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認知科学で見る、人間の知性
推し活、二次創作、2・5次元、モノマネ、応援上映、ぬい撮り……
漫画やアニメの登場人物に感情移入し、二次元の絵や映像に実在を感じる。
はたまた実際に出会い触れることはほとんどないアイドルやアーティストの存在に大きな生きる意味を見出す。
これらの「推す」という行為は、認知科学では「プロジェクション・サイエンス」と呼ばれる最新の概念で説明ができる。
「いま、そこにない」ものに思いを馳せること、そしてそれを他者とも共有できることは人間ならではの「知性」なのだ。
本書では、「推し」をめぐるさまざまな行動を端緒として、「プロジェクション」というこころの働きを紐解く。
はじめに
第一章 ♯「推し」で学ぶプロジェクション ―応援―
第二章 プロジェクションを共有するコミュニティの快楽 ―生成―
第三章 「推し」との相互作用が生まれるとき ―育成―
第四章 ヒトの知性とプロジェクション ―未来―
第五章 とびだす心、ひろがる身体 ―拡張―
第六章 プロジェクションが認識世界を豊かにする ―救済―
(本文より)
「推し」に救われたという経験は、「推し」が自分に直接なにかしてくれたということではありません。
「推し」によって自分がなにかに気づいたり、自分がなにかできるようになったり、自分をとりまく世界のとらえ方が変わったということなのでしょう。
あらためて考えてみると、このような自分のありようとこころの変化は、本書のテーマである「プロジェクション」がもたらす事象そのものです。
はじめて聞いたという人が多いと思いますが「プロジェクション」とは、こころの働きのひとつで、認知科学から提唱された最新の概念です。
Posted by ブクログ 2024年03月18日
「推し」を科学的視点からみるってなんて新しくておもしろい!
「プロジェクション」という言葉、初めて知りました。
著者の視点がおもしろく、推し活、二次創作、腐女子、モノマネ、応援上映、コスプレなどからプロジェクションということを学ぶことができました。
私は子供の頃から常に何かに「はまり」、いわゆる「...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月08日
「推し」のタイトルに惹かれて読んだ。
対象に自分なりの意味を加えることが「推し」と理解したが、「推し」だけでない、身の回りにあるもの、起こるものも「推し」の思考につながっていることが見えて面白く読めた。
推しがあった人、ある人が読めば「そうそう!」となると思うし、今推しがない人も「そういう見え方なの...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月19日
「推し」についての心理学からのアプローチ。
主に「プロジェクション」についての論考。「投影」とは違うようだ。どちらかというと「共同幻想」に近いものかもしれない。
宗教もある種の「推し活」なのだなあ。
キーワードは「一体感」。
<アンダーライン>
★★★
「推し」に救われたという経験は、自分をとりま...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月07日
最初は「KING OF PRISM」の推しの話だったのに、人間の認知の仕組み(認知科学)から、キリスト教の最初の教義の伝わり方、果ては3万2000年前に作られた彫刻「ライオンマン」やホモ・サピエンスが大航海をして居住地を広げた話にまで繋がってきたりして、途方もない広がりです。「プロジェクション」の例...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月17日
流行に乗った安易な本かと思いきや、思いがけず深く広大な世界を垣間見させてくれた。「推す」とはすなわち「プロジェクション」(投影・投射)であり、二次創作や2.5次元、ぬい撮りなどもすべてこの心の働きで説明できる。そしてこのプロジェクションこそは、社会という「物語」を成り立たせている人間特有の現象である...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月17日
面白かった!
腐女子をやっていたこともあるし推しもいる身なので共感しながら読めた。
応援ひいては分け与えることの幸福と、プロダクションやそれに伴う物語は感覚として感じたことがあったものの言語化した事がなかったので実験の話と共に読めてとても勉強になった。
トラウマ的体験に対し、物語を作り出すことで...続きを読む
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