科学技術の失敗を、丁寧に分析・分類し、わかりやすく、読みやすくまとめた本です。
「失敗学」を提唱した畑村洋太郎は、工学系の人ですが、畑村洋太郎の成果を踏まえつつ、社会学的な観点から科学技術の失敗を捉えるのが、著者の立ち位置のようです。
その分、過度に技術寄りの話にはなっておらず、妙に高度な概念も必
...続きを読む要としないためか、一般の人にも、とっつきやすい説明になっていると思います。
科学技術に深く関わる仕事をしているかしていないかにかかわらず、現代社会を生きる者としては、科学技術の失敗に関する素養は必須だと思いますし、そもそも、科学技術に限らず、人間には失敗がつきものなので、失敗に関する知見は、現代人に不可欠だと思います。
本書は、そんな現代人にとって、失敗リテラシーを底上げしてくれる、良書だと思います。