【感想・ネタバレ】国防の禁句 防衛「チーム安倍」が封印を解くのレビュー

あらすじ

「中国を刺激するな」
が日本を滅ぼす

中国軍の行動を見ると、安倍総理が遺した政治的な対中抑止力は失われ、中国は日本政治の流動化を見透かして、力による一方的な現状変更を加速しているのかもしれない——。元陸上幕僚長、元防衛事務次官、元海上幕僚長の防衛「チーム安倍」が、日本の政治が語らない「中国」「台湾」「核」「憲法」「靖国」問題の封印を解く。

日本に必要なのは
力と行動と覚悟だ
【主な目次】
序 章 「中国を刺激するな」が日本を滅ぼす
第一章 新しい戦争が始まっている
第二章 ウクライナ戦争に学ばない日本
第三章 新しい戦争と日本
第四章 台湾問題の洗脳を解く
第五章 思考停止の核問題
第六章 憲法改正は精神論ではない
第七章 靖国問題と自衛隊

【著者プロフィール】
岩田清文(いわた・きよふみ)
1957年生まれ。元陸将、陸上幕僚長。防衛大学校(電気工学)を卒業後、79年に陸上自衛隊に入隊。戦車部隊勤務などを経て、米陸軍指揮幕僚大学(カンザス州)にて学ぶ。第71戦車連隊長、陸上幕僚監部人事部長、第7師団長、統合幕僚副長、北部方面総監などを経て2013年に第34代陸上幕僚長に就任。2016年に退官。著書に『中国を封じ込めよ!』(飛鳥新社)、共著に『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』(新潮新書)、『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』(産経新聞出版)など。

島田和久(しまだ・かずひさ)
1962年生まれ。元防衛事務次官。慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、85年に防衛庁入庁。防衛計画課長、防衛政策課長、大臣官房審議官、内閣参事官(安全保障・危機管理)、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。第2次安倍政権で2012年から2019年まで安倍晋三首相秘書官。防衛省大臣官房長を経て、2020年に防衛事務次官に就任。2022年退官、防衛大臣政策参与、内閣官房参与(防衛政策担当)などを歴任。現在、一般社団法人日本戦略研究フォーラム副会長、全国防衛協会連合会理事長、東京大学公共政策大学院客員教授。共著に『日本の防衛法制』(内外出版)など。

武居智久(たけい・ともひさ)
1957年生まれ。元海将、海上幕僚長。防衛大学校(電気工学)を卒業後、79年に海上自衛隊入隊。筑波大学大学院地域研究研究科修了(地域研究学修士)、米国海軍大学指揮課程卒。海上幕僚監部防衛部長、大湊地方総監、海上幕僚副長、横須賀地方総監を経て、2014年に第32代海上幕僚長に就任。2016年に退官。2017年、米国海軍大学教授兼米国海軍作戦部長特別インターナショナルフェロー。現在、三波工業株式会社特別顧問。笹川平和財団上席フェロー。翻訳に『中国海軍VS.海上自衛隊』(ビジネス社)、共著に『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』(産経新聞出版)など。

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Posted by ブクログ

冒頭に、民主党政権最後の首相が中国相手に日和った事実が、当時の防衛省審議官によって、赤裸々に描かれている。これはショッキングである。民主党政権で(現:立憲民主党で)「保守寄せパンダ」をやっている総理(当時)による、作為的な中国に対する行動抑制が書物によって永遠に記録に残ることは貴重である。そして、自衛隊に対する訓示の文言がいかにおかしいのかを、後の安倍晋三の訓示との比較で明確に指摘している。これは、立憲民主党の現代表に返り咲いた人物が、いかに権力をもたせてはいけない人物かを表す重要な指摘である。
そして、問題は岸田前総理にもある。NSCを開催しないのである。安倍総理の時には二週に一度は必ず開催され、菅義偉総理になっても、何かあったら必ず招集がかけられていたのが、岸田総理になってから、EEZに弾道弾を撃ち込まれてもNSCが開催されていないのは、残念を通り越して「異常」である。あの人は、総理の職責を果たしていなかったのである。

話を本題に戻すと、基本的には帯にある
・「中国を刺激するな」が日本を滅ぼす
・日本に必要なのは力と行動と覚悟だ
この二点に集約することができる。
ただし、憲法に関する論議には異論がある。
「交戦権」を否定しながら「自衛権」に制限を加えない国は多々あるのである。WW2迄の概念である「交戦権」の文言にとらわれすぎているため、旧世紀の概念で議論しているのがもったいない。「交戦権の否定」と「フルスペックの集団的自衛権」はリンクしないのである。
あとは、自衛官の「戦死」や「軍事法廷」などについても述べていてとても良い。こうした制度を確立していくことが「覚悟」として北京に正しいシグナルとして伝わる可能性は高いしね。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

中国 経済成長により権威主義体制の正当化 経済的威圧 国際秩序に挑戦
 アメリカにとって「脅威 threat」の前の「挑戦 challenge」の認識

軍人は古い戦争の準備をする
 →エマージングテクノロジー(新たな技術)への準備へ
 国の安全=DIME Diplomacy Intelligence Military ∔Technology 
 中/露/北朝鮮/イラン  
  ロシア 昼夜区別なし 使い捨て歩兵 核
  中国 AI 軍民融合 ドローン 
 大陸国家 同盟を作らない 約束を破る 海外拠点作らず

現状変更をゆるさない意志の強さと 対抗できる能力
戦略三文書 2022年改訂 国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画
日米同盟で一番弱いのはサイバーセキュリティ サイバーは地理優位性なし
 海底ケーブルの場所も公開  衛星は遅延と容量に問題
 IOWN実用化2030年 サイバー空間はそれを作った民間が狙われる 
 自衛隊敵前逃亡 懲役7年 死ぬよりも
 反撃能力の保持 スタンドオフミサイル、ドローン、水中ドローン
 装備や弾薬の抑止能力 継戦能力 調達  どうにかなる → どうにかする

台湾
 日中共同声明 1972年 原則論
 日本政府は武力による台湾併合を許容していない 平和的統一なら受け入れる
  認知領域=第六の戦場
 日米が中国に負けたら・・・  冷戦時のフィンランド化=言論の自主規制
 日本がハブでインド太平洋の平和と安全 FOIP(自由で開かれたインド太平洋)

核の議論 長射程スタンドオフミサイル数千発(中国の核を抑止) 

日米安保条約 第五条  共通の危機に対処するよう行動する
日米防衛協力の指針2015 日本の国民と領域の防衛は日本が主体的に責任を負う

力のない平和はありうるのか?
 日本国憲法 戦争を起こす主体は日本国 →戦力を持たない 公正と信義
  →当時の国連の発想 →機能していない 困難と不信の世界
 日米安保
  →軍国主義が駆逐されない世界 →アメリカ依存の安全と生存
 集団的自衛権(国連憲章第五十一条)
  →憲法解釈の変更 九条二項

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

A book in which a senior official from the Ministry of Defense discusses the current state of national defense. It resonated deeply with my own experiences in the field, highlighting an overwhelming lack of capability, discrepancies in perception with other nations, and the urgent need for change.

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2025年06月04日

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