ミン・ジン・リーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ韓国併合~戦後にかけて日本に渡った在日コリアンたちの、四世代に渡る物語。日本の社会に馴染みほとんど日本人のように生きていて、それでもルーツは分断する前の朝鮮で。帰化するかあるいは韓国籍か北朝鮮籍を選ぶ、そのことに割りきれない思いを抱く在日コリアンの気持ちが痛いほど伝わってくる。
おそらく多くの日本人が無意識に内在してしまっている在日差別・ガイジン差別も突き付けられてしんどいけど、日本人はもっと歴史に向き合わなければならないなと痛感させられた。
海外の人が描く日本て違和感を抱くことが多いけど、この『パチンコ』は日本の描写の解像度がすごくて、引っ掛かることなく読めた。ちょうど朝ドラで在日コリアンのことを取り上げているときに読んでいたので、ドラマの登場人物の気持ちと重ね合わせて読めたのもよかった。 -
Posted by ブクログ
日韓併合下の朝鮮で生まれ、貧困の中で育ち、ハンスと恋に落ち息子を授かり、イサクの愛に守られながら大阪へ渡る。
今の私たちには想像もできないような貧困と差別の中、控えめに誠実にたくましく、愛する家族のためだけに生きる女性ソンジャ。
在日韓国人を韓国人の視点から書かれているが、日本を糾弾する内容ではなく、全ての登場人物を愛情を持って書いている点が素晴らしい。
1940年代の在日韓国人の生活に、こんなにも引き込まれて読めるのは、訳者の翻訳力の高さでもあろう。
日本人が知ろうとしなかった在日韓国人の歴史に思いを馳せながら、ソンジャとその息子たちの人生がどのように流れていくのか、下巻に期待したい。 -
Posted by ブクログ
ミン・ジン・リー『パチンコ 上』文春文庫。
祖国から日本に渡った韓国人の数奇な人生を描いた大河小説。韓国版の『おしん』という感じのストーリーである。噂通り面白い。
激動の時代の中で祖国に別れを告げ、日本という異国の地で逞しく活きる韓国人。戦時中は日本人も韓国人に負けず劣らず逞しかった。今の時代、軟弱な多くの日本人は言葉もままならない異国で暮らすなど不可能だろう。
日韓併合下の釜山沖に浮かぶ小さな島、影島で下宿屋を営むキム・フニはヤンジャを嫁に迎え、ソンジャという娘をもうける。しかし、ソンジャが13歳の時にフニは結核で静かに息を引き取る。その後もヤンジャは娘のソンジャの手を借りながら、下宿屋を続ける。
17歳になったソンジャは、34歳の仲買人コ・ハンスと恋に落ちて身籠るが、ハンスには大阪に妻子がいることを知り、ハンスに別れを告げる。妊娠を恥じるソンジャに牧師のパク・イサクが手を差伸べ、二人は結婚し、イサクの兄が住む大阪の鶴橋へと向かう。
大阪でイサクの兄のパク・ヨセブとその妻キョンヒと暮らすことになったソンジャとイサクはノアとモーザスの2人の息子を授かる。やがて、戦争は激化し、ソンジャたちは再会したハンスの言葉に従い、田舎へと疎開する。
本体価格960円
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Posted by ブクログ
日本が朝鮮半島を併合しなければ、北朝鮮と韓国という2つの国に分断することはなかったのではないかと感じました。このへんの歴史については勉強不足のところがあります。しかし、中高生の時に近代歴史についてはさっと流して教えられたと感じています。自分で勉強するしかないのですが、なにが正しいのか判断するのが難しい。
作者はこの小説は日本人を糾弾するものではないといってくれてますが、実際にはそうではないと感じています。
私がこの小説を読んで面白かった箇所は歴史とは関係ないところだと感じています。人を愛することは悲しい物語が始まるというところです。人間はひとりでは生きていけないので、人それぞれに悲しい物語があるということを感じました。
そうはいっても歴史が物語の内容に影響をあたえることによって、一人ひとりの人生が同じではなく違いがあるものになっていくと思います。 -
Posted by ブクログ
序盤は少し退屈だったが、途中からは面白かった。朝鮮人4世代に渡る、在日の物語。
特に特定のテーマがある訳でもなく、物語にオチがある訳でもないが、不思議なリーダビリティによって読み終えた。
ただ韓国系作家だからなのか、同じ段落なのに文章の視点がコロコロと変わる文体で、始めはかなり戸惑った。日本や欧米の作品では、こんな事はないはずだが。。
まぁそれも途中から慣れたので、特に問題なし。
またあまり不快な人物が登場せず、差別についても話としては出てくるものの主人公たちが直接そういう被害に遭うような描写は少ないため、その意味でも読みやすい小説だった。
深い感銘を受けるような読後感ではないものの、優れた人物描写と勿体つけない話の展開が奏功して、質の高い小説になったと思う。