河野啓のレビュー一覧
-
人間という生き物の複雑さが、とてつもなく細かい描写で描かれていた。また、人を表面のみで判断することの恐ろしさを感じた。ネット界で集まる人の印象に対する意見は、良くも悪くも『その人自身』を変えてしまう可能性があること、また、自分自身もそうならないとは言い切れないことを忘れずにいたいと思う。
「虚実皮膜...続きを読むPosted by ブクログ -
日本の登山家 35歳という若さでこの世を去った栗城史多さん この本で彼の存在を知り色々な意味で、色々な方面で影響力のある冒険家と思った。凍傷で指を失いながらもエベレスト登頂に挑む姿勢。独自のこだわりがあったんだろう。登頂に成功していたら…もう その後に続く彼の描いたシナリオ夢や目標を知ることができな...続きを読むPosted by ブクログ
-
登山家・栗城さんの訃報はなんとなく覚えている。
自分の登山する姿をネット配信するヒト、ぐらいの認識だった。
一人の人間が持つ魅力、エネルギー、挑戦、挫折、そして人間としての弱さを丹念に描いた文章にドラマ以上のドラマを感じた。
最後、それまで著者がその存在に胡散臭さを感じていた占い師との対話によっ...続きを読むPosted by ブクログ -
栗城さんは、純粋な登山家というのではなく、山に登るインフルエンサーとでも定義すべき人なんだろうと感じた。
以前ならば自分で自分の業績を宣伝するには(あえて宣伝と書きます)せいぜい自費出版位で、しかも自費出版本などほとんど影響はないのですが、技術の進歩によりやり方によっては本当は内容が伴わなくても、影...続きを読むPosted by ブクログ -
2023/3/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2023/6/1〜6/8
劇場型登山家?栗城史多氏の取材をしていた河野氏による、栗城氏のノンフィクション。第18回開高健ノンフィクション賞受賞作。
活動当時から栗城氏の名前は知っており、毀誉褒貶の激しい人だなぁ、と思っていたが、こんな人だっ...続きを読むPosted by ブクログ -
栗城さんの活動の初期に取材で関わった著者が、没後、彼の周囲の方々を取材し、謙虚に丁寧に書き上げられた良書と思います。
私自身は、彼の夢の共有には一度も参加することなく、ネットの記事を追いかけていた程度の者です。興味はあったので、購入して、自分にとってはとても早く、3日ほどで読み終わりました。
孫正義...続きを読むPosted by ブクログ -
今年から雪山に登るようになったせいか書店でふと目に止まり読んでみました。彼の事は知らなかったのですが、帯にある通りまさに毀誉褒貶、賛否両論といった具合で山の本というよりは現代社会の宿痾のようなものを感じました。自分自身を商品として企業に売り込み支援してもらい、マスメディアに取り上げられ箔がつく。その...続きを読むPosted by ブクログ
-
一度ラジオの出演していたのを聞いたことがあったな、という程度の認識で、7大陸無酸素登頂を目指しているというのを確かに聞いたことある。元気な若者だなーぐらいにしか思わなかったが、こんなことになっていたんだ。Posted by ブクログ
-
フィクションでなく,実際に生きた人の死を読んで感じることには言葉にしにくい不思議な感覚がある.
この本を読んで,「自分」が生きたい場所にいるには力不足でありながら,そこ以外では生きていたくなくって,苦しいんだなぁ,と感じた.栗城さんが,ではなく,自分が.
研究者として生きていて,やりたいこと・実現...続きを読むPosted by ブクログ -
購入してから、一気に読んでしまった。
栗城さんがなぜエベレスト登頂を失敗し続けたのか、なぜ命を落とすことになったのか、その一因となりえる事が書かれている。
この本が彼の全てではないと思うが、あくまでこの本を読む限り、彼に対して嫌悪感を持ってしまった。
彼の生き方を否定するつもりはないし、チャレンジし...続きを読むPosted by ブクログ -
栗城史多の従来のメディアでの派手な印象と、ひとりの人間としての葛藤とが両方うまく書かれている。時代が違えばそのバイタリティも違う方向に向いて命を落とすことなくビジネスなどで成功していたのかもしれない。彼が最初に注目を浴びた頃の印象しかなく忘れかけていたところで亡くなったと知った口なので、ネットなどで...続きを読む
-
よく登山を人生と例えられるが…
栗木さんは無酸素のような生きづらく息苦しい世界を、単独一人で登ってた生きてたような気がしたPosted by ブクログ -
栗城さんの事は全く知りませんでした。
確かにこの登山のスタイルは賛否両論あるでしょうね。
共有という言葉が一つのキーワードになっていますが、最終的には共有が栗城さんにとって呪いみたいな効果になってしまったのではないかと思いました。真っ直ぐで頑固で純粋がゆえに。もうこの世にいないという事が残念でなりま...続きを読むPosted by ブクログ -
何度もエベレストに挑戦したのは、彼にとって本当にやりたいことだったのか…?という感想を持った。
本書ではあくまでも作者から見た栗城さんが描かれているだけなので、ほかの視点から描かれた栗城さんについても知りたくなった。Posted by ブクログ -
非常におそろしい本です。
メディアの力によって奉られた
登山家、栗城史多。
ただただ、おめでたい人だったのかもしれない。
無計画だったのかもしれない。
芸人だったのかもしれない。
しかし、それをつくりあげている共犯者は
僕たち一般人なのである。
最終章に震えます。Posted by ブクログ -
カッコ悪いところを見せられることが、一番かっこいいのに。
話題性とユニークなキャラクターで一躍有名になり、「No Limit」「否定という壁への挑戦」という言葉を掲げてエベレスト登頂を目指すも、2018年に山中で滑落、不慮の死を遂げた栗城史多さん。彼の活動初期を共にしていたTVディレクターによるノ...続きを読むPosted by ブクログ -
栗城さんのことは亡くなった時のニュースでしか知りませんでしたが、なぜここまで世間から賛否両論の注目を浴びたのかよくわかりました。
人を惹きつける才覚と嫌われる才覚は紙一重だなあと。Posted by ブクログ -
栗城史多、一時夢中でネットを追いかけていたけれど、途中から胡散臭さを感じて離れた。
本当はどうだったんだという疑問にやっぱりなと納得できたと同時に、彼の取り巻きはそれを知っていて、ウソを真実かの如く発信していたと想うとさらに腹立たしい。
そう非難されるたくないから取り巻きはすべからく取材拒否。まった...続きを読むPosted by ブクログ -
新聞記者やTVドキュメンタリやってる人たちの本を何冊か読んできて、取材対象に近づくことで、自身も対象化するのだなと、思うようになった。それが味にもなるんだけど。番組制作ではない部分で追いかけるようになってからの著者の思索の過程が考えさせる。Posted by ブクログ