倉橋耕平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
リベラル左派の人たちはしばしば「ネット右翼はきっとこんな人間だろう」と語るが、それは多くの場合、色眼鏡を通した思い込みにすぎない。
また、ネット右翼とオンライン排外主義は混同されがちだが、実際には両者の間に微妙な違いがあり、その区別を曖昧にしたままでは現状を正確に把握することはできない。
本書は、平成以降の政治や社会の動きを背景に、ネット右翼がどのように生まれ、どのような人々が共鳴し、どのように影響力を増してきたのかを丁寧にまとめている。
私自身、これまでネット右翼の人々についてぼんやりとした印象しか持っていなかったが、この本を読むことで、彼らがどのような理屈や背景から右翼的な思想へ傾いて -
Posted by ブクログ
90年代のサブカルチャーにおける言説を通して、右翼サブカルチャーのメディアがほんとにユーザーフレンドリーだったんだなーと感心した。大衆の目線で、偉ぶらず賢ぶらず、地道に支持を獲得してきたんだなーと。
翻って左翼は何をしていたかというと、インテリたちは小難しい議論を展開し、高齢化した市民運動家たちはお経のように戦争反対戦争反対と唱え、少しずつ大衆の支持を失ってきたんだなーと思う。
左翼はこの本を読むことによって過去を反省し、現在を分析し、未来に活かさなければいけないと思う。しかし私の周りの左翼インテリは相変わらず大月書店のお花畑本ばかり読み、市民運動家は戦争反対戦争反対と唱えており、絶望は深まる -
Posted by ブクログ
ネトウヨ
嫌韓・嫌中
慰安婦問題はデタラメ
ホロコーストは無かった
ヘイトスピーチ
などなど、日頃、「こういうのおかしいよなぁ」と思っている事について知ってみたくて読んでみました。
上記のような思想的傾向を「歴史修正主義」というそうです。
この歴史修正主義に対して向き合い、評価し批判するために有用な本だと思います。
「はじめに」に本書の目的-歴史認識問題の現状を正確に把握し、未来を考えるきっかけを作る、と書いてあり、その目的に沿った5つの章と最後の座談会が配されておりいずれの論考も面白い。
わたしには特に以下の章が読み応えがありました。
第二章 植民地主義忘却の世界史
第四章 「自虐史観」批 -
Posted by ブクログ
日本国内の歴史修正主義の問題点や歴史修正主義の議論への対応に対する検証はもちろん今でも意味の大きい議論だとは思う。また、2020年に本書が出版されたこと自体にも大きな意味はあったと思う。
ただ、出版後2年でいろんな出来事があったり、いろんなことが分かったりした今読んでも、タイミングが遅すぎた
他方で、旧宗主国と旧植民地との関係に視野を広げた議論や、その関係性の議論をベースとした日本と韓国、アジア諸国との関係の議論は、高校の世界史で習っている歴史が基礎となってきる議論のはずなのにあまり考えていなかったことに気づいた。自分にとっても視野がが広がったと思う
4勝以下は流し読み