吉田満梨のレビュー一覧
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◾️起業家的方法の発見
この発見は、大きく2つの意義を持つものでした。1つは、新たな事業や企業、市場を作り出す起業家による偉大な成果というのは、彼らの特性や資質によるものではないことを明らかにしたという意義です。世の中の起業家と呼ばれる人々の成功は、彼らが特別な人々である(たとえば遺伝的特性や特別な性格、資源を持っていたが)ゆえに実現されたわけではなく、問題解決のために共通の論理・思考プロセスを活用した結果であることを、実験結果は示唆するものでした。つまり、その論理はどのような人々にとっても、学習可能なものであることが主張されたのです。実際に、エフェクチュエーションの発見以降、その考え方は世 -
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破壊的イノベーションを起こさなければ成長戦略は描けず、成長しなければ企業の「人・設備」は古くなり、競争から引き離され、環境変化にも追随できなくなる。こうした文脈で最近語られる新規事業や革新のキーワードの一つが“エフェクチュエーション”。
コンサル企業は、こうした“横文字”のフレームワークを提供することで価値を作る商売でもあるため、その界隈では似たような語彙と発想が拡散し、いかにも“シゴデキ”を演出する感染現象が生まれていく。
私もある会合でこの手の人たちから「エフェクチュエーション」と持ち出された時、思わず、アンケート結果を切り貼りしただけのような商品をあたかも“再現性のあるメソッドである -
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ネタバレ・コーゼーションとエフェクチュエーション
・損失の許容可能性は自信や動機の強さに連動する
・人生が酸っぱいレモンを与えるなら、レモネードを作れ
・3種類の壺:ナイトの不確実性
・何ができるかを発想する「手中の鳥の原則」、行動へのコミットメントを決定する際に用いる「許容可能な損失の原則」、他者との相互作用における「クレイジーキルトの原則」、予期せぬ事態に対処する際の「レモネードの原則」、コントロール可能な活動に集中し、予測でなくコントロールによって望ましい結果に帰結させる「飛行機のパイロットの原則」
・巻き込み力だけでなく、巻き込まれ力も意識
・ワークグラム -
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ネタバレエフェクチュエーションの本質は「不確実性を創造のエネルギーに転換する5原則」にある。特に重要なのは手中の鳥原則による既存リソースの再評価だ。自社の人的資本・物理資産・関係資本を可視化し、意外な組み合わせから新価値を生み出す。例えば空き倉庫をAI学習拠点に転用するような発想がここから生まれる。
許容可能な損失の原則では、リスク管理のパラダイムシフトが起こる。従来のリターン最大化思考ではなく「失ってもよい範囲」を明確に設定することで、迅速な意思決定が可能になる。計算式「当期利益×0.3+遊休資産評価額」は具体的な指針となる。
レモネード原則は失敗を逆転させる技術だ。製造ミスを商品特徴に転換した -
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新規事業を始めようと思うと、どうしてもまずきちんと事業計画を立て、収益性を検証して…と事前の準備に時間をかけてしまいがちだが、エフェクチュエーションの考え方なら、手持ちの資源があり、リスクが許容できる範囲ならやってみたらいいじゃないか、という理論だと感じた。新規事業や起業は、堅苦しく考えず、もっと気軽に考えたら?というメッセージだとも思えた。
結局は、それがビジネスとして成功して継続できるかどうかは、その人の信念や「自分とは誰なのか?」と乖離が無いかどうかが重要で、行動と思考が合致することが必要なのだろう。
サラス・サラバシーの本を断念した身としては分かりやすく読みやすい内容だった。 -
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コーゼーション(因果論)
環境分析による最適な計画 目的が明確で資源豊富、予測可能なものに限る
ステージゲートシステム、セグメンテーション マーケティング ポジショニング
エフェクチュエーション(実行理論)
予測ではなく、コントロールによって不確実性に対処する思考様式
1.手中の鳥の原則 :目的主導ではなく、手持ちの手段主導で新しいものを作る
Who I am 誰か? What I know 何を? Whom I know 誰を? Slack 余剰資産?
2.許容可能な損失の原則:リターンの大きさではなく、損失が許容可能かに基づく
小さな歩幅で第一歩 行動しない -
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デジタル時代における競争環境の変化を前提として、それに対応すべく、組織や人材のあり方など、日本企業にとっての総合的な経営課題についての論文が30本掲載されている。今回のコロナが今後の経済や社会のありかたをどう変えていくかというヒントになるかと思い手にとってみた。
2018年の出版ですでに2年が経過しているが、出版時点でも既に過去のものと認識されていたはずの伊藤ハムのハム係長の事例など、すでに古さを感じる内容も含まれている。書中、デジタル時代の環境変化の速さとそれに対する組織や意思決定のスピード感がなんども強調されているだけに残念である。
全ての章において一貫してるのは、時代の変化に対応して