カンザキイオリのレビュー一覧
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ボーカロイド作曲者でもある作者の、同名音楽作品をモチーフに書かれた小説だそうです。文庫版を書店で見かけて、タイトルが気になったので買ってみました。
主人公の千尋は中学生の頃に恋人だった流花を失います。そして惰性で生きるように27歳になった千尋の前に、流花と似た少女、瑠花が現れて…。
高校生たちが置かれた、息苦しく狭い世界で必死に生きようとするうちに歪んでいってしまう描写がなんとも痛ましく、こちらまで息苦しくなるような閉塞感を覚えました。最悪の事態を避けるべく奔走する登場人物たちを眺めながら、そうはいっても誰かが助けてくれるって保証もないからなぁとすこし冷めた目線で物語を見つめてしまいました。全 -
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「あの夏が飽和する」の世界観が好みだったため、その著者であるカンザキイオリさんの最新作も手に取りました。罪悪感に囚われ、生きる希望を失った若者たちの葛藤は読んでて苦しいながらも心地よい感じがありました。
以下あらすじです。(webサイトより引用)
その日、姿夜(すがや)は琥太郎(こたろう)の遺体を発見した。事故か自殺か、それとも……
心ない噂が飛び交う中で、姿夜は高校の先輩・美生心(みおこ)と調査をはじめる。すると、次々に浮かび上がる衝撃の事実。さらに、溢れ出す家族の闇と苦悩。はたして、琥太郎とは何者だったのか。
呪縛から抜け出すために、姿夜が下した決断とは?
すべては、目を逸らし続けていた -
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記憶を失った状態で 童話のキャラクター達が暮らす物語管理局へと転生した少女
少女が自分の名前を探しながらその世界に転生した意味をみつけていく
綾崎さんについて ほとんど知らないけれど なんか好きかもと続けて読んでみました
この作品も事前情報ないまま 物語の世界へ
管理局から指名され 物語の中の不幸な部分をお直しするために その世界へと飛び込んでいく
物語の魅力に目覚め始めた頃に読んでいたら
興奮していたと思う
夢みる頃に夢を見せてくれるお話
最後にカンザキイオリさんの楽曲が掲載されていて、読者から募集した物語を楽曲化
この楽曲の小説化というところでしょうか
どれもこれも全く詳しくなくて -
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私の中でカンザキイオリさんといえば【命に嫌われている】という曲を作った人!
YouTubeで切ない歌詞と駆け上がるようなサビのメロディに心を揺さぶられ好きな曲となりました。
そんな人が書いた本であれば、読みたくなるのは必然で、丸善で平積みされているところに作者の名前が目に入ったのが本作との出会いです!
題名と同じ曲もあるようですが、その曲は本作の主人公の一人である千尋が中学生の時に体験した恋人との旅と別れの話になります。
本書を読む前、若しくは読んだ後にYouTubeで見たほうが物語に奥行きができるような気がします。
是非聴いて頂ければと思います。
あの夏、流花は旅の果てに自ら命を絶 -
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「生きづらさ」について考えてしまう作品だった。
自分の境遇は登場人物たちとは比べるのも失礼なレベルだけど、ところどころ、彼らの生きづらさに共感してしまった。
そして、彼らの生きづらさは、読む人によって共感でき許せるものと、許せないものがあるのかなとも感じた。
私は瑠夏やたけるくん達子どもの生きづらさにはすごく共感が持てたが、他の大人達にはなんだこいつという感想しか持てなかった。
特に父に関しては終始何がしたいのかよくわからなかったが、多分、これも見る人によって感じ方が変わるのだろうなと思った。
世の中にはいろいろの人がいて、笑ってる人も泣いてる人も怒っている人も何も考えていなそうな人も、みんな -
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「命に嫌われている。」は知ってる気がする。と、読んでみた。
段々と物語に引き込まれていって、2人の関係にニヤニヤしたりもした。
物語を紡ぐって、音楽を奏でるって、本当に素敵だと。
誰かに想いを伝えたいという気持ちは私自身も持っており、だからこそXで日々呟いているんだろうな。
でも、以前のように歌詞を書いたり長めの詩を書いたりしなくなったな…と。
本当に誰かの爆弾になれるようなものをいつか出したい、出すぞ!
色々な視点や日記から物語が展開され、謎も含まれていて、気になり気になり没頭して読めた。
春樹が雪にした事の意味が分かるようで分からない。
どうにも。
春樹の中でいくつもの感情がひし -
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今まで自分が読んでいたのと違うジャンルを読んだ。
不思議で独特な世界観と設定が面白かった。
「裸の王様」の部分は、特に面白いのと同時に読者にも大事なものを教えてくれる内容だったと思った。
ただ、展開や今後の展開はなんとなく予想が付いてしまう部分も否めず、同時に登場人物全員が「綺麗」であった為に、特別驚愕し震えた!と言うことは無かった。ただ、これはミステリーでは無く、加えて単なる個人の感性によるものなので、このジャンルが好きな人は是非読んでみても良いと思う。
文中の言葉も難しいものは特に無かったので、中学生くらいでもスイスイ読めると思う。
楽曲もある面白いジャンルなので、そちらも合わせて聞く -
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とても素敵な表紙。えっと、材質の選び方が上手い。
プラスチックのようなカバーで、イラストが本の本体の淡い背景にマッチしている。
綾崎隼さんの本は、「死にたがりの君に贈る物語」が好き。
この本は、
アンデルセンの物語がわかる人は面白いと思う。
物語の中で不幸になったものを救う物語管理局。
ファンタジーで、お!と思った。
王子様も出てくる。
素敵。
SF要素もある。
どのようにして、物語の不幸な登場人物を救うのか?
ワクワクする。
意外な展開に驚く。
王子様の正体にびっくり。
読者から募集した物語を
カンザキイオリさんが楽曲化。
「それを世界と言うんだね」
を綾崎隼さんが小説化したもの。
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人は人と交わらないと生きていけないのだ。
交わって、依存して、すれ違わないと何者にも、何にもなれない。
私は私だけのもので、私がどんな人間になるかは、私だけが決められる。
一瞬一瞬を大切に生きなきゃ。
その全てが風化していくのよ。
二作品目というのは、ずいぶんとプレッシャーなのだ。
好きなように好きなものをやりたい。
好きな人に、好きだと言いたい。
好きなものを、好きなように書きたい。
頼ろうと思っていたわけじゃないけど、助け合うのが人間じゃん。
自分のためじゃなく、誰かのために空気を読む。
誰かのための特別な人間でありたい。
見返りがないと、好きと言い続けるのは苦しいことに。