小野寺拓也のレビュー一覧

  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    読み終わってみて、「ナチスは良いこともした」ではなくて「背景・文脈から切り離して考えてみればナチスの進めていた政策には参考になるものもある」という言い方で言えたりは出来ないか?と考えてみたものの、そもそも前政権や他諸外国から引き継いだ政策ばかりだから、ナチスを引き合いに出す必要は全く無いという事でした。

    歴史学における事実⇒解釈⇒意見というステップを踏む重要性、過去の研究結果を踏まえた解釈を省略する危険性、という最初に触れられる基本を、何度も再認識させられる構成で身に染みた。

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    2025年12月06日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    面白い本ではあった。ただナチスを否定したくて否定したくての内容になっている気がする。ナチスについて簡易な知識を持ち、ナチスを否定している人だと刺さる気がする。本に書いてあったが、確かにこの本の内容が粗探しになっているところがある。

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    2025年08月14日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    良いことだけを書き出してみてから反証するという形、確かに良いことだけを書き連ねたら知識がなければそうなんだ!で済ませてしまいそう。実際オリジナルなものはなく(でも、オリジナル=良いものか?という問いもあって深い)、その多くが民族、排除、の論理と結びついていて、表面だけを見てもね…なもの。
    きちんと自分で考えることは大切だなと改めて思う。
    自分の言葉にできるように、きちんと読み込む。考える。

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    2025年06月19日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    ナチスの政策は戦争のために民族共同体を強固にすると言う目的のための手段であり、また言われるほど成果を上げていないと言う事が、それぞれの章から理解できました。

    本書のはじめにも書いてある通り、歴史を考える時に我々は個人の立場とは無縁では居られませんが、事実と解釈と意見のそれぞれの立場はちゃんと分けて考えなければなりません。

    世の中に氾濫する意見を、事実や解釈と間違ってしまわないように、これからも本を読み続けたいと思いました。

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    2025年05月20日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    SNS上等でしばしば語られる「ナチスは良いこともした」論を丁寧に分かりやすく論破していて、ある意味痛快。

    最後の最後(おわりに)まで、沢山の人に読んで欲しいと思った。

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    2025年02月15日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    気になっていた本。
    多面的、多角的に見ることもそうだけど、過去からどのように物事を受け取るべきかという視点ももらえる。

    "おわりに"は常に意識しておきたい。

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    2025年02月09日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    何度も読みたい一冊。
    長年研究されてきた著者さんの努力の結晶。
    この本は客観的に書かれており、誰が見ても分かりやすい。
    ナチがしたこと。
    ヒトラーがしたこと,してないこと(したように見せかけてること)。
    この本ではホロコーストで何が行われていたかについての細かい記載はない。
    それよりも,当時のドイツの政治や国民の暮らしがよく分かる一冊。
    最後の後書きは思わず笑ってしまったので,ぜひ、読み終わった読者さんのおまけとして最後に読んでいただきたいです笑

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    2025年02月09日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    正直ホロコーストの教科書的事実を字義通り義務教育で受け取った私にとっては「ナチスは良いこともした」言説はいかなる正当性や効力を持つものではなかったのだが、本書を読んでその言説を批判する根拠が、自身の批判的思考の欠如に由来したある種の盲目さ以上のものとなった。基本的に全てはアーリア民族共同体の利益のための手段に収斂するもので、それを文脈から切り取り「良いこと」と持て囃すのは恣意的な解釈でしかない。勉強になった。

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    2025年01月29日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    ナチズム研究の専門家が、巷で言われる「ナチスは良いこともした」論について検証する。 一般によく言われるナチスの先進的な政策である、経済政策、労働福祉政策、家族支援政策、環境保護政策、健康政策について、いずれもナチスが特段優れた政策を実施したわけではない。ワイマール体制下の政策が実を結んだものが多い。また、「民族共同体」の訴えに基づいて行われた諸々の政策だが、裏を返せば「民族同胞」として包摂されなかった人(ユダヤ人、共産主義者、障害者、同性愛者等)を排除することを目的としていた。
    「ナチスは良いこともした」論を唱えることは、ナチズムが実際にどんな体制であったかを無視した暴論である。

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    2025年01月05日
  • 野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」 第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」

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    カリスマ的なナチスヒトラーの存在によってあの終局まで突き進んだ、という単純な語りでは済ますことは出来ない事実があることを確認できた。

    読書ガイドが素晴らしく、今後の参考にしたいと思った。

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    2024年11月17日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    本書の感想からやや離れる。
    筆者のSNSのプチ炎上をリアルタイムで見ていた。「本筋の研究者によく物を言えるな」と驚いた覚えがある。筆者を批判しているツイートで目立ったものは共通して『上から「学者にわからせてやる」口調(当然敬語ではない)』『アカデミックなものに対する敵意』、俺は論破などされないというスタンスからはいる一連のツイートは胸に来るものがある。というのも、本書のような、その指示の専門家が書いた素人にもわかるよう記した本でも、彼らは納得しないだろうと思ったからだ。
    各章のナチスの政策と、それが『良いこと』だったか、の是非は私のような素人にもわかりやすく大変勉強になった。中でも自分が一番心

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    2024年11月14日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    よいことをしたといわれるが、結局は独自のものではなく前政権からの引き継ぎで効果を上げていたり、他国と同じことを幾分か徹底的に行ったり、名目は立派だったけど結局は戦争のための、戦争による経済だった。つまり自転車操業だった。そもそもよいこととされる政策の対象はいわゆる健常なドイツ人のみであったため良いこととは言いきれない。そしてだんじょかんで強く家父長制的価値観が強く押し出されているので政策の内容が変わるものもあった。
    移民が増えている日本は当時のドイツとやや似た状況になってきているため、ナチ政権のようなことはしないようにしつつ、けれども日本を守るにはどうすればいいか考える必要があると思わされる。

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    2024年11月04日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    ナチスは極悪非道な政権であっただけでなく、良いこともした、という意見は、ちらほら見聞きしたことがあり、私が聞いたそれは、自然保護、健康増進のための研究、という側面から語られていました。

    本書は、ナチスの研究者による、それら(他には、経済回復、労働者向けの福利厚生措置の導入、少子化対策)の政策が、どのような社会情勢の中で、どのような目的で行われ、どのような結果をもたらしたのか、そして、どのような二面性もそこには含まれていたのかも合わせて描き出されています。

    「良い」「悪い」の意見を持つ、言う前に、多方面から俯瞰して考えることの大切さを感じました。

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    2024年08月16日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    数年前からちょこちょこ「いや、いうてナチスも良いことしてるじゃん?」みたいな言説をよく目にするようになり、それを(ほんとか~?)と思っていたのだけどナチスやナチズムに関する本は膨大で「ナチスは良いことをしたのか否か」をピンポイントで検証している本を探せずにいた。
    だからこそこの本が出版されたときはタイトルが知りたいことズバリのもので嬉しかったし、必ず読もうと思っていた。
    具体的なナチスの政策を検証するだけではなくなぜ「ナチスは良いこともした」という言説が出て回るのかというメカニズムやSNSなどに反乱する歴史的な言説を巡るあれこれも解説がなされており、それはナチスに限らず魅力的な歴史のあれこれに

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    2024年07月20日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    アウトバーンの建設やレジャーの提供、少子化対策、環境保護、健康推進などナチスの政策には「良いこと」もあったという主張がネット空間などにあるが、専門家の立場からそれらの俗説を徹底的に批判している。経済政策やアウトバーンの建設は前政権からのものであるし、レジャーの提供や少子化対策、環境保護、健康推進などは「民族共同体」としてのドイツ国民の意識を高め戦争を遂行するためのものであった。何よりも、結局成果があがっていない。それどころか、ユダヤ人からの収奪、占領地の人々の強制労働などによる収入をドイツ人に分配しただけであった。「最初は借金で生活し、次には他人の勘定でくらした」のである。

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    2024年06月24日
  • 第三帝国 ある独裁の歴史

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    出版当初、話題になったナチズム研究の書籍。
    話題になったのも頷ける本で、めちゃくちゃ面白い。
    自分はナチス関係の書籍を熱心に追っているわけではないし、何ならこの手のナチス関係の本のスタンダードなものしか読んでいないので知識が固定化してしまっている。本書はそんな自分を揺さぶってくれるような本で、今後も折を見て読み返したいと思えるような本だった。
    それにこの薄さにも関わらずかなりわかりやすくまとまっている。

    ただ初めてナチス関係の書籍を手にする方は、ここから手を出すとちょっと難しいかもしれない。
    なので新書で何冊か読んでから読むのがいいかもしれない。

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    2024年05月01日
  • 第三帝国 ある独裁の歴史

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    ナチスが台頭していった過程がよくわかるコンパクトな概説書。もう最初から戦争する気満々で、よく言われる”経済”も、国内のユダヤ人や戦争で分捕った周りの国をこき使って得たものを、ドイツ系白人のみに対して(不満の出ない範囲で)優遇したもので、とても経済政策と言えるようなものではない。ユダヤ人だけでなく、ジプシーもロシア人も”死んでしまえ”なわけで、自民族だけが優れているという狂信がいかに危険なものかがよくわかる。強盗の家族が”でも僕たちには贅沢をさせてくれた”というようなもので、本当にナチスに対して肯定できるようなものは何もないことがよくわかる。ナチスがなぜ今でも厳しい批判の対象なのか、事実をよく知

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    2021年03月08日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    タイトルとテーマの着眼点が秀逸。
    巷にはびこるナチズムへの俗説の否定を固い意志を持って推敲してやるという心意気に感銘を受ける。

    局所的に見れば肯定的に見えるナチスの製作も、「民族共同体」というイデオロギー確立の道具にすぎずその背景にはおぞましい略奪や差別・ホロコーストに代表される大領虐殺がある。その前提をもって、「良いこと」であるとは到底断言できるものはない。

    あとがきに著者が述べている、ではなぜこのような謬説が流布してしまうのか。社会からある種押し付けれられる「ポリコレ」へのバックラッシュであると。あまりにも正論を振りかざされるとなんでもいいから反動したくなる衝動が背後にあるのである。

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    2025年10月25日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    ナチスの政策の中で「それでもこれは良いことだった」と言う人のいるもの(経済、家族、環境、健康政策など)について考察を加えた本。それらについても、ナチスの大目的である「戦争による国土の拡大」「選ばれた民族だけによる共同体の構築」に特化された歪んだものだったことがわかる。そして「おわりに」が必読。人々が「良いこともあった」と言いたくなるのはなぜか、それに対して専門家はどう関わるべきか、について書いている。これはすべての学問分野について深く考えるべき話。
    その上で、この本のタイトルは「良いこともしたのか? いや、していない」という意味だと解釈されるのが普通で(実際そういう内容)、そうやって全否定され

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    2025年08月13日
  • 検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?

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    ブックレットなので読みやすいが、ナチズムに関する骨太な研究が背後に横たわっている。
    なぜ「ナチスは良いこともした」と言いたがる人が跡を絶たないのか?実態を調べたのか?調べもせず「信じたい」気持ちだけで「良いこともした」と言いたがるのは知的怠慢である。
    これもバックラッシュの一種なのだろうか。

    ナチズムを擁護する、自分の頭で考えない、歴史的事実や背景との関連を調べようとしない、そんな人間が日本でも増えている。それで何を得たいのか?かりそめの安心感か?よく考えろ、ナチズムの名の下に行われた残虐な行為の数々を。そして実際に「良いこともした」とされたそれぞれの事柄について検証された本書を読め。せめて

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    2025年08月03日