あとがきまで全て読んだ上での感想です。
本編は非常に興味深く、翻訳家の文章も巧みでした。一気に読みすすめられます。
ただ所々、日本人として非常に複雑になる表現があります。
ルーツが朝鮮半島であっても、日本国籍を持っていれば日本人という認識です。
「コリアン系日本人」が在日朝鮮・韓国人を指すと言うので
...続きを読むあれば、作者のミスリードも甚だしいと考えます。前述の通り、日本国籍の方を指しているのなら問題は無いのですが。
日本の血統主義を皮肉るのも良いですが、二重国籍を認めない理由なども考察して欲しいですね。
ノアやソロモンのような人物は、現実社会で差別されることは少ないと思います。
モーザスはどうでしょうね、すぐに手が出る若い男性は日本人であっても鼻つまみ者になると思うのですが、それは差別なのでしょうかね。
朝鮮半島がなぜ併合されたのか、世界史的な視点から省みれば、けして日本のみを非難してはいけませんし、作中でも李氏朝鮮が腐っていた事実の指摘はありますので、けして日本批判ばかりの反日小説とは言い切れません。
国籍についての認識は、作者と相容れないなと強く感じました。