北原一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあらすじと装丁に惹かれて読んだ。
終盤の夜の体育館でのシーンは特に引き込まれた。2人の、互いを傷つけないように慎重に言葉を選ぶところ、人の弱いところを茶化さずに誠実に受け止めるところが本当に素敵だと思う。
槙野の、"人って、優しい人がそばにいると、優しくなれるんだよ"という言葉が印象に残った。その言葉どおり、夕作と槙野の周りにいるクラスメイトはみんな優しい。
それから、2人が秘密を打ち明ける場面が大体夜で、静かな場所だったのも印象的だった。新聞配達を終える頃の夜明けの公園、修学旅行の就寝時間後の川沿い、陽が落ちた後の病院の喫煙スペース、誰もいない体育館。夜の静けさには、 -
Posted by ブクログ
ネタバレすごく好きな話でした。
生まれつきの顔の痣のせいで、色んな所で傷ついて、人間関係にトラウマを感じるようになった主人公が、
優しい人たちに出会って、本来持ち合わせてる優しさであったり、新たな勇気や心を開いていく話でした。
この主人公も、ヒロインも、出会う友達も、誠実よね。
ものすごく言葉を大切にしている描写に、とても感情移入してしまって涙が止まらなかった。
気持ちや思いをできるだけ、意図が歪むことなく相手に届けたいけれど、それに見合う言葉がないもどかしさであったり、どういった態度なら伝わるかをこれだけ考えてる時点でこの子たちは優しいのよ…って思いました。
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ただ、
「優しい人 -
Posted by ブクログ
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孤独と傷を抱えた
〝ふたり〟が出会った夜。
優しい涙が溢れ出す、
感動の青春小説。
こんなにも
切ない秘密
があるのだろうか
(神木隆之介)
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Xのタイムラインで偶然知って、
タイトルと表紙に惹かれて購入しました。
デビュー作。
最近、よくデビュー作に出会ってる気がします。苦笑
日々、世に生み落とされていく物語。
本屋さんの本棚にも限りがあって。
ネットで知れる今はありがたいなあと。
キーンと寒いこの季節に、
この表紙がぴったりで、
三連休に読みたいと -
Posted by ブクログ
第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞したデビュー作。読書好きの友人から、おすすめされて読みました。
男子高校生の夕作まことは、顔にある痣をコンプレックスに思っている。彼は、両親と離れて祖母と暮らしており、祖母から化粧で痣を隠すための方法を教えてもらった。
夕作は、自分の秘密が露見することを恐れ、人と関わることを避けている。
“静かに暮らしたかった。凪いだ海のようにどこまでも何もない、透明な三年間を送りたい“
という彼の言葉からは、諦めと寂しさが感じられます。
ある日、新聞配達のアルバイトの帰りに夜明け前の公園でクラスメイトの女子・槙野と出会い、徐々に親しくなる。夕作は友