あらすじ
男子高校生の夕作まことは、顔にある痣を祖母から教わった化粧で隠して生活している。それがばれることを恐れ、誰にもかかわらずに過ごすことを望んでいた。ある日、新聞配達のアルバイトの帰りに、公園でクラスメイトの女子・槙野がタバコを吸っているところを目撃する。不良でもない槙野が何故……? 互いに“秘密”を抱えた二人は徐々に距離を近づけていくが――。第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞した感動の青春小説。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
優しさによって誰かの心が変えることができる人は素敵だなと思った。誰もが優しい心は持ち合わせているとは思うけど、深い悩みを抱えている人の気持ちを変えることができる人は本当に強く自分も何かを乗り越えてきた人なのだと感じた。私もただ優しくするだけでなく、相手がどうして欲しいのか、どうすれば気持ちを前向きに変えられるのか考えられる人間になりたいと思った。優しい人の周りには優しい人が集まるのは本当だと感じた。自分が自分であったから出会えた人々を大切にしていきたい。
Posted by ブクログ
----------------------------------
孤独と傷を抱えた
〝ふたり〟が出会った夜。
優しい涙が溢れ出す、
感動の青春小説。
こんなにも
切ない秘密
があるのだろうか
(神木隆之介)
----------------------------------
Xのタイムラインで偶然知って、
タイトルと表紙に惹かれて購入しました。
デビュー作。
最近、よくデビュー作に出会ってる気がします。苦笑
日々、世に生み落とされていく物語。
本屋さんの本棚にも限りがあって。
ネットで知れる今はありがたいなあと。
キーンと寒いこの季節に、
この表紙がぴったりで、
三連休に読みたいと思っていた一冊です。
主人公の夕作は、
顔にある痣を隠して生きている。
新聞配達をしている夕作が、
ある日の夜明け、
公園でクラスメイトに偶然出会う。
公園で煙草を吸っていたクラスメイトの槙野。
彼女の不思議で魅力的な性格が、
夕作を変えていく。
と言うと、よくある青春小説っぽいのですが。
ですが!
誰にだって話したくない過去や秘密はあるし、
それを負い目に感じる必要はなくて、
だけど自分自身のことは許せなかったりして、
都合よく相手に甘えたくなったりする。
槙野の交友関係が夕作にも影響を与えていくのが、
とても良かったです。
変に恋愛になったりせず、
大切だとか大好きだとかありがとうが
とても誠実でした。
もうすぐ40の私ですが、
まだまだ知らない物語に出会えるんだなって。
三連休中日、良い読書でした。
Posted by ブクログ
第9回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞したデビュー作。読書好きの友人から、おすすめされて読みました。
男子高校生の夕作まことは、顔にある痣をコンプレックスに思っている。彼は、両親と離れて祖母と暮らしており、祖母から化粧で痣を隠すための方法を教えてもらった。
夕作は、自分の秘密が露見することを恐れ、人と関わることを避けている。
“静かに暮らしたかった。凪いだ海のようにどこまでも何もない、透明な三年間を送りたい“
という彼の言葉からは、諦めと寂しさが感じられます。
ある日、新聞配達のアルバイトの帰りに夜明け前の公園でクラスメイトの女子・槙野と出会い、徐々に親しくなる。夕作は友人學できることに戸惑い筒も、完全には心を許していません。
“君は自分を心配してくれている人のこと、ちゃんと考えたことある?“
学校で唯一夕作の事情を知っている保健室の先生・野原の言葉は夕作の心に深く響きます。
夕作と槙野はそれぞれの秘密の深層部は知らずに、適度な距離を保ちながら交流する。槙野が学校を休みがちになっても、その理由は、友人や夕作には話さない。
物語は、甘酸っぱくて寂しい青春の感情を巧みに書き出しています。
“なんていうのかな…どれだけ深く繋がっていても、どうしようもなく分かち合えないものっていうのは、誰もが持っているものだよ“
この野原の言葉が、私の心にスッと入ってきました。
。
繊細で透明感ある文章は、心を温めてくれます。夕作や槙野たちと異なる悩みを持っていても、作品の一文一文に心が救われる感覚が得られるでしょう。
切なくて苦しいけど救われる青春小説が読みたい人におすすめ!
Posted by ブクログ
最後の方にぽろっとした。
顔に痣がある男子高校生が主人公の物語。
優しい気持ちになったなぁ。
友情にも感動した。
どんどん読み進んだ。読みやすい!
野原先生の言葉が意外と鍵
Posted by ブクログ
秘密を頑なに隠そうとする2人が、挫けそうになりながら、躊躇いながらも、自身のそれと向き合い、さらけ出し、受け止めて行こうとする姿に思わず「頑張れ!」と声に出して見守っていました。
その後の景色に私まで、歓喜の涙が出そうでした。
Posted by ブクログ
顔にある痣をメイクで隠している夕作まことはその事をクラスメイトである槙野にバレてしまう。しかし、槙野にも秘密があって、??
秘密を早く知りたくなるような進み方と繊細な描写がすごく良かったスラスラ読める。
Posted by ブクログ
顔のアザが原因でイジメにあっていた夕作。
アザを化粧で隠し、そのことがバレないようにビクビクしながら高校生活を送っていた。
そんな中、新聞配達の途中で、タバコを吸っているクラスメイトの槇野に会う。
ひとりて静かにやり過ごしたいと思ってきた日々が少しずつ動き出す。
槙野の隠したいことは何なのか気になったのと
読みやすい文章でするすると読めた。
Posted by ブクログ
繊細な空気が漂うタイトルとカバー写真(神木隆之介の撮り下ろしだそう)。うーん、やり過ぎな気がします。
作品は、秘密を抱える主人公夕作の感じる恐れや怯え、秘密を共有する槙野への連帯感、そして人間的な成長など、どの表現も素晴らしいのだが、それとは別に、さりげない学生生活のなか、秘密の共有の輪から外れた仲間たちの感じる疎外感や葛藤が繊細な筆致で描きだされてて、良作に仕上がってます。
ただ、男友達はひたすら優しく、女友達はみな聡い。悪人の登場しない世界は少し物足りなくもあるのは事実。そして、1人だけ闇に取り込まれてしまったような槙野の今後が具体的にはなんにも提示されていないのも不満。ま、槙野は大丈夫そうだけど。