デビッド・ロブソンのレビュー一覧
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この本の主題からは少しズレるが、以前から優秀な人とそうでない人って何が違うんだろうと不思議に思っていた。以前勤めていた会社はかつて名門と言われただけあって、同期にも部下にも一流大学を卒業した飛び切り頭の良い(はずの)人が多かった。ところがいざ仕事をさせてみると全く使えない、ということが珍しくなかった。仕事の進め方はデタラメだし 報告も要領を得ない。
この本を読んで、その理由の一端が分かった気がした。入試で測定される能力(分析的知能と記憶力)は知能の一部でしかなく、仕事に要求される知性はそれよりずっと幅が広い。加えて本人の学ぶ意欲(好奇心)によって、その後の成長に差がついてくる。確かに言われて -
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大変有益かつ痛快で面白い一冊!
自分の中で持っていた「賢さ」の定義や概念が大きく変わっちゃいました。
本書の冒頭に出てくる、とある人物。
この男は、エイズの原因がHIVであることや、フロンガスがオゾン層を破壊することを「科学的根拠がゼロあるいはほとんどない」ことの例として挙げ、ETや占星術を信じ込むような人物です。
どう考えても知識も常識もない奴だと思われるかもしれませんが、実は彼はノーベル化学賞を受賞した人物なのです。
それなのに、なぜ彼はこんな愚かな判断をしてしまうのか?
そこが本書の大きなテーマであり、高いIQや専門知識が、必ずしも優れた判断や意志決定につながるわけではない、ということ -
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身近な人たちにも大企業の経営者にも政治家にも専門家にもご多分に漏れず、合理的ではない判断をしたりバカなんじゃないかと思ってしまったりする人が結構な割合でいる。それは自分にも当てはまる。思想的に偏狭になってきたなーと自分でも思うことしばしばである。
なぜそんなことになるのか?いつも疑問に思っていた。その答えのひとつはバイアスだ。私たちの思考はバイアスで満ちている。そしてそれは個人の問題にとどまらず組織にも及ぶ。
本書はIQが高いのにバカになるのはなぜ?ということから始まり、私たちの判断を鈍らせ組織を不全化する様々なバイアスを説明する。謙虚に人の意見には適切に耳を傾けようと思う。 -
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ロールシャッハテストのような黒いインクのシミみたいなイラストがあって「何が隠れているか」というクイズがある。これが全くわからない。わからないのだが、家の人とこれで少しだけ盛り上がる。小さい家人に対し「本を読むのは偉い事」という教育に利用されがちな私は、手に持つデュルケームの『自殺論』で場を凍らせる。それだと良くない気がして、差し出したのが本書の黒いシミ。年末年始は大過なく過ぎてゆく。
このシミが何なのか、分かったあとは、そのようにしか見えなくなるというのが本書の補説だ。脳が一旦学習をすれば、そのパターンを覚え、期待形成するようになる。読書や勉強、経験などは、恐らくこれの積み重ねであり、黒いシ -
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The Expectation Effect:How Your Mindset Can Transform Your Life
【目次】
はじめに ──謎の「突然死」症候群
第1章 予測マシン:いかにして脳の「思い込み」は現実を作るのか
第2章 信じれば治る:プラセボ(偽薬)治療の最前線から
第3章 痛みと思考:ノセボという「呪い」を無毒化する方法
第4章 脳のミラーシステム:こうして「陰謀論」は集団内に広まる
第5章 肉体の限界は脳が決める:より速く、より強く、より健康に
第6章 ダイエットのパラドックス:なぜ「ヘルシー」なものほど太るのか
第7章 ストレスを科学する:恐れや不安をエネル -
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ネタバレ<目次>
第1部 知能の落とし穴~高IQ、教育、専門知識がバカを増幅する
第2部 賢いあなたがきをつけるべきこと
第3部 実りある学習法~「根拠に基づく知恵」が記憶の質を高める
第4部 知性ある組織の作り方
<内容>
昔から言われてきたことだが、賢いヤツほど実はバカ。世界の例がたくさん載っているが、日本でも「オウム真理教」などが最たる例だろう。第2部でそうならないための知恵が、またかゆいところに手が届くように、第4部では個人ではなく、組織になるとバカになる例が載っていて、それへの対処法(こちらが一番難しいかもしれないが)が載っている。頭の良さだけではなく、組織内の人間関係が影響される -
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ネタバレ1. 「知性」は必ずしも賢明な判断に結びつかない
・高いIQ、教育、専門知識を持つ人が、逆に誤った判断や愚かな決断をすることがある。
・実際に、IQ190以上の天才でも平凡な人生を歩んだり、専門家が陰謀論や非科学的な信念に陥ったりする事例が紹介されている。
2. 主な認知バイアス:「動機づけられた推論(マイサイド・バイアス)」
・知識や知性がある人ほど、自分の信念を正当化するために知能を使いがちで、都合の良い情報だけを選び取る傾向がある。
・専門家には「獲得されたドグマ主義」(acquired dogmatism)や「知識の呪い」が存在し、自分の専門分野以外を過小評価したり、新しい視 -
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ネタバレ優れた知性と優れた洞察力は同じではない。キャリー・マリス、ポール・フランプトン、アーサー・コナン・ドイルなど。
知能水準が高い人は、他人のアドバイスを受け入れず、自らの判断を正当化する主張が得意。その結果自分の見解に固執する。医療現場では深刻。
「ジャックはアンを見ており、アンはジョージを見ている。ジャックは既婚だが、ジョージは違う」一人の既婚者が一人の未婚者を見ているのか。
認知反射を測定するもの。陰謀論、フェイクニュースに騙されやすい。
大抵の人はモノを考えているつもりで、先入観を組み替えているに過ぎない。
フリン効果=年々IQが上昇し続ける問題。教育が進化して低年齢化しているから。 -
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なぜ賢い人ほど愚かな決断を下すのか
デビットロブソン 日本経済新聞
ひたすら愛に憧れながら
なぜ物質次元に執着し続けるのだろうか?
先日読んだNEXASlも同じようなことを上下巻にもわたる本で繰り返し述べているが
なぜ競争世界を卒業して切磋琢磨による相乗効果を目指さないのか?
この世は調和を理解するために物質と言う重力場における摩擦界を作り出して相対し合う関係から学ぶことを選んだのではないのか?
勝ち抜くことにのみかまけて
誤諾を並べても何も始まらない
部分感にまみれたこの世で果てしなく堂々巡りせずに
勇気を出して反面教師に学ぶ場なのだと気づくべきなのだ