ハンス・ペーター・リヒターのレビュー一覧

  • あのころはフリードリヒがいた

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    戦争について考える夏。
    中1国語教科書掲載「ベンチ」の全文。

    「ベンチ」だけではわからなかったことたくさんのことが、わかる。フリードリヒが抱えていたものの大きさと理不尽さを思う。そして、フリードリヒとその一家を守ろうとした人々がいたことも。
    戦争は日常を蝕む。

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    2024年07月30日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    この本はノンフィクションという分類の児童文学、作者のリヒターが子供の頃の事実を物語風に描いた作品。
    作者リヒターの友達のフリードリヒが、ユダヤ人であることだけで、迫害を受け17歳で殺されてしまう。なんとも不条理な物語。
    記録は1925年からはじまり1942年で終わる。

    68歳の私が読むのに適した本かというと、そうではない気がする。
    私のサラリーマン人生で、申し訳ないが「ナチス側」につくことはよくあることだったし、それに、あらすじは知っていたのでストーリーの新鮮味がなかった。
    やはり、私には児童文学に対して免疫ができてしまっているのか、体温が上がらなかった。中学生ぐらいが読む適齢期では?

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    2024年04月22日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    戦間期、ハイパーインフレがようやく収束しつつあったドイツ。同じアパートに住む同い年の「ぼく」とユダヤ人のフリードリヒは、時に喧嘩もしながらともに少年時代を過ごす。
    ナチスによるホロコーストが激化する以前から、ヨーロッパには歴史的・宗教的な背景によるユダヤ人に対する潜在的な差別意識が存在していた。しかし、ぼくとその両親は、フリードリヒたちシュナイダー家と分け隔てなく親しく付き合っていた。
    だが戦争が始まるとそれが少しずつ、街の中から変わっていく。ユダヤ人の店への嫌がらせ、経済的な背景も手伝っての露骨な排斥、学校からの排除。特に、フリードリヒの転校のところは先生の温かい言葉とその直後の行動の対比が

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    2024年03月20日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    歴史が繰り返されるのであれば、戦争も繰り返される。今の日本では考えも及ばないようなことが、ユダヤ人に対して普通に行われていたことを、若い人たちは特に知っておくべき。

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    2023年10月15日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    凄く考えさせられる内容です。
    どれだけ年月重ねても絶えることのない、差別、暴力、迫害などの歴史は悲しくなります。

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    2023年04月29日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    物語調に書かれたヒトラー政権時代の話、フリードリヒが実在したかは不明だけど同じような経験をした人が沢山いるのだろうなと思うとただの小説の感想だけじゃなくてもっと何が起きたのか知りたくなる何故あんなことになったのか、
    幸せな生活から徐々に不穏な空気感になっていくのが生々しかった

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    2023年04月27日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    ヒトラー統治下のドイツ。同じアパートに住むユダヤ人の善良な一家、一家の息子であるフリードリヒの辿る運命を主人公の目線から描いた作品。日常の中に人種差別、ユダヤ人迫害の影が徐々に忍び寄り、やがては実際に血や破壊を伴う暴力的なうねりとなっていく様子が恐ろしい。今の時代を生きる私たちも同じことを繰り返してはいないかと問いたくなる一冊。

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    2022年12月12日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    ヒトラー政権下ドイツの話は本当にしんどい。

    こんな残酷なことがよくできるなと思うけど、日常に少しずつくい込んでいくからなのかもしれない。
    作中ほぼ善良な主人公も一度熱に浮かされたように自然にユダヤ人寮の破壊に加わっているのが印象的。
    集団心理ってそういうものなんだろうなあと思う。

    この本は注釈が丁寧で、ユダヤの文化のことが知れたのがすごく良かった。

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    2022年12月01日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    再読したくて、読書会テキストとして採用したもの。見送らず、このタイミングで読んでおいてよかった。しかしながら、一度読んでいるはずだが、その記憶が見当たらない。衝撃で封印されてしまったのか。読み終えて、ただただ痛切な思いしかない。戦争を起こさない・起こさせないこともまた、「責任」の果たし方かもしれない。

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    2022年06月14日
  • ぼくたちもそこにいた

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    あの頃はフリードリヒがいた同時期を、別の視点、ヒトラーユーゲン側から物語を語っている点がとても面白かった。
    立場によって見方や考え方、苦悩がある事をこの本から学ぶ事ができる。

    また主人公の戦友・ギュンターの父は最初ナチス反対派だった後、後半では戦争に積極的に。
    社会情勢が人を変えてしまったひと場面だ。

    洗脳といえばいいのか、同調圧力と言えばいいのか、
    社会の雰囲気が一方方向へ進まないといけない状況には恐怖を感じる。反する考えを持とうもんなら、異端人とレッテルが貼られる、社会の構図が異様であり、恐怖だ。

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    2021年12月16日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    当時のユダヤ人差別が過激化する中で、ユダヤ人の信仰がどのように機能したかについてを調べる過程で本書を読む。事実を基にしているため、とても参考になった。
    フリードリヒの父シュナイダーが、早く国を出ていった方が良いと忠告するハンスの父に対して言った言葉が心に残った。
    「われわれに対する偏見というのは、もう二千年もの昔からあるんです。その偏見が、半生紀そこそこ無事だった共同生活で、たちまち消えてしまうとは、誰も期待できません。われわれユダヤ人は、それはもう、あきらめなきゃならないんです。この偏見は、中世なら、ユダヤ人にとって命の危険を意味していましたよ。しかし、人間は、その間に、少しは理性的になった

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    2023年04月24日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    教育出版の中学一年生国語教科書に載っている『ベンチ』。その全体が知りたくて、やっと読んだ。もっと早く全部読むんだった。

    「ぼく」はどこにでもいるドイツ少年なのだろうし、「フリードリヒ」もどこにでもいるドイツ少年(ただしユダヤ教徒)なのだろう。
    レッシュ氏も、「ぼく」の両親も、ヘルガも。

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    2020年12月26日
  • 若い兵士のとき

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    被害者を書く話は数多くあれど
    加害者を書く者はなかなかいない
    その加害者ですら最初は善良な少年の姿形をしていることもある 人を変えていく

    彼らのような少年達が戦争が終わった後もなお、地雷撤去に駆り出されたと考えるとまた滅入る

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    2018年03月03日
  • 若い兵士のとき

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    散文形式で綴られている。時系列に並んでおらず、物語の前後がわかりにくいが、それだけつらい経験だったのだろう。
    もう戦争は起こしてはいけない。

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    2013年05月20日
  • ぼくたちもそこにいた

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    登場した作者の友達は無事復員できたのか。書いてない辺り、復員できたのは作者くらいなのでは。
    戦争はいやですね。戦争に盛り上がっていくあの独特な雰囲気もいやだ。

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    2013年05月20日
  • 若い兵士のとき

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    「あのころはフリードリヒがいた」
    「ぼくたちもそこにいた」の
    完結編となるこの作品。

    読みながら、何か不思議だなと思っていたら
    この作品は各章が*で仕切られているだけで
    ストーリーがないことに気付いた。
    つまり、リヒターは記憶に残っていることを
    絞り出すようにして、
    ただただ、書き残したのだろう。
    思い出すこともつらく、思い出したくもないことを
    「伝えなくては。。。」という使命感のみで
    懸命に書き残したことが伝わる文章だった。
    一説には、リヒターはこの作品を最後に
    筆を折ったとも言われている。
    それだけつらい作業だったんだろうと思う。

    この三作品を読んで、まず「知る」ことが大事だと思った。

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    2011年02月17日
  • ぼくたちもそこにいた

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    「あのころはフリードリヒがいた」の続編となるこの作品。
    この作品は、ヒトラー・ユーゲントに入団した
    3人のドイツ人少年の経験を書いている。

    この作品を通して、少年達の中にも様々な葛藤が
    あったことが分かる。
    すぐに染まった者。
    何かおかしいと思いつつ、進むしかなかった者
    できるだけ抵抗した者など。
    でも、これはドイツだけの話だけでなくて
    戦時中は、日本でも同じようなことが
    多かれ少なかれ起きていたのでは
    ないかと思う。
    このようなことが二度と起こってはいけないと思う。

    この作品もリヒターの体験を基に書かれているので
    まえがきのリヒターの言葉がとても重い。

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    2011年02月12日
  • ぼくたちもそこにいた

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    冒頭の著者の言葉、「わたしは参加していた。〜わたしは、もう二度と信じないだろう。」が衝撃的で、読み終えるまで心臓の辺りでもやもやと沈澱していた。年号と共に付された「ぼく」の年齢が自分の歳に近づくにつれもやもやは濃くなった。

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    2011年02月10日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    戦争をほとんど描かない、日常の悲劇です。

    第二次世界大戦、とりわけユダヤ人の迫害をテーマにした本と聞くと、読まずにはいられません。特に今回は大学時代の先輩のおすすめの一冊とのこと。すぐに手に入れて読んでしまいました。

    歴史的に言えば、ある民族の迫害は枚挙に暇がありません。チェコスロバキア、フィリピン、インド。世界中で似たような出来事が起こっています。
    その中でもドイツ、ユダヤ人差別に目が向いてしまう理由は、その悪行がポピュリズムに直接起因するのではなく、ひとりの独裁者による扇動だったこと。また、その恐るべき用意周到さに驚かされるからです。
    悪意とはここまで人を不幸にできるのです。

    今回の

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    2021年12月05日
  • あのころはフリードリヒがいた

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    何時でも起こり得ること

    最近の国際情勢を見るにつけ、いつでも長い時間をかけて築かれた平和な安定した状況は短期間で暴力的に崩壊するということを、作者は時系列と事実のみを淡々と描くことによりその不変性のある事実がこれからも起こり得るという事を身近に感じさせられる。

    #怖い #深い #タメになる

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    2021年08月27日