伊藤隼之介(原作:Cygames)のレビュー一覧
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冒頭のウマ娘入場のシーンは現状における人気差を如実に表していたね。バンブーもヤエノもワカバもあの舞台に立っているのだから、不人気という訳では無い。けれど、永世三強と呼ばれるイナリの前では一段劣る。そしてその四人を他所に圧倒的歓声で出迎えられるのがオグリと⋯
本当にここまで人気格差が生まれてしまうなんて異常事態と表現して良い状態
ここで面白いのは歓声の割に意気込み的にはオグリが最もぼんやりした印象を受ける点か。元々オグリは周囲の期待にそれほど呑まれないタイプとはいえ、ここまで周囲と本人とにギャップが存在するのは不気味に思える。特に此処最近のオグリに不調にも似た奇妙な描写が多発していることを考えれば尚の事
そうした緊張を孕んで始まった宝塚記念はセオリーとセオリー破りが交差する別の緊張感が満ちたレースに
それだけにシリアスなフリを受けての「出遅れたっス⋯」は大笑してしまったよ!バンブーってどうにも格好が付かないシーンが多いなぁ(笑)
兎にも角にも、ワカバはセオリーに従った堅実なレース運びで先頭近くを位置取る。ならば、セオリーに則って走る彼女を打ち破る為にはセオリー破りが必要で
北原が授けたオグリの策はリスクが有りつつも、勝利を現実のものとする為の必勝策。期待の目が集まるそれはオグリをマークしているウマ娘達とてセオリー破りを始める契機となるわけだ
ただ、奈瀬英人が言及するようにセオリーこそ勝利への定石である筈。セオリー破りで勝つなんてそれこそ定石ハズレも良いところで
だからこそ、ワカバの慟哭が活きてくるね。前巻にて明かされたように彼女は世間を驚かせる輝石とは成れなかった。常識の中でしか活躍できない。それだけにセオリー破りによって猛進する強者達をセオリーによって引き離そうとする姿には格好良さを感じてしまったな
けど、そうしてオグリを強く意識して気を吐くワカバの姿を見る事で察してしまうのは、彼女とてオグリの姿に夢を見ていたのではないかという点
だとしたら、ゴール手前で勢いが消えて“自分程度”に追いつけなかったオグリの姿はショック以外の何物でもなく。勝者なのに勝者として誇れないワカバの姿には悲壮感が詰まっている。だからって「こんなの芦毛の怪物じゃない!!!」は言い過ぎだよ……
受け入れ難い敗北、脚部の故障、そして失意のオグリや北原
そんな状況から切り替えるのは難しい。鬱陶しい取材まで有るなら尚の事。いわば空気の入れ替えが求められる事態。そこでベルノの持ち出したアイディアが凄まじかった…。なんなの、今年は使わない別荘って……
オグリにとっては久しぶりに気の休まる時間となりそうなこの休養。それを他所に六平が思案する敗因がグサッと来る代物でしたよ
そうか、終わりが近づいているってこういう事なんだ……
オグリの失速が目に付いたレースだったけど、もう一点気になるのはイナリの落ち込みか⋯
元々ムラッ気の強いタイプでは有ったけど、それは爆発が訪れないとかそうした意味のムラッ気の筈で、今回みたいな後ろに控えたまま上がって来れないという意味ではなかった
クリークが言及したように、この状況はオグリの夢を走る時間が終わりに近づくだけでなく永世三強そのものの終わりすら近いのかもしれないと予感させる…… -
ネタバレ 購入済み
宝塚記念でオグリキャップが負けてまさかの暗黒の時代に突入していきますね。天皇賞(秋)とジャパンカップの敗戦の仕方をどのように描かれるのか、そして感動の有馬記念の復活劇がどのように描かれるのか、楽しみでなりません。
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ヤエノは追い付けなかったのか……。しかも、それは「もう間に合わない」を前提としつつも「オグリに追い付ける者など居る筈がない」という意味も込もっていたような
レコードタイムを出して勝利するオグリはまさしくそうした評価を得られるだけの怪物であるように思える
けれど、そう受け取るにしてはオグリがゴールする瞬間の違和感やヤエノが抱いた追い付ける感覚がどうにも小さな棘のように引っかかるね
安田記念を制したオグリに関しては復活したと表現できる。でも、相方である北原には分不相応な勝利と言えるかもしれなくて
囲み取材にキョドりまくる北原の姿は可哀想だけど面白いなぁ(笑)
ただ、北原にまで大注目が集まる状況はそれだけ世間がオグリに熱狂している証と言えるのかな
勿論、そこにはオグリだけでなく永世三強と言わしめたクリークやイナリの存在も在る。けれど、クリークが出走を回避するならどうしてもオグリに対する関心の比重は増してしまう
トレセンに記者が押しかける様子は当時の世相を反映しているかのように思えて、実場のオグリキャップ人気ってそんなにヤバかったんだろうか…なんて身震いさせられたよ
その状況はルドルフが慨嘆したように「オグリキャップの時代」と評さざるを得ないもの
そうした前提を踏んだからからこそ、162話で語られたミルワカバの怒りに納得させられてしまったよ…
一般人にも名が届く大スターが誕生すればジャンルは盛り上がり周辺の選手等にも脚光が向くもの。けれど、既に充分な人気を獲得しているジャンルでその現象が生じれば必然的に生じるのは脚光の偏り、名選手の埋没となるわけか……
おまけにオグリ等の世代が去ったとしても、次の世代では新たなスターとなりそうなウマ娘が控えているとなれば、最早世代全体が存在しないかのように扱われる状況は想像に容易い
どれだけ努力しても自分達は顧みられない。であるからにはミルワカバの抱いた怒りはオグリによって巻き起こった狂乱への怒りを代表したものと言えるんだろうなぁ…
そんな彼女が参戦する宝塚記念は果たして世の期待をどのように反映するのか?
今のところ、ベルノライトの違和感や静かに刃を研ぎ澄ますヤエノが妙な恐ろしさを感じさせるけど…
そういや、短いシーンだったけどメジロ一家の登場シーンには少し興奮させられてしまったよ。特にアニメ第二期を飾ったマックイーンが現れただけに尚の事
でも、言い換えれば以前のテイオー登場シーンと同様に、永世三強世代の終わりが近づいているとも表現できるのだろうけどね… -
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世間から最高峰の注目を集めた有馬記念はクリークとイナリが究極勝負を披露したのに対し、オグリは不甲斐ない結果に
彼女の悪夢から始まるこの巻は彼女にとってあの敗戦がどれだけのショックを齎したのかを示唆してくるね
てか、あのオグリが並走途中に走るのを止めてしまうなんて、そんな光景想像だにしなかったよ…
オグリとしては精神が谷の底まで落ち込んだ状態、簡単に回復できる心境ではない
だからこそ、あの北原がオグリの前に姿を表すシーンは最高でしたよ!
オグリが先に中央へ行き、彼女に見合うトレーナーになる為に猛勉強していた彼がようやく追い付いた光景に感動を覚えてしまうね
既にそこそこのキャリアを持っていながら、たった一人の為にトレーナー人生をやり直す。その無謀なる挑戦に迷いは一点もないと判るから、彼の参戦はオグリの為になると判る
北原のお陰かここ最近はプリティー成分が薄かったオグリの表情にまるでカサマツ時代を思わせるような柔らかさが宿っているね
⋯その反面、北原は六平から押し付けられた重圧でやべぇ感じになってたけど(笑)
有馬で負けて永世三強の一角としては少し沈んだ形となるオグリ。そんな彼女が向かうは天皇賞を回避しつつの安田記念ですか
バンブーメモリーも再戦を宣言し、新たなライバルも登場した事で舞台は心機一転⋯とそこまで綺麗に思えないのはやはり天皇賞では永世三強のクリークとイナリが気持ちの良い戦いを披露しているからだろうなぁ⋯
オグリとしてはまず有馬敗戦のショックや原因を取り除かなければならない。その為の安田記念
今回のレースは歩みを前に進めるというより、歩調を整え直す意味合いが強い。クリーク達のような己を振り絞る激闘とは何処か違う
オグリは北原を信じて、自分の向かう先を決めたけど、その判断を彼女はどこまで考えて納得したのだろうねぇ⋯
けれど、その点がどうであろうとオグリは六平に向ける以上の全幅の信頼を北原に寄せているのは確かだね
もし六平の教え方がオグリのプレッシャーとなっていたなら、あのように朗らかな表情で向き合えるトレーナーはオグリにとって最良のトレーナーであると言えるのかもしれない
てか、ミルワカバはキャラが濃いなぁ⋯。ウマ娘なのに牛モチーフとはこれ如何に
安田記念のレース模様はまたしてもオグリが先行策を取る驚き
有馬敗戦の一因と思われる遣り方を早速繰り返すなんて強気過ぎると思ったけど、これはこれで北原なりの分析による判断か
オグリは失敗を活かす形でゴールへの道を突き進んでいる。今のオグリは絶好調
そんな彼女に追い縋るヤエノは何とも不気味な雰囲気を醸し出しているけれど⋯
もしここでも負けるような事があれば、今度こそオグリは再起できないんじゃないかという不安が⋯⋯。特にこの巻はシンデレラで居られる時間が終わる事を暗喩するかのような夢から始まっている訳だし⋯ -
Posted by ブクログ
表紙にプリティ成分が皆無だった今巻、可愛いだけじゃないウマ娘の魅力が十二分に描かれた内容となったかな
可愛さではない方面への変貌を遂げた中心人物はやはりスーパークリークだろうね
オグリに大胆不敵な挑戦状を叩きつけた彼女は自ら魔王への道を進む。それは既存のクリークのイメージに不似合いなもの
けれど、そうまでしないと怪物オグリキャップに届かない、並び立てないとの危機感がそうさせたというのは凄い話
今の世はオグリを中心に回っている。その余波がクリークを変えさせた
本来ならそういったライバルの登場はオグリに良い影響を齎す筈
けれど今回のレースにおいては、クリークの変貌が全く異なる結果を有馬に現出させる事になったね…
先行して前へ出る策、これに加えてクリークも早い時点で仕掛けた点。それらが噛み合った結果、まさかオグリが早い時点で沈んでしまうなんて……
代わりに台頭したのがまさかのイナリワンというのは熱いね
クリークには何も油断はなかった。けれどオグリばかりを意識したレースの組み立てが想定外の存在への対応が詰められていなかった
また、世間がオグリばかりを注目する中で自分の走りを完遂した彼女への対策を誰も持たなかった
イナリの存在はオグリにばかり注目する世間へのアンチテーゼとなり、現世代はオグリだけじゃないと示すものとなるね
ただ、そうなれば世間は他にも注目するウマ娘が居ると考え始め、自然とオグリへの注目度は下がる
それを象徴するかのように141話序盤での描写を最後にほぼ出番も描写も無くなるオグリの様子が物寂しい……
永世三強の一角と呼称されながら、同時に「まさかの5着」と報じられたオグリ
彼女の胸中はどうなっているのか…。そして次巻予告に登場した彼との再会は何を齎すのだろう? -
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激闘を超えた激走を経てその価値を世界に発信したフォークイン。ただ、本人としては親しい者達に優しさを伴う形で褒めて貰えた点が一番大きな報酬であったように思えるよ
また、激走に付き合ったシークフローを始めとした他のウマ娘達も自身の走りを褒めている。それだけ世界に響き渡るレースだったと言える
けど、結局彼女らは世界からやってきて世界へ帰っていくウマ娘達なわけで
日本国内としての注目は、2位であったとしても世界記録級の走りを見せたオグリへと注目は集約されていくと
その意味ではイナリやクリークの反応が判りやすいね
これまでもオグリに注目して彼女を研究した事は有った。けれど、今はオグリを打ち倒す事がレースを征する点に直結している。レースでどのような走りをするかではなく、オグリを抜けるかどうかが勝敗を左右する
世間が社会現象としてオグリを注視するようにライバルウマ娘達もオグリを注視している
そのようにレースとの向き合い方が変わりそうな時に現れるのは過去の英雄である構成はいいね
オグリに惑わされるイナリに対して、三冠ウマ娘ミスターシービーは「世界の主役はアタシなんだからさ」なんて言って見せるわけだ
これはオグリを中心に回り始めたレース界隈に対して最高級のアンチテーゼになるね
どうやらその助言のお陰でイナリは新たな扉を開いたようだけど、果たしてそれは他のウマ娘にとってどれだけの脅威になるのだろうね…
また、オグリに対して強烈な宣戦布告をしてみせたクリークも、それに喜びを覚えるオグリの様子も気になる所
有馬記念は凄まじい激闘になりそうだ……
そういや、実際の競馬史を知らない自分でもオグリキャップ世代の話はアニメで描かれた世代よりも前なんだろうな、アニメで活躍した娘はあまり登場しないのだろうなと思っていただけに唐突に登場したトウカイテイオーには驚いたり
本作で活躍が描かれる事はないだろうけど、彼女の登場は少しずつ次代へと近づいている証であり、つまりはオグリの物語も終幕が近いのだろうと感じてしまうよ… -
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冒頭で行われる六平の回想はきっと指導者であれば多かれ少なかれぶち当たってしまう悩み。だからこそ、現実主義になった六平をして理想を見ずに居られないオグリキャップの走りは輝いているのだと理解させられるよ
そしてオグリとバンブーのレースは僅差でオグリの勝利。クリークに敗れて以来、調子が微妙だったオグリにとって新たにライバル宣言したバンブーへの勝利は大きな自信となりそうだ
ただ、勝利に浸る間もなくジャパンカップへ向けての準備が始まると。これが連戦の苦しさか
他方でJCとして世界の大物が集まるレースなのだから、オグリだけでなく注目株は多数やってくるようで
特に前回のJCにてジョーカーとなり勝利を手にしたオベイユアマスターは一番の注目株か。前回は伏兵戦術に依る勝利だったけど、王者としてマークされている中で何処まで戦えるのか…
他には典型的ポジティブお嬢様のイブビンティも気になると云うか目が引き寄せられてしまうけども(笑)
それ以外では藤井がピックアップしなかったフォークインがオグリと出会った点や鏡の自分と会話する行為がどういう意味を持ってくるかも気になるけれど…
徐々に緊張感が高まるJC出走に向けたウマ娘達。その中でオベイユアマスターとオグリの会話は意味深
そういや、前回の対戦時にはほぼ会話してなかったんだっけこの2人って。その意味ではオグリにとってはほぼ初見の相手の筈で。なのにオベイユアの仮面を見破ってしまうオグリは勘が冴えているね
もしかして、この言葉がオベイユアの本性を引き出させてしまったのではないかと思えてしまう。記者会見時の挑発、そして本来の勝負服での出走。これらは隠匿を主戦術にしてきたオベイユアに不利を強いてしまうような…
既に不穏さがマシマシのジャパンカップ、ここで何が起こるのだろうね? -
Posted by ブクログ
クリークに敗れて失意状態なオグリの前に現れるのは新たなライバルですか。しかも後輩キャラっぽい雰囲気を持つバンブーメモリーというのはちょっと面白いかも
これまでオグリが闘った相手は誰も彼も同年代のライバルといった雰囲気があったからなぁ
でも彼女を指導するのは奈瀬文乃の親である奈瀬英人
前巻のレースにてオグリは文乃が指導するクリークにしてやられた格好。負けを取り戻すとしても、その相手としてクリークより難敵と思われるバンブーを相手取るのはどう考えても穏やかな展開とはならない
それが早くも現れたのはマイルCSへの出走志望か
バンブーからの宣戦布告というきっかけは有ったにしろ、無理な日程での連闘はオグリに良い結果を齎すとは思えない。むしろどっち付かずの結果になる可能性の方が高い
それでもオグリがクリークとの負けで生じた不足感を補うためには時には無謀とも言える挑戦が必要だったと言えるのかな
それが無謀だというのはオグリのトレーナーである六平は百も承知で
だから、ここで六平対英人の構図が生じるわけだね。連闘を決めた英人と決められない六平。トレーナーとしての器を見せつけられたかのような…
ただ、そこで自分の判断に意固地になる程度だったら六平は優秀なトレーナーとは呼ばれないわけで
オグリの熱にやられて、彼女の夢が叶う存在が見たいと、人間らしい感情を露わにする彼の姿は格好いいね。また、そこで押し負けるのではなくオグリが最良のコンディションでレースに挑めるように計画書を策定する辺りはやはり一流のトレーナーなのだと感じさせるよ
最近のレースとは異なる条件を備えたマイルCSのレースはだからこそオグリに考える事を要求してくるね
これまでは感覚的なものや六平の指導に拠ってレース展開を積極的に自分で決めずに走ってきた。でもマイルの特徴やクリークへの敗北がオグリに異なる視点を与えたようで
遣り方を変える事で新たな何かを掴めそうなオグリと並び走るバンブー。英人の手によって夢を叶える力を手にした彼女はオグリにどのような景色を見せつけるのだろうか?