【感想・ネタバレ】「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何かのレビュー

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Posted by ブクログ

「推し」を科学的視点からみるってなんて新しくておもしろい!

「プロジェクション」という言葉、初めて知りました。
著者の視点がおもしろく、推し活、二次創作、腐女子、モノマネ、応援上映、コスプレなどからプロジェクションということを学ぶことができました。
私は子供の頃から常に何かに「はまり」、いわゆる「推し」がいて、世界が広がったり人生をキラキラ彩ってくれています。
本を読みながら、共感ポイント多数、この気持ちは認知科学的にそういうことなのね!という納得ポイント多数。
楽しめました。

特に、二次創作と研究活動の共通点の話、マンガやアニメの実写化におけるプロジェクションがおもしろかったです。

「『推し』に自分の時間や労力、時にお金をつぎこんで、直接的な見返りがあるわけではありません。けれど、そんなことはまったく問題ではないのです。そうすることが人間としての幸せであり、その行為だけでもう十分な見返りをもらっているのですから。」

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

「推し」のタイトルに惹かれて読んだ。
対象に自分なりの意味を加えることが「推し」と理解したが、「推し」だけでない、身の回りにあるもの、起こるものも「推し」の思考につながっていることが見えて面白く読めた。
推しがあった人、ある人が読めば「そうそう!」となると思うし、今推しがない人も「そういう見え方なのか」と発見がある一冊。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

「推し」についての心理学からのアプローチ。
主に「プロジェクション」についての論考。「投影」とは違うようだ。どちらかというと「共同幻想」に近いものかもしれない。
宗教もある種の「推し活」なのだなあ。
キーワードは「一体感」。

<アンダーライン>
★★★
「推し」に救われたという経験は、自分をとりまく世界のとらえ方が変わったということなのでしょう。

★★★★
「推し」を応援すると、行動でも感情でも「推し」との一体感が生じる

★★★★★
プロジェクションとは、作り出した意味、表象を世界に投射し、物理世界と心理世界に重ね合わせる心の動き

★★★
二次創作は創造的誤読

★★★
プログラムどおりに動かないのは、現実世界はノイズだらけだから

★★★★★
洞窟の中の壁画や彫刻は、仲間たちと物語を共有することで、集団としての絆をより強固なものにしたのではないか。この物語がプロジェクション。

★★★
サードマン現象

★★★★
ぼんやりした投射はその場にいる人に共有される。それが「マナー」です。

★★★★★
お守りはプロジェクション

★★★★★
物語とは不条理な出来事を受け入れるために、秩序を正しくしたい気持ちからできるのではないか

★★★★★
その人のプロジェクションによって見えているものを否定するのは、その人を否定すること

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2024年03月19日

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『推し』という概念を通して、人間がなにかに何かを投影する『プロジェクション』の営為とその精神的力強さを説明。具体例は少々冗長かもしれないが、言いたいことはとても良いと感じる。

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2023年11月28日

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最初は「KING OF PRISM」の推しの話だったのに、人間の認知の仕組み(認知科学)から、キリスト教の最初の教義の伝わり方、果ては3万2000年前に作られた彫刻「ライオンマン」やホモ・サピエンスが大航海をして居住地を広げた話にまで繋がってきたりして、途方もない広がりです。「プロジェクション」の例で「人間国宝が作った茶碗」の話は分かりやすい。「ロボットが落語を楽しむのは難しいかも」にはなるほど。日常生活において、「亡くなった人との“会話”=プロジェクション」からは、「すずめの戸締まり」を連想した。

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2023年02月07日

Posted by ブクログ

非常に身近な例を使って書かれているので、プロジェクションとは何か、大変分かりやすかった。自身の趣味(推し活)について、興味の対象について、新しい視点から俯瞰することが出来た。腐女子からノーベル賞まで話題も幅広い。

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2023年01月17日

Posted by ブクログ

「プロジェクション」という聞き慣れない言葉だけれど、推しを推す行為に重ねられると、すごく腹に落ちました。自分自身、二次創作もぬい撮りもコスプレもするので、「この行為すべて、プロジェクションなのか…」と思うと、面映い気持ちになりました。

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2023年01月15日

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流行に乗った安易な本かと思いきや、思いがけず深く広大な世界を垣間見させてくれた。「推す」とはすなわち「プロジェクション」(投影・投射)であり、二次創作や2.5次元、ぬい撮りなどもすべてこの心の働きで説明できる。そしてこのプロジェクションこそは、社会という「物語」を成り立たせている人間特有の現象である…。考えてみれば神話も宗教も貨幣も国家も法人も、人間の心が作り出したイメージの「投影」なのだから。「推し活」からこんな壮大な人類史がひもとけるとは思いもしなかった。

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2022年11月17日

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プロジェクションとは作り出した意味、表象を世界に投影し、物理世界と心理世界に重ね合わせる心の働きを指している、という鈴木宏昭の定義が説明されていた。それだけではなく、ファンの心理も実験で紹介されていた。心理学以外の認知心理の概説本としては良い。

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2022年10月31日

Posted by ブクログ

面白かった!
腐女子をやっていたこともあるし推しもいる身なので共感しながら読めた。
応援ひいては分け与えることの幸福と、プロダクションやそれに伴う物語は感覚として感じたことがあったものの言語化した事がなかったので実験の話と共に読めてとても勉強になった。


トラウマ的体験に対し、物語を作り出すことで解消や折り合いをつけようとする様は梶井基次郎の『桜の樹の下には』も思い出す。
物語は感情を変化させる術かもしれないと思いました。

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2022年09月17日

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「推し」を通して「プロジェクション」を学ぶ。
なるほど…「投影」ね。
「推し活」の不思議を解明してくれた。
特別に変なことではない、ってこと。
ただし、その「投影」は人それぞれであって、多様性を認めないとコミュニティとしては成り立たないわけだ。どの世界も多様性を学ばないといけないね。
推し活で、人生に彩りを!

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2024年03月14日

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2024.03.04 とても楽しく読ませていただいた。プロジェクション・サイエンスをよく知らなかったのでとで勉強になった。著者の方の人間性が本のそこかしこに出ていて、とても素晴らしい研究者の方なんだなぁと思いました。

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

本書の「おわりに」の中に、「私の『推し』はプロジェクションだったんだ!」という筆者の言葉が書かれています。そして、自分自身プロジェクション研究に対して行っていることそのものが「推し活」そのものであったのだという筆者の気づきが表明されています。
本書の特徴は、このエピソードに語り尽くされているように思います。

「『推し』の科学」というタイトルから誤解されることもあるようなのですが、本書は、むしろ「(誰か・何かを)推す」という行為のありよう、「推し」文化といったものについて科学的に解説した書籍ではなく、むしろ「推す」という行為やそれにかかわる文化現象を入口に、プロジェクション・サイエンスの魅力をより広い人々に発信しようとすることをねらった書籍だと思います。
まさに、プロジェクション・サイエンスの「推し」活として発刊された書籍といえるでしょう。

プロジェクション・サイエンスに魅了され、その「推し」活として書かれている本なので、同じ対象を「推す」ことができず、見えているものどころか、世界の「見え」そのものが異なる私のような人間にとっては、見えている世界の異なりばかりが印象に残ってしまいました。

もっとも自分の中で受け容れがたかったのは、「通常の投射」「虚投射」「異投射」という考え方です。本書を最後まで読んでいくと、一人ひとりによって異なるものとしてのプロジェクションについて言及されていると思われる箇所もあり、そうであればなぜ、「通常の投射」という考え方を提示する必要があったのだろう…としばらく悶々と考え続けてしまいました。

他の人々と共有可能な「通常の投射」なるものを想定できず、世界の「見え」の多元性を前提に議論してきた人間にとっては、何が「通常」で「虚」で「異」であると言えてしまうのか、というところで引っ掛かってしまい、それ以降の議論をしっかり理解しきれなかったところがあります。
この他にも、用語の意味がいつの間にかずれてしまっているように感じるところがあり、最後まで、自分が「きちんと読めた」「理解できた」と思えないまま、「おわりに」に辿り着いてしまいました。

一方、プロジェクション・サイエンスっていろいろなことが分析できそう!すてき!という魅力そのものを伝えることには、成功しているのだと思います。「プロジェクション・サイエンス」という言葉を聞いて「なにそれ?」と思った人が「面白そう!知ってみたい!」「もっと関わりたい!」と思うためのルートはしっかり確保されているように思います。そういう意味では、新しい認知科学のキーワードを知って、自分の身の回りの現象を語りあって盛り上がりたい方には、おすすめだと思います。

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2023年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「推し」=受け身的な愛好だけでなく能動的に何か行動してしまう対象
 応援すると行動でも感情でも「推し」との一体感

プロジェクションと その共有
 意味表象を世界に投影、物理世界と心理世界を重ね合わせる心の動き 
 妄想 アダプクション=最善の説明への推論
  二次創作 科学理論の醸成

認知科学と人工知能
 モデル 情報の流れの図示
 
推し=お守り 認知活動

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2023年01月02日

Posted by ブクログ

プロジェクションという概念は、「大好きなもの(推し)の世界」と現実(自分)とを結び付け、いろいろなモノ、コト、ヒトを価値付けることで、見えないものが見えてくることというのが面白かった。

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2022年10月23日

Posted by ブクログ

感想
推しを脳内で生成する。生き生きとした表象は脳内を脱出し、共有されコミュニティを形成する。独立したイメージは外部環境として相互作用を見せる。

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2022年09月09日

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