久保(川合)南海子のレビュー一覧
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「認知科学の概念『プロジェクション』とは、自分の内的世界を外部の事物に重ね合わせるこころの働き」だそうです。
以前読んだ『「推し」の科学』はこのプロジェクションのポジティブな面について書かれていて、今回はプロジェクションのネガティブな面について書かれています。
霊感商法、オレオレ詐欺、陰謀論、事故物件などこの世の中はネガティブなプロジェクションに溢れていることを身近な具体例から紹介していて、おもしろくてわかりやい!
人からどう見られてるか、とかあの人は自分のことこう思ってるんじゃないか、とか母親だからこうでなければ、とかそういうことも全て無意識のプロジェクションであって、思いこみを捨てたら「 -
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「推し」を科学的視点からみるってなんて新しくておもしろい!
「プロジェクション」という言葉、初めて知りました。
著者の視点がおもしろく、推し活、二次創作、腐女子、モノマネ、応援上映、コスプレなどからプロジェクションということを学ぶことができました。
私は子供の頃から常に何かに「はまり」、いわゆる「推し」がいて、世界が広がったり人生をキラキラ彩ってくれています。
本を読みながら、共感ポイント多数、この気持ちは認知科学的にそういうことなのね!という納得ポイント多数。
楽しめました。
特に、二次創作と研究活動の共通点の話、マンガやアニメの実写化におけるプロジェクションがおもしろかったです。
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「いまここにない」ことを想像して、「今ここにある」現実へ投射するプロジェクション。この言葉は、初めて知りました。
目の前にある現実は、みんなにとって変わらないはずなのに、なぜ人によって違うのか。会話が噛み合わないとか意見が異なるのはなぜか。価値基準とか生きてきた背景、性格と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。
オレオレ詐欺で高齢者が騙される背景に、社会で必要とされたいという気持ちが、人一倍つよく、それが身近な存在であれば、なおさら役に立ちたいという気持ちか、先に立ち。追い込まれた状況に置かれると視野が狭くなる。それを利用して、罠にかける。ホストや推しのアイドルなども、自分が助けないとみたい -
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「プロジェクション」という認知科学の概念を、推し活を通じて分かりやすく説明した本。プロジェクションは2015年にはじめて提唱された新しい概念で、「作り出した意味、表象を世界に投射し、物理世界と心理世界に重ね合わせる心の働き」を指すのだという。このプロジェクションという概念を用いて、腐女子たちがいかにして既存作品を元に異投射を行い(プロジェクション)、作品から立てた仮説的推論(アブダクション)を元にした二次創作を共有するかという説明は今まで見たことがなくて、とても興味深かった。そこにないものを見るだけでなくそれを他人とも共有するという人間の心の働きはそれを共有しない者にとっては奇妙に映るかもしれ
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プロジェクションサイエンスについては、こないだオーディブルで聴き終わった「心と現実」でなんとなく理解し、面白いな、と思ったので「推し」に特化したこの本を手に取りました。なんと作者さんが、「心と現実」を引き継いで刊行させた方の配偶者さんということが最後に明かされて、それがいちばんの衝撃でした。この事実を先にプロジェクションしてからこの本を読んでいたらどんな感じだったかなー、と思います。自分はこういう学際的な分野に興味があるので、これからの類書の発刊を注視します。あと、プロジェクションって、某レンガ本の新書ミステリィ作者の第1作のメイントリックに使われているよね?とも思いました。場合によっては人に
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「推し」についての心理学からのアプローチ。
主に「プロジェクション」についての論考。「投影」とは違うようだ。どちらかというと「共同幻想」に近いものかもしれない。
宗教もある種の「推し活」なのだなあ。
キーワードは「一体感」。
<アンダーライン>
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「推し」に救われたという経験は、自分をとりまく世界のとらえ方が変わったということなのでしょう。
★★★★
「推し」を応援すると、行動でも感情でも「推し」との一体感が生じる
★★★★★
プロジェクションとは、作り出した意味、表象を世界に投射し、物理世界と心理世界に重ね合わせる心の動き
★★★
二次創作は創造的誤読
★★★
プログラムどお