北原一のレビュー一覧
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ネタバレ描写が繊細でとても美しかったです。特に情景描写。
それぞれの秘密がある夕作と槙野が関わっていくにつれて、夕作が豊かに優しく暖かくなっていき、最後に槙野が夕作に弱みと秘密を打ち明けて結ばれて良かったです。感動しました。
私も、自分のコンプレックスが嫌いで自信が持てず、人になかなか心を開くことができなかったのですが、とてもあったかい気持ちになり勇気が湧いてきました。
「どんなに辛いことや認めたくないことも、たった一人でも一緒に抱えてくれる人と出会えたら、もうそれでいいやって思えちゃうんだよね」この言葉がとても好きです。人が見たら引いてしまうような体の傷、わたしのコンプレックスを理解しようとし -
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お互い秘密を抱えながら、人には言えない「傷」を持っている二人が出会ったのを機に、段々と打ち解けていき、周囲のクラスメートと交えながら、高校生活を送っていく物語です。
主人公は夕作まこと。顔に痣があることで虐められていたが、新たな生活とともに化粧で隠すことで周囲からはバレずに送っていた。ある日、新聞配達のバイト中、クラスメイトの槙野がタバコを吸っている姿を目撃。なぜ、グレていないのに吸っていたのか?そこには、ある秘密が。
最初、夕作(ゆさ)は名前かと思ったのですが、苗字でした。祖母が言う「まこと」って誰?と混乱したのですが、夕作まことということで納得でした。
槙野の秘密は、最後の方で明らか -
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繊細な空気が漂うタイトルとカバー写真(神木隆之介の撮り下ろしだそう)。うーん、やり過ぎな気がします。
作品は、秘密を抱える主人公夕作の感じる恐れや怯え、秘密を共有する槙野への連帯感、そして人間的な成長など、どの表現も素晴らしいのだが、それとは別に、さりげない学生生活のなか、秘密の共有の輪から外れた仲間たちの感じる疎外感や葛藤が繊細な筆致で描きだされてて、良作に仕上がってます。
ただ、男友達はひたすら優しく、女友達はみな聡い。悪人の登場しない世界は少し物足りなくもあるのは事実。そして、1人だけ闇に取り込まれてしまったような槙野の今後が具体的にはなんにも提示されていないのも不満。ま、槙野は大丈 -
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❇︎
傷を抱えた主人公は周りの人と距離をとり、
誰とも深く関わらないように息を潜めて
ただ毎日をやり過ごすように生きていた。
そんな主人公が偶然クラスメイトと
話すようになったことがきっかけで、
周りに少しずつ人間関係ができていく。
傷ついた心。
自分を守るための嘘。
人との距離。
嘘をついている罪悪感に身を切る思いを
感じながらも、どうしとも踏み出せない一歩。
もどかしい気持ちと止まることが当然だと
理解して受け入れる共感。
夕作(うさ)や槙野と周りの人たちの
優しい想いに心が洗われます。
〜保健の先生の一言〜
君は自分を心配してくれている人のこと、
ちゃんと考えたことはある -
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ネタバレ青春時代には、ちょっとしたことでも思い悩むものだが、自分で直せる範囲であれば体型にしろ、勉強にしろ頑張れる。
だが、顔のあざとなるとどうだろうか。
男子でも人の目は気になる。
ここでは、あざを化粧で隠して息をひそめるようにしている男子高校生が、新聞配達中に公園でタバコを吸うクラスメートの女子と会うことから始まる。
お互いに心に抱えた傷を隠している。
とても切ない秘密。
胸に沁みた保健の先生のことば。
「自分のことを好きになれだとか無責任なことは言わない。けど、自分じゃなきゃ出会えなかった人たちを好きになることはできる」
いろんなことがあり、もやもやしたり諦めたり、投げやりになることがた -
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クラスで人気の女子生徒は実は隠れて喫煙をしていて、その裏には秘密が……と聞くと、難病でも患ってて自暴自棄になったか?と安易に推測してしまうが、さすがにそんなやりつくされた物語ではなかった。
非行といわれることをするだけの理由はあって、同じく秘密を抱える主人公の夕作はお互いの秘密に触れないようにしつつ関係を深めていく。
秘密が露見しないように臆病だった夕作がそれでもと一歩を踏み出す様子は感動的。
「俺じゃなきゃ、槙野に会えなかった」という一言は自己肯定であり相手の受容であり、自分の選択を誇る高潔さが表れていて素敵だ。
ただ、もう少しエンタメ的に盛り上げてもよかったんじゃないか。
作者の文章はと