慣れたはず…と思われそうだが、今回も漢字の海にアップアップだった。
事件に次ぐ事件、その度に増える登場人物や重要ワード…。予感はしていたけど前作よりもページ数が増えていて、おまけに漢字を吸い込みすぎて腹パン…というのが正直な感想である。
「友だちになりたいわけではないが、人とつながっている感じは欲しい。もっと正確に言えば、おれは人類を憎んでいるが、人間を必要としているんだ」(P14)
主人