ハンス・ペーター・リヒターのレビュー一覧

  • 若い兵士のとき

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    訳者のあとがきにもあるように、前二作とは形式が異なり、日記の様な断片的な話の羅列になっている。ほとんど年齢のかわらない「ぼく」と私の、なんと遠いことだろう。生まれた時代の差はこんなにも。

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    2011年02月11日
  • ぼくたちもそこにいた

    Posted by ブクログ

    あの頃はフリードリヒがいた、と同時期に進む物語。「ぼく」がフリードリヒのときの「ぼく」なのか、はじめはわからなかった。もうちょっと交じっていて欲しかったのかもしれない。
    ぼくは本当にあの頃のドイツの少年で、隔たれた世界にいた。善悪よりも、場に流されてしまう少年である。
    熱狂的なヒトラー派のハインツと共産党派の父をもつギュンター、ぼくの目線から見たこのふたりの友情と言うのは、一応ぼくも交えているが、ぼくとは一線はなれた堅い結びつきになっている。物語の最後に何もいえなくなる。

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    2009年11月01日