坪子理美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
夫婦愛に泣ける「悪魔の細菌」-超多剤耐性菌 VS ファージ
「パターソン症例」(2016)という感染症分野で有名な症例があるらしいのですが、本書の共著者、トーマス・パターソン氏がまさにその「パターソン症例」その人です。
パターソン氏は抗生物質が効かない超多剤耐性菌のひとつアシネトバクター・バウマニという細菌感染で敗血症を繰り返し死の淵まで行きながら、妻(著者の一人、ストラスディー氏)の必死の努力で細菌を殺すウイルスであるファージによる治療を受けて奇跡の回復をとげまし。その実話を当時のSNSへの書き込みやメールのやり取りなどの記録を駆使して400ページの圧巻のドキュメンタリーができました。 -
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Posted by ブクログ
アレルギーに対する理解が深まった。アレルギーといっても人それぞれ様々に症例があり、発症する仕掛けも1つではなく、1人1人にカスタマイズされた病気というイメージをもった。
なぜ近代になってアレルギーが増えたかというと、腸内細菌などとの関わりが、共生細菌が対応できない加工品…人口的な添加物などで変わってきているのが一因、というところがとても納得感があった。ふと自分の周りを見渡すと、食べるものも肌に触れるものも自然のものはほとんどない事実に気付かされた。もちろん、それが原因と著者が断定しているわけではない。
きっと著者は誠実な人なのだろう。それゆえか、断定を避ける注釈が多く、また過去の誤りだと判明し -
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Posted by ブクログ
ジャック・アタリさんは新しいウィルスによるパンデミックを警告し続けてきた。そこへ今年2020年のコロナ・パンデミックが到来し、未曾有の社会的混乱が引き起こされた。
本書は都市封鎖による自宅待機のあいだに書かれ、6月にフランスで出版されたものに、恐らく7月に加筆されたものを和訳し、10月にプレジデント社から出版されたものである。まさに風雲急を告げる渦中に執筆されたわけで、世界中でのパンデミックの事態はその後も刻々と変化してきているため、こんな早期にコロナ禍に関する著書を出してしまってよいものかどうか、アタリさんも迷ったようだが、すぐにでも公開したいメッセージがあったと思われる。
世界各国に -
Posted by ブクログ
コロナ禍の執筆であり、主に感染症と人類の関りについて。「新しい世界」観は本著ではあまり語られないのが残念である、というのと、読書をした現時点では、既に「新しい世界」にいるはずだが、日常生活においては、体感的にコロナ前との大きな差がない。歴代の感染症ほどのインパクトは回避できたために、大きく変わらなかったという見方もできるのかもしれないと、本書を読んで感じた。
ー 166年のローマでは、アントニヌスの疫病と言われる感染症(おそらく天然痘) が20年以上続いた。251年、キプロスの疫病という新たな疫病により、ギリシャとイタリアの都市で暮らす人々が、またしても犠牲になった。541年ペスト菌を保有し