【感想・ネタバレ】歴史修正主義とサブカルチャー 90年代保守言説のメディア文化のレビュー

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Posted by ブクログ

90年代のサブカルチャーにおける言説を通して、右翼サブカルチャーのメディアがほんとにユーザーフレンドリーだったんだなーと感心した。大衆の目線で、偉ぶらず賢ぶらず、地道に支持を獲得してきたんだなーと。
翻って左翼は何をしていたかというと、インテリたちは小難しい議論を展開し、高齢化した市民運動家たちはお経のように戦争反対戦争反対と唱え、少しずつ大衆の支持を失ってきたんだなーと思う。
左翼はこの本を読むことによって過去を反省し、現在を分析し、未来に活かさなければいけないと思う。しかし私の周りの左翼インテリは相変わらず大月書店のお花畑本ばかり読み、市民運動家は戦争反対戦争反対と唱えており、絶望は深まるばかり。

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2018年03月14日

Posted by ブクログ

歴史修正主義のメカニズムについて、90年代の日本のメディア状況から論じている。
歴史修正主義の構成要素はアマチュアリズムと市場原理である。事実より説得力による論破、雑誌においての読者参加形式の普及、などの複合的要因により、歴史修正主義が広まっていったことをコンバージェンス文化=消費が各プラットフォームを横断し、消費者も参加する状況、というキーワードでまとめている。
学術的で、しっかりとした方法論をとっている社会分析だが、題材的にも文書的にも非常に読みやすい。

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2019年02月06日

Posted by ブクログ

メディアに表れる保守言説を、「何が語られたか」ではなく「どこで/どのようにして語られたか」に注目して分析した書物。90年代に焦点をあて、雑誌による読者を巻き込む仕掛け、「ディベート」や漫画の使われ方、新聞報道分析とイメージの定着(「朝日の捏造報道」など)を図る手法などを通して、コンバージェンス文化(複数メディアの収斂、人々の参加、集合的な知の形成)が立ち上がる過程を描く。

「アマチュアリズム」と「参加」が、商品化したメディアとの相互作用により、特定の知が総合的に立ち上がる様を描いた、見事な現代メディア論。

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2018年11月23日

Posted by ブクログ

内容は,よくまとまっていてわかりやすかったが,もう少し砕けた表現で書いた方が,普通の読者には伝わるかなぁ,と.
あと,結局,解決策についてはなんとなくボカして逃げた感じが残念.
明確で具体的肯定的な草の根的運動の提言があっても良かったと思う.

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2018年05月22日

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