寿楽浩太のレビュー一覧

  • 科学技術の失敗から学ぶということ リスクとレジリエンスの時代に向けて

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    科学技術の失敗・事故に対してどのように考えるべきか、どのように考えられてきたのか、その考え方の変遷の概要を体系的に教えてくれる一冊。

    失敗から新たな科学的知見を得ることで再発防止ができた時代から、科学技術が進歩することで再発防止が困難な事故が現れ始め、事故を防ぐことは不可能だという考えの登場、大事故が起こるまでのシナリオに関するモデルの登場(スイスチーズモデル)、原因究明vs責任追及の二律背反が生まれてくること、さらには「レジリエンス・エンジニアリング」という新たな考え方が生まれてくるところまで、概観的に記述されている。さらには、今後「科学技術の失敗から学ぶ」ためにはどのような心構えで臨むべ

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    2025年09月12日
  • 核のごみをどうするか もう一つの原発問題

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    ・核のゴミの放射能が、人間や生物、自然環境に特段の影響を与えない程度まで弱まるには、約1万年かかる
    ・天然のウラン等が発する放射能と同等まで下がるのには10万年かかる
    ・そんなものをどう保管してどこに処分するのか。300m以深に埋める(地層処分)しか方法がないという
    ・なんでこんなどうしようもなものを生み出す物(原発)を人類は作ったのか

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    2024年03月09日
  • 核のごみをどうするか もう一つの原発問題

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    原発の新書はほとんど読んできましたが、放射性廃棄物に関して一番詳しく書かれてあり、海外の動向含め検討すべきことをコンパクトにまとめてくれていました。
    ジュニア新書といえど馬鹿にできない1冊です。

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    2023年06月08日
  • 科学技術の失敗から学ぶということ リスクとレジリエンスの時代に向けて

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    科学技術の失敗を、丁寧に分析・分類し、わかりやすく、読みやすくまとめた本です。

    「失敗学」を提唱した畑村洋太郎は、工学系の人ですが、畑村洋太郎の成果を踏まえつつ、社会学的な観点から科学技術の失敗を捉えるのが、著者の立ち位置のようです。
    その分、過度に技術寄りの話にはなっておらず、妙に高度な概念も必要としないためか、一般の人にも、とっつきやすい説明になっていると思います。

    科学技術に深く関わる仕事をしているかしていないかにかかわらず、現代社会を生きる者としては、科学技術の失敗に関する素養は必須だと思いますし、そもそも、科学技術に限らず、人間には失敗がつきものなので、失敗に関する知見は、現代人

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    2020年12月30日
  • 核のごみをどうするか もう一つの原発問題

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    のごみ問題は、長期的な原発計画策定の際、最もプライオリティの高い問題だと思うが、マスコミも野党も大きな問題にせず歯がゆいばかリだ。
    本書は 問題の本質を総論的に解説しており、とても勉強になった。
    ・海外の状況
     フィンランド 地層処分場の建設がすすんでいる
     スウェーデン フォルスマルクに地層処分場決定
     フランス   地層処分前提にピュール県に決定を申請中
            可逆性(未来に変更が可能な処分方法)を担保
     カナダ    オンタリオが候補で適応性のある段階的管理を進める
            (60年保管、その後も240年は人間の管理下に)
     アメリカ   混乱(ネバダ州のユッカマウンテ

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    2024年01月05日
  • 科学技術の失敗から学ぶということ リスクとレジリエンスの時代に向けて

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    「構造的な秘密性」
     専門化し長い経緯を持つため部外者にはその問題点がわからない
     良い人がみんなで起こす
     →「外部の目」実作業の現場のレベルでの意見

    「平穏無事に潜む危険」
     原因「深層防御」性質の異なる様々な防御を何重にも講じる
     スイスチーズモデル 小さな穴=問題点があっても他の防御壁で補われる
      どんな問題が潜んでいるか把握できなくなる
      
    「レジリエンス」
      ある程度の機能損失は承知の上で、大崩れして何もできなくなることを避ける
      個別の要素の損失ではなく、機能に着目

    第一種安全:逸脱を検知し想定通りにふるまう→自発的工夫を抑え込んでしまう
    第二種安全:できるだけ多くの

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    2020年09月26日