周浩暉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
周浩暉『7人殺される』ハーパーBOOKS。
何度も何度も刊行予定が先延ばしになり、ようやく刊行。半年以上は延びたのではないだろうか。
ハヤカワから刊行された『死亡通知書 暗黒者』の前日譚にあたる前作の『邪悪催眠師』でも主人公を務めた凄腕刑事の羅飛を主人公にした中国の警察ミステリー小説である。
読み進めば『邪悪催眠師』の続編であることが少しずつ見えて来る。となると俄然、『死亡通知書 暗黒者』も読みたくなるのだが、勿体ぶるだけでなかなか文庫化しないドケチなハヤカワでは期待は出来ないだろう。
タイトル通りとするならば、作中で『7人殺される』のだろう。異常な状況で遺体となって発見される被害者た -
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2024年の41冊目、今年のラストを飾るのは、周浩暉の「7人殺される」です。華文ミステリーです。周浩暉の本を読むのは、「死亡通知書 暗黒者」以来です。主人公は、共に龍州市公安局刑事隊長の羅飛(ルオ・フェイ)です。
全体を通して催眠が大きな鍵となっています。が、決して、荒唐無稽なオカルト話で終わっていないのは、本格派の刑事小説という土台が、しっかりと出来ているからだと思います。7に引っ掛けた構図も面白く、細かな伏線も作者の技量を感じます。
事件の真相は、中国社会の冷たさと欺瞞を炙り出します。主人公の羅飛が、自らの信念を曲げてまで、導き出したラストが何とも言えません。
☆4.5 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初にテンポよく陰惨な事件が起こる。
バイオハザードファンがゾンビのように人の顔面を噛みちぎる、自分が鳩になったと思い込んで無防備に空に身を投げる…それが催眠術のせい?という引きの部分がめちゃくちゃ面白くて、ぐんぐん引き込まれた。
ところが。
過去の話、催眠術とはという話、催眠術合戦…と長々続き、なかなか進まない。
あれもこれも実は催眠ね、という感じで話が進み、催眠でした〜はい3歩下がる〜という感じなのだよね。全てが怪しくてスリリングに進むというよりは、話が進んだかと思うと催眠が挟まれて元に戻っちゃうので、テンポが殺されてる感じなのだ。読みづらい。前提がひっくり返るワクワク感よりも、え、ま -
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周浩暉『邪悪催眠師』ハーパーBOOKS。
ハヤカワから刊行された『死亡通知書 暗黒者』の前日譚にあたる珍しい中国の警察ミステリー小説。
最初は慣れない登場人物の名前に戸惑うものの意外にもサクサクと読める。催眠術による殺人事件扱ったミステリーというのが面白く、次々と明らかになる事実と謎に包まれた真相に興味は深まる。
しかし、突如として被疑者が浮上したり、美人看護師が僅か3日で天才催眠師に変貌したりと凡そ納得出来ないような展開もあり、ストーリーに粗さを感じる。と、思っていたら、そういう風にストーリーが展開し、このような結末ならばと少し納得出来るような気もする。
最初に描かれた運転手の男の顔 -
Posted by ブクログ
「仕掛けの凝ったミステリー」ドラマで、あまり難しいことを考えずに没入して楽しむことができた。
警察官の死亡事件を解決すべく作られた個性的な専従班メンバーが、過去の事件から引きずられた謎と、次々と発生する予告殺人事件に翻弄されながら、革新へ近づいていく。
決して「仲間同士の団結が解決につれ高まる」ような感動ドラマではなく、どちらかというと「硬派」な感じのメンバー個々の思惑が交錯し、疑心暗鬼を生み出すというドラマ。
時より、メンバーの心理・行動解説を想像してくれる犯罪心理学専門メンバーの慕剣雲や、情報を整理してくれるIT関連エキスパートの曾日華がいてくれて、とても助かった。
わざとじゃないか