尾上定正のレビュー一覧
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外務省・国家安全保障局の戦略家の兼原氏が、陸海空の戦略家である、岩田元陸幕長、武居元海幕長、尾上元空自補給本部長が国防上の問題点について議論。
入口としての日本の戦略環境は真新しくはない議論だが、台湾危機への対応、朝鮮半島の核問題と核抑止の議論、科学技術と軍事研究の乖離の問題、総理への軍事情報のアクセスと総理の資質などの根深い問題について専門的議論を行っていて興味深い。
最後に、議論のまとめとして10の提言を出しているのは言いっぱなしでなく面白い。
1. 日米首脳会談で核問題を取り上げよ
2. 総理決裁の統合軍事戦略を策定し、防衛大綱を防衛戦略に格上げせよ
3. 台湾有事への対応を始めよ
4. 国の安全保障に科学技術予算を活用せよ
5. 国防の不可欠な機能として防衛産業を位置づけ、育成・活用戦略を策定せよ
6. 防衛大臣の下に装備開発委員会を設置せよ
7. 統合幕僚監部に統合司令官と常設統合司令部を設けよ
8. 自衛隊の軍令系の将を格上げして大将とせよ
9. 有事対応の民間サイバーセキュリティを強化せよ
10. 有事対応のシーレーン防護に取り組み、エネルギー安全保障を強化せよ
余談だが、陸海は元幕僚長で空はそうではない。でも、抑止論や航空戦略など専門知識の深い尾上さんの話は両幕僚長に負けず劣らず面白い。座長たる兼原氏の人選なのだろうが、好みや知己の問題であれば良いが、空自ではまともな人材が幕僚長にいないのか、或いはまともな人は幕僚長になれないのか、若干気になった。 -
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ネタバレ陸海空のそれぞれ最高階級の経験者の対談ということで、貴重な書籍となっている。
<おススメする人>
・日本の安全保障環境に興味があり、自衛隊の幹部がどういった問題認識を持っているか興味がある人
・組織や社会が持つ普遍的な問題についての洞察を自衛隊という切り口から気づきを得たい人
<本書を読んだ個人的な気づき>
・第5章 科学技術政策と軍事研究より
ニーズとシーズがマッチしていないことや、運用構想⇒開発の順になっていないことが問題として挙げられていた。
このあたりの問題点は日本社会が抱える既存ITシステムの失敗であったり、DXを推進できない理由として挙げられている経営層とステークホルダー間の「対話の重要性」と似ていると感じた。
何か先駆的な技術があるから使ってみよう、という考えでは、日本社会が失敗したレガシーITシステムの再来となってしまう。適当な要件定義でベンダーに外注したら誰も使わないシステムができてくるのと似ている。
経営層に方針があり、それに沿う形でIT、非IT問わず全部門が変形していくのがDXの理想形だが、現状の経営層は理想の方針を示せず、プロジェクトメンバーは何を改善すればいいのか分からなくなってしまう実情がある。
どんな組織でも、オペレーション(戦略、運用構想)が先にあって、それを技術やシステムに丁寧なコミュニケーション(対話)を得ながら落とし込むことが大事だと感じた。オペレーションと開発のコミュニケーションのあり方を人材育成(DXで言うところのDX人材内製化)を含めて考えないと、日本社会全体沈んでいく気がした。
<その他本書で印象に残ったところ箇条書き>
・戦略環境を俯瞰する際、ユヴァルノアハラリの視点も紹介していた。
・インドは陸軍国であり、海洋に出てられない。
・現在、自衛隊には核の専門家がいない。少し前までは真剣に議論する場くらいはあった。
・日本が北朝鮮に先制攻撃をする場合、韓国との関係性が問題となる。なぜなら、韓国は北朝鮮を統一後の自国の一部と考えているから。
・有事になると統合幕僚長は仕事でパンクする。総理大臣への助言と、自衛隊への命令の両方を一人では果たせない。
・政治と自衛隊の連携(総理大臣の判断と統合幕僚長が提示するオプションの齟齬、人的損害が出る作戦の責任の所在等)の部分の議論では、やや感情論も混じった対談になっていた。⇒この部分だけやたら感情的になるほど、実は安全保障上一番まずい問題点なのかもしれない -
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平和安全法制「在立危機事態」
中国と仲良くするためには対等でなければならない。
日米安保6条 極東を守る 韓国 台湾 フィリピン
日本は基地を米軍に使わせ、自衛隊は日本防衛 集団的自衛権へ
国連は機能しない 同盟の重要性 政軍関係
力には力 核による恫喝 情報戦 国民の愛国心
人権や民主主義は一致したムーブメントにならない
経済力は抑止力にならない
合理的ではない戦争
アメリカの国益、ロシアとは戦争をしない
東風 空母キラー 射程1500km
目に見えない戦力 どうやったら勝てるのか?を考えるのがアメリカ
自衛隊サイバー部員500人
サイバー民間防衛組織が必要(例:エストニア
武士の伝統 自己宣伝が苦手 軍だけでは守れない 中国 三戦
台湾有事 日米共同作戦
分散配置した艦艇と航空機で中国艦艇をミサイル攻撃
空母は中国A2/ADの外に分散展開 ISR能力の無力化
国全体の機能をデュアルユース化
中国戦術核使用へ日本に必要な戦略
核を打たれたときの防空力
アメリカの核抑止の具体化
シェルター
中国核増強への反対
核兵器製造潜在能力
日本の本気度 戦う意志と準備 アメリカと中国に示す