武居智久のレビュー一覧
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冒頭に、民主党政権最後の首相が中国相手に日和った事実が、当時の防衛省審議官によって、赤裸々に描かれている。これはショッキングである。民主党政権で(現:立憲民主党で)「保守寄せパンダ」をやっている総理(当時)による、作為的な中国に対する行動抑制が書物によって永遠に記録に残ることは貴重である。そして、自衛隊に対する訓示の文言がいかにおかしいのかを、後の安倍晋三の訓示との比較で明確に指摘している。これは、立憲民主党の現代表に返り咲いた人物が、いかに権力をもたせてはいけない人物かを表す重要な指摘である。
そして、問題は岸田前総理にもある。NSCを開催しないのである。安倍総理の時には二週に一度は必ず開催され、菅義偉総理になっても、何かあったら必ず招集がかけられていたのが、岸田総理になってから、EEZに弾道弾を撃ち込まれてもNSCが開催されていないのは、残念を通り越して「異常」である。あの人は、総理の職責を果たしていなかったのである。
話を本題に戻すと、基本的には帯にある
・「中国を刺激するな」が日本を滅ぼす
・日本に必要なのは力と行動と覚悟だ
この二点に集約することができる。
ただし、憲法に関する論議には異論がある。
「交戦権」を否定しながら「自衛権」に制限を加えない国は多々あるのである。WW2迄の概念である「交戦権」の文言にとらわれすぎているため、旧世紀の概念で議論しているのがもったいない。「交戦権の否定」と「フルスペックの集団的自衛権」はリンクしないのである。
あとは、自衛官の「戦死」や「軍事法廷」などについても述べていてとても良い。こうした制度を確立していくことが「覚悟」として北京に正しいシグナルとして伝わる可能性は高いしね。 -
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<目次>
はじめに
第1部台湾有事シュミレーションン
序想定する背景
シナリオ①グレーゾーンの継続第3次台湾海峡危機
シナリオ②検疫と隔離による台湾の孤立化ベルリン危機
シナリオ③中国による台湾への全面的軍事衝突
シナリオ④危機の終結
第2部座談会ー台湾有事の備えに必要なものは何か
第1章台湾の価値を正しく認識せよ
第2章国家戦略上の弱点
第3章自衛隊は準備できているか
第4章戦時における邦人輸送と多国間協力
20225/20発行
2021/8/14-15に行われた日本戦略研究フォーラムに
よる政策シュミレーションの結果と、2021/11/11に
行われた参加者のうち4名の座談会の様子。
・サイバー攻撃はななり想定され日本のインフラへの
攻撃がある。
・在外(中台)の邦人の救出は無理
・在日工作員の活動はかなり想定している
・アメリカが関与するシュミレーションであり武器供与
だけのケース(ウクライナパターン)は考えていない
・ロシア・北朝鮮が関与するケースの想定がない
⇒日本は自国は自分で守れ、である
政府はこれを見て考え、動いたのか?
特にサイバーと工作員への対応が見られないが
それらが一般国民には身近である -
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安倍総理が、30大綱を作る準備過程の冒頭で自衛隊最高幹部を前にして聞いた質問がタイトル。定番となっている4人のディスカッションシリーズ最新版。
台湾有事が切迫しているという認識のもと、日本の安全保障体制について話し合っている。彼らの話を聞いていると安倍総理の外交、安全保障面での功績は大きいのだと改めて知った。
NSCの活用、サイバー部隊の本格的な充実、サイバーについては民間の活用、普段から閣僚レベルで有事の図上演習を実施すべき、核シェアリング、防衛産業が防衛力そのものであることなど。
台湾有事についての政策シミュレーションの概要も付録として載せている。 -
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中国 経済成長により権威主義体制の正当化 経済的威圧 国際秩序に挑戦
アメリカにとって「脅威 threat」の前の「挑戦 challenge」の認識
軍人は古い戦争の準備をする
→エマージングテクノロジー(新たな技術)への準備へ
国の安全=DIME Diplomacy Intelligence Military ∔Technology
中/露/北朝鮮/イラン
ロシア 昼夜区別なし 使い捨て歩兵 核
中国 AI 軍民融合 ドローン
大陸国家 同盟を作らない 約束を破る 海外拠点作らず
現状変更をゆるさない意志の強さと 対抗できる能力
戦略三文書 2022年改訂 国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画
日米同盟で一番弱いのはサイバーセキュリティ サイバーは地理優位性なし
海底ケーブルの場所も公開 衛星は遅延と容量に問題
IOWN実用化2030年 サイバー空間はそれを作った民間が狙われる
自衛隊敵前逃亡 懲役7年 死ぬよりも
反撃能力の保持 スタンドオフミサイル、ドローン、水中ドローン
装備や弾薬の抑止能力 継戦能力 調達 どうにかなる → どうにかする
台湾
日中共同声明 1972年 原則論
日本政府は武力による台湾併合を許容していない 平和的統一なら受け入れる
認知領域=第六の戦場
日米が中国に負けたら・・・ 冷戦時のフィンランド化=言論の自主規制
日本がハブでインド太平洋の平和と安全 FOIP(自由で開かれたインド太平洋)
核の議論 長射程スタンドオフミサイル数千発(中国の核を抑止)
日米安保条約 第五条 共通の危機に対処するよう行動する
日米防衛協力の指針2015 日本の国民と領域の防衛は日本が主体的に責任を負う
力のない平和はありうるのか?
日本国憲法 戦争を起こす主体は日本国 →戦力を持たない 公正と信義
→当時の国連の発想 →機能していない 困難と不信の世界
日米安保
→軍国主義が駆逐されない世界 →アメリカ依存の安全と生存
集団的自衛権(国連憲章第五十一条)
→憲法解釈の変更 九条二項 -
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A book in which a senior official from the Ministry of Defense discusses the current state of national defense. It resonated deeply with my own experiences in the field, highlighting an overwhelming lack of capability, discrepancies in perception with other nations, and the urgent need for change.
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台湾、朝鮮半島の有事は対岸の火事などではないし、米軍基地をいくつも抱えた日本は大きなダメージを受けるだろう。これまでは戦後の新憲法と冷戦という対岸の煙のおかげで殆ど何もしてこなくても問題にならなかった。しかしながら現時点では中国、北朝鮮の軍事行動がますます活発化し、日本に居る米軍がターゲットになることを考えると、ヤバいと思わなければいけない。ロシアのウクライナ侵攻でフィンランドやスウェーデンはNATO加盟に舵を切ったが、日本も周りが問題児ばかりなんだから、この議論を活発化させないといけない。兼原信克氏の別の本「歴史の教訓」も読んでみたい。
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兼原さんが一流の軍人と見る自衛隊OB陸海空からそれぞれ1名と諸々のテーマについて議論。
コロナ禍で明らかになった後方支援体制の脆弱さ、防衛装備工業会は飽くまで任意団体で統制する力はないこと、米台共同作戦は日米ですら常々共同でやっても不具合出るのだから相当難しい、朝鮮有事では船がそんなにないので北からの難民はせいぜい数千人程度ではないかという推測、核抑止の複雑さが高まっているのに核戦略の専門家がいない自衛隊、防衛装備庁は想定したメリットより欠点が目立っている等々。
政軍関係についての議論や自分達が幕僚長として創設に関わった防衛装備庁の問題など彼らだから話せる内容は面白かった。防衛大綱の改正や統合司令官の創設はその方向で話が進んでいて、こういった人たちが意見を公にしていくことが改革への推力になるのだろうな。 -
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著者のひとり兼原信克氏の話をラジオで聴き、興味を持ち本書を手に取った。日本の安全保障の状況がよくわかる内容だった。
陸海空の元自衛隊の最高幹部と元内閣官房副長官補の4人での座談会という形で本書はまとめられている。令和3(2021)年4月に発行されているので、ロシアのウクライナ侵攻の1年前の話である。危機はすでにはじまっていたのだと思い知らされる。北朝鮮中国そしてロシアの核保有国に接する日本はもっとも危険な場所に位置する。
安全保障にかかわるトップクラスの地位にいた人が必要と感じてきた法整備や予算確保さえ進まないことに不安が募った。
最後の「日本の安全保障に対する10の提言」に希望を持ちたいと思う。