塚田穂高のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この本の電子書籍が手に入って、なんとなく斜め読みしてみた。
辞書のようなもの、、と思っていたら、違った。
まず、文章を書いている人がすごい。
著 / 小泉悠/上脇博之/武田砂鉄/塚田穂高/五野井郁夫/水無田気流/小嶋華津子/塩田祐子/小林美穂子/山本章子/鶴岡路人/立山良司/鈴木エイト/森山至貴/やくみつる/生島淳/常見陽平/ほか
そうそうたるメンバーが、テーマごとに世相を切っていた。読み応えある文章。
続いて、2024に流行った言葉の解説が続く。
今は亡き森永卓郎さんも「貯蓄から投資」は危険な政策 と厳しく語っている。
全体的に反政府的。
最近言われるところの「右翼」が好まない言葉 -
Posted by ブクログ
私はモルモン2世だが、他の宗教2世についても問題の本質は同じという事を再度実感した。宗教2世問題は人権問題であり、子供の信教の自由を阻害していると考えないといけない。この認知が社会にもっと広く伝わってほしいと感じた。
宗教2世の当事者と研究者が数おおく、宗教2世問題について論じているので、2世側の偏った論ではなく社会全体として「宗教2世問題とは何か」という事をしっかり定義している。
宗教2世については知っているが、「宗教2世問題」についてはまだ理解されていない部分が多い。
宗教2世について「何が」問題となっているのか、研究者の論文と当事者の体験談と合わさることで、この問題がくっきりと明らかにな -
Posted by ブクログ
日本の右傾化を様々な面から分析し、検討している本である。
個人的には憲法二十四条について論じている第Ⅳ部「家族と女性」が印象に残った。戦前回帰を志向する勢力は、一見文句のつけようのない文言で自分の思惑を巧妙に実現しようとするが、憲法二十四条の改定案は、それを最も端的に表していると思う。
例えば自民党は、世界人権宣言を参考にしたとして、「家族は、社会の自然かつ基本的な単位として、尊重される」という一文を入れることを提案している。素直に読むと別におかしなことは言っていないし、確かに世界人権宣言に同様の記述はある。ただし世界人権宣言には、この前提として、婚姻が当事者間の自由で完全な合意のみで成 -
Posted by ブクログ
21人の執筆者がそれぞれの関心領域について書いたもの。各領域に関するイントロダクションが読めるので、入門編としてはもってこい。
なかでも憲法24条に関する記述は興味深い。9条ばかりが前面に出ているが、右傾化に関する本命は24条のようですね。
とはいえ、それぞれの文章は短いので概論で終わっていたり検証不足に感じたりすることはある。それを求めるなら、参考文献に当たるべきなのだろう。
編者が書いている
「沖縄、大阪、外交、防衛、労働、企業、大学や、日本青年会議所(JC)などの経済団体、モラロジー研究所や倫理研究所などの修養団体など、紙幅や執筆者の都合で取り上げきれなかったテーマは数多い」
というの -
Posted by ブクログ
日本の右傾化、「何が、どこまで、進んでいるのか」を各分野の第一級の書き手21人が総力を上げて検証した本。「壊れる社会」「政治と市民」「国家と教育」「家族と女性」「言論と報道」「蠢動する宗教」と6つの分野(21章)で構成されています。
先の都議選の結果を受け多少の遅れが想定されるとは言え、この間の一連の政治動向を見ていると、日本の右傾化は顕著で改憲に向けた動きが強まる中、大きな危機感を感じています。しかしその全体像を把握することはできておらす、何が問題になっているかをつかみたいと思っていました。はじめにも書かれていますが、各分野各章が今の社会が抱える問題をつかむ入り口となる中身をもっており、読